Link.75 歓迎と仕事
依頼を受け、訓練場に向かったアマネ
そこで見たのは美しい肉体美………ではなく、歓迎してくれる「百尾の黒」だった
◆
「と、いうことで!アマネくん歓迎パーティーを開きまーーす!」
……………どういうわけだ!?
やいのやいのと背を押され、訓練場に入れられたアマネ
すると、かなり広いその訓練所には、何人ものキメラが稽古を行っていた
しかし、その訓練を遮るように放たれたのが今の一言だった
「ん?なんすか?」
【初日から歓迎パーティーは精神的にキツくない?】
「んー……………じゃやっぱナシで!新しい仲間アマネくんがきてくれたっすよ〜!」
「かっる………」
俺よりもきっと年上だろうな
身長が高く、細く見えるけど筋肉は確実に俺よりもある
そんな簡単な観察を終え、アマネは突っ込む
アルバの姉である、白髪赤メッシュのある狐耳少女「ノーチェ」は話すのが苦手なのか、明るい……恐らく炎で空中に文字を描いていた
「オイラはヴァウ。で、この筋肉ダルマはバルク先輩っす。好きに呼んで良いっすよ〜!」
この訓練所には多くのキメラらしき人がいる
しかし、ヴァウのようなその特徴が見受けられない人もいた
一般人もいるっぽい………?
なんか親近感だな……
「うん、よろしく」
「手荒な真似、あの時は失礼しましタ。私もナンセンスマッソォ!でした………少し熱が入ってしまイ」
「あ、あれで熱が入った程度なの………?」
あれで全力ではないのか………
ムキムキの人攫い役「バルク」が謝罪するも、アマネにとっては笑顔が引き攣る思いの話だった
全力で戦い、なんとか勝利を収めたあの試験の戦闘
……今思えば俺が勝てるように手加減されてた?
「………今度、ガチで戦ってみてくれませんか?」
「む!構いませんゾ!」
「あはい………」
ムキィッといちいち動きに効果音がつく動きをするバルクは嬉しそうに胸を揺らした
………なんだよ嬉しそうに胸を揺らしたって
全然嬉しくねぇよ………
「とりあえず、王様の指示っすからね。歓迎するっす。これから対魔法訓練、よろしくお願いしますアマネくん」
「………ん、よろしくな」
別に、元々拒否することでもなかったかもしれないが、強制されたが故に素直にうんと頷けない
自分の意思ではないと自覚するとどうにもハマらないのがアマネだった
「ふぅっ…………やるからには、やる!ヴァウさん、俺は何をすれば良い?」
「お、やる気っすね!好きっすよそういうの」
明るいが、1番常識人らしく話が通じそうなヴァウに指示を仰ぐ
いろいろ聞きたいことはあるものの、明らかに今は訓練中だ
仕事から始めようと気合いを入れ直していた
「んじゃまず、キミのするべきことを教えるっすね」
「おう!」
「的になってくださいっす」
「おう!───ん?」
淡々と言い放った言葉に違和感を持つ
ん?なんて言った?聞き間違いかな?
「的になってくださいっす♪」
アマネが地獄を見るまで、あと10分




