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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第3章 広がる世界のカプリチオ編

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Link.72 自由ってなんですか!!②

様々な自問自答が重なり、涙を見せたセラノア

その場面を須恵人の男に見られてしまう

しかし、なぜかそのまま宣戦布告を受けてしまうセラノアだった


◆


「なっ、なんでその流れで勝負に!?」

「は?定番の流れだろ」

「野郎同士でしてくださいよ………私は知りませんよ」


先ほどの恥ずかしさからか、セラノアはジト目で冷たく返す

どう頑張っても先ほどの醜態は取り消せないのだ


…………なら、この戦いは都合がいいのでは?


せめて見られたならば、それ以上広げないように脅すのは効果的では?


思考回路が疲弊し、発想が物騒になってきたセラノアは3秒ほど無言で考えるとふっと目に光がなくなった


「はい、やりましょう?すぐに忘れさせてあげます」

「お、おォ………?」


にこりと笑ってセラノアは魔力を練り始めた

アマネに絶え間なく送り続けていた魔力を自分に回し、戦闘体制に入っていた


「な、何だテメェ………?よくわからんやつだな……」

「構いませんし知りません。堕天使なんです。ごちゃごちゃ言うならそ(・)れ(・)ら(・)し(・)く(・)しますよ?」

「おう…………」


今までにないほど、感情の起伏が激しくなっているが、セラノア自身はそれに気づかない

そのまま男は自分の得物を構え、二人ともに膠着の風が流れ始めていた


「………大鎌、なかなか見ない武器ですね」

「はっ、黙れ。テメェの声なんざ聞きたくもねえ。主人に縋ってる依存野郎が」

「……………ええ、ええ。……………あーもう!!もういいですよ!無茶苦茶すればいいんでしょう!?」


ずっとアマリリスの言葉がモヤモヤとなって募っていたセラノア

それが泣いたことにより情緒はさらに不安定になっていた


そんな中、自分は危害を加えていない。

なのに嫌われ続ける現状、さらには暴言まで

罪悪感とはまた別の苛立ちがセラノアに生まれていた


ダンっ!と強く地面を蹴り付けたセラノアは怒りを燃料に手に力を込めていた


「もう、ほんと、なんなのかわかりませんよ…………!意味わかんないです………自由が足りないとか、意見がないとか背が小さいとか胸が小さいとか…………………!!誰ですか罪架の中で呑気なこと言ってる人は………!」

「お、おう………」


あまりの気迫に男も少したじろぐ

怒りの矛先を八つ当たりの形で男に向けたセラノアは、睨みつけて大きく息を吸った


「すぅっ…………『炎撃(フレア)』!!!」

「はっ、やっとか。死ねクソ堕天使!」

「誰がっクソですか!!『風撃(ウインド)』!」


シームレスに始まった戦闘は、セラノアの火炎から幕を開けた

扇形に広がった炎は、次に放った風によって範囲がさらに広がる

しかし男もそう柔では無い


義手を地面に突き立て、その瞬間地面が爆ぜた。

土が空中に舞い、炎を一瞬防ぐ防壁となっていた

しかも、セラノアの視界は塞がれたも同然だった


「誰も彼もなにも教えてくれない!知らない!!私はっ!!どうするのが正解なんですか!!!!」


セラノアは両手を振りかぶり、地面に触れる

瞬間、セラノアの前方には土の杭が飛び出していた


「『岩撃(エッジ)』!!」

「チィッ!!」

「……償わなきゃいけないんです。じゃないと、今生きてる私は、なんなんですか」


それを肯定する存在は、今いない

不信とは、一つの要因で決壊しかねない堤防である


なんとか杭を鎌で壊した男は、一度距離を置こうとする

しかし、セラノアは叫びながら追撃の手をやめなかった


「───でも!!こ(・)れ(・)はおかしいでしょう!?」

「なっ………!?」

「あなたに何があったのか興味もありません!私にも持たなくて結構です!」


体制を整えようとする男に、セラノアは身体強化を行なって肉薄し、右足を思い切り振りかぶった


「ただ───────巻(・)き(・)込(・)む(・)な(・)、バカぁっ!!!」


全力の、魂の叫びが如く、その蹴りは男の顔面に深く突き刺さった

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