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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第3章 広がる世界のカプリチオ編

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Link.71 自由ってなんですか!!①

アマリリスに願いを問われたセラノア

1ヶ月前、アマネに行った問いに似たものを投げかけられたセラノアは改めて悩むのだった


◆


「…………」


『君は君自身の願いを見つけなきゃ、劣等感はずっと付き纏うよ』


つい数分前に言われた言葉。

セラノアは自室に戻ってその言葉を反芻していた


「願い………」


は、はは………私に、願いがない?

なにを馬鹿なことを言っているのでしょう

なければこんなに長い時間……………………


「長い……………時間、苦しんでいませんよ」


ふと、頬に伝う温度を感じない流れるものに気づいた

自分の体から出たもの。当然、冷たいも熱いもない涙だった


「……………………皮肉、です、ね」


欲には、あるかと私が聞いたのに

わからないなんて

……………アマネ………


ひゅう、ひゅう、と胸を押さえ、呼吸をする

ぎゅっと目を瞑って考える以外の感覚が消えていく

セラノアは酸素が足りずただ呼吸が荒くなる脳内で、相棒の顔を思い浮かべていた


たった、1ヶ月

1000年も1人だったのに、その孤独を、今まで忘れていた


『どんな罪を犯しても、俺はずっとは苦しむ必要はないと思うんだ。償う気持ちがあるならだけど、生きて、笑って謎を解明しよう。苦しむのは、必要な時でいい』


『俺は、みんなを守れるセフィロトの樹になりたい。でも、なるなら俺はセラノアとがいいんだ』


いつのまにか、短期間でも心を満たし、安心させてくれた人がいた

離れる想像は、していなかった


…………………っう


一度流れた涙は、そう簡単には収まらない

物理的に痛む気すらする心臓

今も罪架はセラノアの心を何度も、何度も執拗に突き刺していた


「アマ…………ネ…………あまねに、会いたい…………」


苦しいながらも、アマリリスの言葉はまた違う味で心に刺さっていた

…………自由は、言葉にすることから始まる

どこかで聞いたような気がした


「っ……………ま、ね…………アマネぇっ……………」


眠り続けていた彼女は、精神的にはまだ16歳。

縋るように、布団に体を包み、頭まで隠して丸まるセラノアは近づく気配に気づけなかった


「………………チッ」

「────!?!?!?」


さながら猫のようにビクッと飛び跳ねたセラノア

目線の先には、あのセラノアを毛嫌いする須恵人(すえじん)の男がいた


「なっ、な、なんっ、なんでっ」

「……………ノックしても応えねえからだろ」


非常にわかりやすく眉間に皺を寄せ、面倒臭そうにそう言う男。

先ほどの泣き声を聞かれているのは明白だった


「っ〜〜〜〜〜アマリリスさん──!!!」

「自業自得だ」

「ぐぅっ…………」


八つ当たりなのは自覚していた

しかし、叫ばないとこの恥ずかしさではまともに人の言葉を喋れる気がしなかったのだ


「……………………何の様ですか、可愛い乙女の部屋を覗いて」

「……………………はっ、自惚れんな。外に出ろ」

「…………?」


◆◆◆

「ちょ、ちょっと待ってください!どこに行くんですか!」

「うるせぇ。黙ってついて来い堕天使」

「堕天使堕天使って私にはセラノアという名前が──」

「黙れ」


男の後を仕方なくついてくると、どんどんと森の中を進んでいってしまう

前回襲われた場所よりもかなり先まで行っていた


「俺と………勝負しろ」

「………………───はい!?」


セラノアの困惑は、広く響き渡った

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