Link.67 波の国
アマネはアルバから情報を聞くことに決め、この国について知ることにした
◆
「キメラは全員、愚王ロードに作られました」
用意された、非常に上品で砂漠の中でも涼しさを感じさせる美しい部屋の中でアマネはアルバから話を聞いていた
「王様も、愚王に売られた奴隷だったんです」
「奴隷…………」
聞いたことはある
オラトリオでも、ないわけではないものだった
もちろん、法的に禁止されている
王がそれをするんじゃ誰もこの国では文句は言えないよな………
「僕はナイトメアシープという悪魔の細胞を移植されています。………うん、力をほとんど移植されたと言っても間違いありません」
「確か………高地に生息する羊の悪魔だったっけ」
「はい」
なんとも酷い話だ
しかし、覇国と言われるのも納得がいく
その作ったキメラを使って戦争を起こせば、オラトリオなどでない限りはキメラに勝てはしないだろう
天使がオラトリオの専売特許とはいえ、他国でも契約者はいる
オラトリオといい関係を築いている国は契約者もそれなりにいるのだ
ただ、そんなことたくさんの国ができるわけではない
「あっ、あと、この国の砂漠。それは地下にいた骨龍が死んだことが原因なんです」
「こつりゅう………?」
聞くと、その骨龍という悪魔は水の力を宿した龍という悪魔の中でも高位な種族だった。
かつて、その骨龍によってこの国は水の国とも呼ばれるほどでむしろ水害に悩まされるくらいだったとか………
「──だから、名前が『フラクタス』なんです」
「………だいたい読めてきたな。つまり、その水害を引き起こしていた龍が死んだら水害は収まると思った。けどむしろ砂漠化を引き起こしてしまったわけか」
アマネは柔らかく、確実に高級な素材でできたベットであぐらをかきながら考える
アルバも隣に座って話を続けていた
「はい。といっても……僕は生まれていないので、その時のことは聞いた話ですが………」
「さんきゅ、助かるよ。それでいいんだ」
アマネは優しく笑い感謝を伝える
アルバは照れくさそうに笑って、ベットから立ち上がった
「もう夕方ですね。今日この国に来てから、色々疲れましたよね」
「そうだな…………はぁ、やってらんないわ……」
アマネは、その柔らかく沈むベットに大の字になる
アルバはその様子にくすくすと笑っていた
アマネもそれにつられて少し笑う
二人はどうやら気が合うようだった
「その、アマネさんって呼んでもいいですか?」
「もちろんもちろん!俺もアルバでいいか?」
「はい!ふふ、友達ができるのは久しぶりです」
その言葉に、ふとアマネは置いてきた一人の友人を思い出した
暗くなる空
アマネはベランダに向かい、空を見上げた
ルピナスも、無事かな………
愚王ロード
本名は誰も知らず、アリスによって殺された前フラクタスの王
奴隷や非倫理的な実験に意欲的で、戦争欲の強い民のことを考えなかった愚王




