Link.65 そんなに大事?
アマネに対し、自身の野望を語ったアリス
そんなアリスの背後には、巨大な骨の羽が広がっていた
魔灯=現代で言う電気
◆
「骨の…………羽……………!?」
広い王室の玉座。
そこにてアリスの腰から伸びる骨の羽はアリスの左右に大きく広がっている
どうやら羽はあの青い何かでできているようだった
「ここはね、キメラの国だよ」
「きめ………ら?」
「悪魔の力を無理やり人に埋め込んだ、化け物のことだよ」
「なっ……………!?」
そんなこと、できるのか…………!?
でも確かに、天使がいないのになにか魔法のような物を使ってる……………
それってまるで……
「権能、みたいだろう?」
「…………………」
強張った顔で一歩後ずさるアマネ。
心臓の音がうるさい
先ほどのワームなど比にならないほど、強大なマナが彼女の身体には宿っている
そう、契約者初心のアマネでもわかるほど、圧倒的な強さを感じた
「手伝ってくれる?アママ」
「…………断ったら?」
ケロッと、先ほどの狂気など嘘のように可愛くそう言うアリス
引き攣る顔で苦笑しつつ、アマネはもしもを問いかける
「さあ?その身で確かめてみる?」
「…………やめとくよ」
ここで逃げるなんてできやしない。
今、アマネに拒否権などなかった
「うん!いい返事!ボクは素直な人は好きだよ」
「は、はは…………」
苦笑しつつも、アマネは気圧され切ってしまい、頭など回りそうになかった
「ひとつ、優しい君に助言をあげる」
「………助言?」
「あの国、そんなに大事?」
「……………………………」
その沈黙に、アリスは満足げに鼻を鳴らし、羽をしまってその場を後にした
取り残されたのは、アマネのみ。
室内には、ただ暗がりが残っていた
◆◆◆
「あのっ………大丈夫……………ですか?」
魔灯の消えた凛淵宮
そこに、一人の少年の声が響いた
アマネは、なんとなくその声に聞き覚えがあった
「あっ…………君は」
「えと………はい、あの時庇ってもらったフードの………あ、アルバです」
目の前の少年には、羊のようなツノが生えており、かつ耳は垂れ下がった同じく羊のようなものになっていた
先ほどはフードを被っていた上、非常事態のため違和感を持てなかったが、その姿はまさに先ほどのアリスの「キメラ」についてを彷彿とさせていた
「それは…………」
「えっと、はい。僕たちキメラは悪魔の細胞を体に入れられています。天輪こそないけど、特徴と能力は一部あるんです」
アルバは優しく、キメラについてを教えてくれる
なんとも複雑な心境のアマネに、アルバは「ついてきてください」とだけ言った。
アマネには、それを断る気力すら残っていなかった。




