Link.64 盲目的なカリスマ
対魔法使いの特訓を依頼されたアマネ
そこに、アリスはオラトリオに挑むためだと答えた
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「え…………………?」
「あははっ、そんな顔しないでよアママ。ボクは別に無駄な血を流させたい訳じゃない」
「は、はは………だよ……な?」
政治的な意味で戦争って言葉を使ったのか………?
は、はは………笑いずらいジョークだな
アリスはジョークが苦手らしい
「──だからね、ボクは慈悲深く、命だけは残してあげるつもりだよ」
そう言うアリスの目は、本気でそう思っている様子で、穏やかな、まるで子を見守る親のようなものだった
なぜか落ち着いてしまうほど穏やかで、それ故に、客観視すれば不気味な気配
目の前の少女が、自分とは違うもののように感じた
「なにを……………言ってんだよ………?」
「言葉通りの意味だよ。ボクは君の国をボクのものにする。必要最低限の犠牲を以ってね」
つまり、アリスはオラトリオの王を殺し、自分がそこの僭主にもなろうと考えている、ということだった
「なん………でだよ」
「野心の話をしようか」
落ち着いた様子のアリスとは違い、えもいえぬ恐怖を肌に感じるアマネ
切り出した話を、素直に聞き入れるしかできなかった
「ボクはここの王座を奪い取った。この力でね」
そう言いアリスは手のひらに青い、水、火、どちらともつかない物を浮かばせる
その手を差し伸べられ、アマネの顔は引き攣っていた
「その時、気づいたんだ。ボクはこれに憧れていたってね」
「……………憧れ………?」
「血を浴び、王座に座る。──僭主という言葉がまるでボクのためにあるんじゃないかと思うくらい。それはなんとも──スカッとするものなんだ」
全ての言葉には、狂気が宿っている
しかし、アマネは恐怖を感じながらもその言葉を理解してしまった
否、させられていた
これが、王だって…………?
あまりにも…………狂ってる
いや、違う……………王じゃない
コイツは………根っからの、僭主なんだ
「できることならばボクは、この国の美徳(覇国)を崩したくなんてない。あぁでも民は望まないね?なら!なにもしなくていい」
顔を見ることができない
その言葉に、熱を込めるアリスに、なにも言葉など挟めなかった
言葉は狂っている。
意見も、なにもかも。
しかしそれを正と考えてしまえるような
ただの───カリスマがそこにあった
「ボクらが世界を奪い取るんだ──」
拳を握り、青い炎を握りつぶす
ハッとしたアマネはアリスの表情をやっと見ることができた
ただ、それはいいこととは限らない
「──キメラとして、ね」
その傲慢な僭主からは、1対の骨の羽が大きく広げられていた




