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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第3章 広がる世界のカプリチオ編

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Link.63 side:アマネ 取引

メイドとして受け入れられ始めたセラノア

そして、アマネもまた新たな地に馴染もうとしていた


◆


「なぁにが名においてね、だ……こっちの意見聞かずに初対面で試験仕掛ける時点で礼に欠きすぎだろ」

「あはは、それは確かに?」


まあ、王様だろ?理解はできるけどな……


偉そうに胸を張って自己紹介をしたアリスに、アマネはジト目で冷たく返した

アリスはケロッとしている


「うん、悪かったね。非礼を詫びよう。君は善人………うん、善人だ」

「詰まるなよ俺なんかしたか!?」


アリスは、言葉の途中で何かが引っかかったように斜め上に視線を向けて悩んだ後、言い直した

まるで善人という言葉がアマネにつけるイメージとして正しいか吟味するように


「もう、細かいことはいいじゃないか。悪い事をしたとは思ってるよ。お詫びに、君の相棒探しは今後も手伝ってあげる」

「………マジか!?いや、信じないぞ……いつまでだ」

「見つけるまで。──疑り深いねぇまったく」

「う………」


アマネがジト目でアリスを睨みつけると、やれやれと言った様子で即答する

ひとまずアマネはアリスについていくことにした

◆◆◆

フラクタス中央──凛淵宮(りんえんぐう)にて


「──改めて、アママ、君に契約を持ちかけたいんだ」


アリスはアマネをオラトリオでいう王城に連れて来た。

白いもふもふのついた上着を着ている。

なんとも、服装は王様らしいものだった


玉座に座るアリスと、その階段の下に立つアマネ。

こうして改めて向き合うと、少しだけアリスが王様だという実感が湧いてきた。


「ボクはこの国の僭主(せんしゅ)。つまりこの国を奪い取った王なんだ」

「………あぁ」

「そして、ボクが僭主になれたのは、この国の人みぃんな、元の王様が嫌いだったから。」


噂は聞いたことがあった

愚王ロード・フラクタス。戦争を好み搾取で国の発展を計画する嫌われる典型的な悪王だったらしい

アリスがこの名前を継いでいるのはある種の皮肉だろうか


「ま、王が変わったとしても国同士の関係はマイナススタートさ。我が国には政治的な面で弱点が多すぎるんだ」


フラクタスはほとんどの国からの印象が悪い。

覇国と呼ばれるほど、戦争には勝ってはきているものの、勝てない戦争をしないだけという意見もあった


そんな卑怯な国は、王が変わったとしても関係も変わる訳ではない

今までフラクタスから受けてきた圧力が消えたとしても、各国に鬱憤が溜まっていることには間違いなかった


「で、俺にオラトリオとの間を取り持って欲しいと……?」

「ん?そんなのできるわけないじゃん?自惚れ自惚れ〜」

「なっ……………〜〜っ………」


確かに、そうだけど…………!

今の話の流れだとそう思うだろ!


恥ずかしくなったアマネは王座に座る高い位置のアリスから目を逸らしてしまった


「君は早く本題に入る方が好きみたいだね。じゃ本題。君に、対魔法使い訓練の敵役をして欲しいんだよ」

「対魔法使い訓練………?」


きっと言葉通りの訓練だろう

なるほど……ヘイトが高いから契約者から攻撃されることもあるってことか──


その訓練の意味を考え、考察していると、アリスは前屈みに太腿へ頬杖をつき、不敵な笑みを浮かべた


「──い(・)つ(・)か(・)攻(・)め(・)る(・)、オラトリオ戦に向けて、ね」

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