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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第3章 広がる世界のカプリチオ編

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Link.58 side:アマネ テスト

ダーナ達は真理を求めに

セラノアは花と出会った

アマネは戦い、「守れる人」を実践する

──今その先に待つのは王の眼差しだった


◆


「はぁっ………はぁ………」


肩で息をしつつ、アマネは立ち上がる

目の前には倒れた大男

何度も何度も魔法を放ち、ようやくこの人攫いを倒した所だった


ようやく一息つけると深くため息をつくと、背後から一つの拍手が聞こえて来た


「うん、やるね。アママ」

「………アマネだっての」


その正体はアリス。

これだけ派手に戦闘していながら、全く加勢する気配もなかった少女だった


「っと、ひとまず………無事か?なるべく当てないようにしたけど……」

「………」


アマネはひとまずアリスのことは放っておき、倒れた大男に担がれていた白髪の少女に手を差し伸べる。しかし、差し伸べた先で動いているものを見て、体が硬直してしまった


「え"っ………!?」

「………」


むくりと起き上がった少女は何も言わない。

この砂漠にしては暑そうな黒いローブを着ており、口元はフェイスベールをつけている。

しかし、驚いたのはそこではない


「猫(・)耳(・)………!?」


そう、少女の頭には、一対のケモ耳がついていたのだ

人の耳は見当たらない

こんなものは見たことがなかった


そういうカチューシャ………?

可愛らしいな、セラノアにも似合うかも

ってそんなことはどうでもよくて………

まぁ………趣味ならなんとも言い難いか………


色々頭の中で情報が駆け巡るアマネを他所に、少女は無言のまま一礼してアリスの方へとてとてと走って行った


「はは、一応狐だね〜間違えると少し不機嫌になるから、覚えといてね」

「そうなのか………って知り合いなの?」


アリスの後ろに隠れる様に狐耳の少女が隠れる

その姿を見ると明らかに関係者だと察することができた


あれ?もしや…………これってぇ………?


「うん、それで簡単に言えばこれは君に対する試験だね」

「はぁ〜〜〜〜〜〜!?!?」


どう表せばいいかもわからないような表情をして、アマネが叫ぶ

その様子にアリスは心底楽しそうにしていた


「っあははははは!!!いいね!いい反応だよ!芸人向いてんじゃない?」

「うるっせえ!笑うな!」


その笑い声にアマネはつい強い口調で答えてしまう。普段ならしないがしてやられたという意識が強すぎて、無意識にそうなってしまったのだった


「──あっ、悪い──」

「ふふっ、あぁ、それはちゃんと本心だ」


ふと、気づいて訂正しようとするアマネ

いつのまに距離を詰めたのか、気づけばアリスは目の前にいた。

人差し指をそっとアマネの唇へ当て、言葉を制する。

下から覗き込む瞳は優しくも試す上位存在の目をしていた


「彼女はノーチェ。喋れないからちょっと無愛想かもだけど許してあげてほしい」

「………わかった。ところで、テストってことは俺の結果はどうなんだ」


ニカっと笑ってアリスは楽しげにノーチェの元へ戻っていく。

アマネは立ち尽くしたまま不満気に聞いた


「うん!合格だよ───僕の国に正式に歓迎しよう」


アリスは振り返り、手を広げる。

大仰だがどこか違和感のないその姿がアリスらしいと思わせる仕草だった


僕の国、ってことは………


「僕───アリス・バーディロイド・フラクタスの名においてね」


幼き僭主はまるで演者の様に礼をし、アマネの入国を歓迎していた

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