Link.55 砂漠の捜索②
謎の少女、アリスと出会ったアマネ。
セラノアがいない事実に気づき、ここがオラトリオでないことを知るのだった
◆
──結果、探したけどいなくて
そしてさっきの会話に戻るわけだ
「──ここが、オラトリオじゃない!?」
セラノアを探しに、ワームの足跡を辿って戻っていったものの、何も見つからない。
そのためひとまず日陰で休むことにしたのだ
「そーそー。君が突如現れて、不気味な気配してたからさ、わざわざ見にきたんだよ」
何で?足で?走ってきたの?
という疑問はさておき、アリスと名乗った少女はあっけらかんと明るく言い放った
「不気味な気配って失礼な………純正の人間だよ」
「…………そだね?」
一瞬ポカンとしたアリスはくしゃっと笑って同意した
いったい今のどこに笑いどころが合ったのだろうか
その時、ふとアマネの体に力を感じた
「──ん?……………これって」
「どしたの?」
「魔力だ!セラノアが魔力を送ってきてくれてる………!」
両掌を見つめながらアマネは歓喜に染まった声で喜んだ
つまり、セラノアは生きているのだ
無事かどうかはさておき、生きているのだ
セラノア側から届いたかどうかの感触がなかったのは、あまりに遠いため物は届いても反響してこなかったのだ。
まるで底の深い井戸へ光を落としたかのように
「ふぅん、それはよかったね」
「あぁ………!よかった……………!探してくれてありがとうな、アリスさん」
「………はぁ、拍子抜けだね。まあいいや。呼び捨てで構わないよ」
ほっとしたような、安心したような笑顔で感謝を告げられたアリスは苦笑しつつ立ち上がった
「それじゃ、契約の代償の話をしようか」
「えっ」
「君はボクの言うことを一つ聞く。ひとまず生きてはいるんだろう?なら一度国に帰ろう」
「ま、待ってくれ!まだ無事か解らない!生きてはいるけど救難信号かも………!」
「こぉんな砂漠でまともに捜索なんてできると思う?………生きてることを祈りつつ、次は自分のことを気に掛ければ?」
ぐ………
確かに、セラノアが生きてるとはいえなんのランドマークもないこの砂漠じゃ探しようがない
………念話もダメか。届かない
いろいろできることを考えるもののどれも役には立たなかった。
アマネはアリスの言うことをひとまずは素直に聞くことにした
「わかった。聞く」
「うん!いい度胸だね?思い切りがいい人は好きだよ」
◆◆◆
「ぜぇ………ぇ……なんっだ………ここ…………!?」
アリスに首根っこを掴まれ、移動の秘技を見たアマネは酔いを感じつつも目の前の街を見て驚いていた
秘技というのはアリスが始めにアマネの所へやってきた時の移動方法だ。
──つまりは、空中散歩だった
死にそうなアマネは前に躍り出た機嫌の良さそうなアリスに問いかけられる
「虚弱だね〜?君魔法使いでしょ?体力ないの?」
「どっかの誰かにも同じようなこと言われたよ………!」
ふと魔力を交換した時のセラノアを思い出した
今思い出しても………楽しいけどイラつく
「ま、ひとまず………ボクは君を尋問するためにここに呼んだんだ。捕虜らしくついてきてね」
「尋っ………わかったけど何にも悪いことはしてないからな」
もう死にそうなくらいの疲れを味わったアマネは多少物騒な言葉に大きく心は動かない
肩で息をしつつ大人しくアリスについていくのだった
「改めて、ようこそ、『覇国』『砂の国』フラクタスへ。歓迎するよ。異邦人」




