Link.54 side:アマネ 砂漠の捜索①
ダーナによって飛ばされたアマネは砂漠に来ていた
そんな中、突如現れたワームに襲われていたものの、何者かに助けられたのだった
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「──ここが、オラトリオじゃない!?」
どこかの砂漠の一角
巨大な石によって影になった場所で、アマネともう一人──王冠の少女は向かい合っていた
「そーそー。君が突如現れて、不気味な気配してたからさ、わざわざ見にきたんだよ」
そう言う目の前の少女
汗と砂に塗れ、疲労が顔に浮かぶアマネは苦虫を噛み潰したような表情で1時間前のことを思い出していた
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「──さて、ボクの領地で………なにをしていたのかな?──オラトリオの魔法使い?」
突如空からワームを叩き潰した迫力のある少女は不敵に笑いながらも威厳のある声でそう聞いた
「なっ…………」
「おや?ふふっ、ボクのかわいーい容姿に見惚れてるのか?ま、仕方ないけどね」
「いや違うけど……」
「即答はないんじゃないかい?初対面にさぁ」
ワームの死骸の上で偉そうにふんぞり返る少女は結構な速さで否定されたことにブスッとしていた
「はぁ、それで?返答次第では……殺すよ?」
「っ…………」
人差し指を口元に当て、可愛く悩むフリをした後、そのままのトーンで物騒な事を口にするアリス
しかし、その可愛さはどこか赤黒い泥を孕んでいるように感じられた
あぁもうまたこの威圧感か………
なんでこう短い期間でこんなの2回も受けなきゃならないんだよ………!
ふとアマネはロゼの尋問の時の威圧感を思い出した
それほどまでに、少女の放つ「殺す」という言葉は重く説得力を感じさせたのだ
一見語彙力の乏しい脅しだが、それをここまで真実味を持たせられるのか、そうアマネは焦りつつも感心していた
「俺は………理想学園の生徒だ」
「うん、それはわかるよ?制服にマークあるしさ」
「…………」
そーですか!そりゃそうだわな!オラトリオって俺何にも言ってないのに当てたもんな!
何を分かり切ったことを、と首を傾げる少女に、恥を感じたアマネは内心愚痴る
改めてアマネは少女の目を見て答えた
「俺はアマネ………ただの学生だ」
「…………ふぅん?」
威厳があるのか茶目っ気があるのか、よくわからない少女はその返答を聞いて目を細めた
笑みは崩れないがワームに腰掛けて尋問するような声色で聞いてきた
「じゃ次。えーっと、アママ?忘れたや。君はなんでここへ?」
「アマネな………学校が襲撃されたんだ。それで………狙いが俺たちだったからクラスメイトがここに飛ばしてくれて………」
ずっと追われていたため、アマネは汗だくで回らない頭をなんとか回しながらゆっくり答えていた
しかし、ふとした少女の言葉で目が覚めたような気がした
「『俺たち』?一人じゃん君」
「は?そんなわけ………」
振り返ると、そこにはただ地平線の先まで広大な砂漠と禿げ切った山があるだけだった
「──セラ、ノア………?」
てっきり一緒についてきているものかと
いや………そもそも毒を喰らってたんだ
ついてきてるわけがない………!
「っ───!!」
「───まーて。」
「え」
反射的に元来た道を、解らないながら走ろうと振り返るアマネ。
──足を踏み出した瞬間だった。
その瞬間体は動かずに視点は低くなっていた
「ボクの尋問はまだ終わってない。」
「っ待て!頼む!相棒が………助けなきゃ!」
「今まで忘れてた程度の相手を?」
「ぐっ………」
いつの間にか背に乗られ、組み倒されていた
アマネにとっては自分のことで手一杯
相手の言っていることは正しい。
それ故に何も言い返せなかった。
「いいか?今大事なのは忘れられるような相棒じゃない。ボクの質問だ。死ぬ気なの?」
「っ………それでも、一人でいさせるわけには………」
「はぁ………ぞっこんなんだねぇ?まあいいやっ」
揶揄われてなんとか少女を睨むアマネ
それに対して少女はアマネを制していた手を離して馬乗りになりながらやれやれと手振りをした
「わかったよ、ボクも行く。ただ一つ僕の言うことを聞いてもらおうか」
「なんで………!」
「君一人じゃここの悪魔は倒せない。高くつくけど雇ってごらんよ」
確かにアマネ一人ではあのワームを倒せそうにはない
しばらく考えた後、決意を固めた目で少女に伝えた
「………頼む」
「あぁ、いいとも」
少女は満足そうに笑みを浮かべた
「──ボクはアリス。よろしくね学生くん」




