Link.52 side:セラノア 最強図書館①
とある樹海に転移したセラノア
謎の契約者に毒や外敵から救ってもらい、その契約者に会うことにする
◆
とある森の図書館内にて
「あーーー!!それ僕の資料!ディンちゃん!ぺっしなさいぺっ!」
「はぁ………」
目の前の光景に、セラノアは呆然とする
まるでふざけているようにしか見えない光景に、ユーフォルビアは呆れ返っていた
「こ、これ………は?」
「ごめんなさいね。彼、鹿好きで鹿のことになると威厳なんてないのよ」
「はあ………」
威厳というか、そもそも何者なのかすらわからないので第一印象ということになってしまうのですが……
困惑しつつ、その言葉は心のうちに留めておいた
目の前のおかしな男はまるで書斎室のような見た目の広い部屋の中で1匹の大きい鹿と戦いを繰り広げていた
……資料を取り合うという戦いを
「リーリースー?ここにディンちゃんを連れ込まないでって約束したでしょう?」
「げっ、ユフィ!?僕はあの堕天使の看病を頼んだはず───」
「え、えっと…………こんにちは………?」
ユーフォルビアのことをユフィと呼ぶ男は、焦った様子で汗を流すが、言葉の途中でセラノアの存在に気づいたようだった
ぎこちなくユーフォルビアの背に半身を隠しながら挨拶をするセラノア
なんとなく不安感が強く子供のような挙動をしてしまっていた
「ん?あぁ、起きたんだね。なるほどなるほど………」
「…………」
「いやっ、そんな怖い目しないでユフィっ!入りたそうにしてたら抗えないでしょっ!」
なんでしょう、この人は………
アマネ以上に情けないかもしれません
ユーフォルビアはどこまでも冷たく主人を見つめ続ける。すると、男はまるで小動物のように涙を浮かべるような仕草をして大仰に抵抗していた
「はぁ、リリス。ひとまず自己紹介をしましょう?話が進まないわ?」
「お、オーケー」
こほん、と気を取り直したユーフォルビアは男の隣に行き、セラノアの方へ向き直った
「改めて………」
「ようこそ、『最強図書館ユグドラシル』へ!」
「は………………え?」
少し緊張したセラノアはまるで拍子抜けの名前を聞いて怪訝な顔をした
いや、したくてした訳ではなく、せざるを得なかった
「そしてこの僕こそは───セフィロトの樹の『花冠』、アマリリスだ」
「その天使、ユーフォルビアです」
この男は、とんでもないことを言い出した




