Link.5 避難
セラノアの問いに苦悩するアマネ
学園からの帰り道、突如亡国「レミニセンス」の廃墟から1匹の巨大な悪魔が現れる。
黒い天輪を持つ猪の形の悪魔は、周りへ被害を振り撒き、大人子供関係なく害を振り撒いていた
そんな中、アマネは一人の名も知らぬ少女を助けに走る
ずっと見ていたセラノアは、その時アマネの願いを、欲を聞き、二人は契約を行った
契約したことにより振るわれたセラノアの力。
悪魔の首は落ち、焦げ臭い匂いが辺りに満ちていた
◆
「っ……はぁっ……はぁっ……」
先ほどの阿鼻叫喚が嘘のように、あたりは静まり返っていた。
目の前では距離感の狂うような巨大な悪魔の首が焼けた匂いをアマネの鼻へ注ぎ込んでいた
「おわっ……たのか?」
「はい、終わりましたよ」
「うわっ!?」
子供を抱きしめ、守るようにして体をこわばらせるアマネの目線に合わせてしゃがみ込むセラノア。
目を合わせてそう言うとアマネは思考が追いついてセラノアの存在にやっと真に気づいた
「なんでいるんだ……!?」
「第一声がそれですか」
む、と呆れたようにジト目でアマネを見るセラノア。
あたりの人も思考が回り始めたようで、急いで止めていた足を進めて避難を進めていた
「……ただタイミングが良かっただけですよ」
「そ、そっか……あ、大丈夫か?」
アマネは少しその返答に引っかかりつつも、腕の中にいる少女に話しかける。
しかし少女は気が抜けたのか、気絶するように眠ってしまった
「うぉっ!?危な!……よかった……無事っぽいな」
後ろへ倒れた少女を支えつつ、息があることに安心して、瓦礫から探し引っ張り出した柔らかいカーペットの上に寝かせる
セラノアを見ると、その様子に少し微笑んでいるようだった
「おい!こっちだ!早く来い!」
「なっ……なんだこれ、立ったまま首が落ちて止まってる……!?」
辺りが騒がしくなり、一方向から何人もの人が走ってくる。
隣に連れている存在──天使がいることから、悪魔討伐の専門家、契約者だということがわかった
「あっ、おーい!こっちに……!!ってやべ、セラノア!隠れてくれ!」
「へ?」
「いいから!こっちに!」
エンゲージ達を呼び、少女の保護を求めようとしたところでアマネは気づく。
セラノアは黒い天輪を持つ堕天使だということを
すぐさまセラノアの手を引っ張り、その家の別の部屋に隔離する。
そして自分はエンゲージ達に事情を説明するために少女のそばで助けを呼んだ
◆◆◆
「勇気ある行動に敬意を。すぐにあなたも避難してください」
「は、はい」
少し緊張しつつも、気絶した少女を引き渡して簡単な事情聴取をこなすアマネ。
エンゲージが少女を連れてその場から離れた所でアマネは安堵の息を漏らしてセラノアのいる部屋のドアを開けた
「ごめん、待たせたな」
「……世渡り上手、ですか」
「ん?」
「いいえ、つまらない癖だなと」
「はは、ひどくない……?」
少し辛辣なことを言うセラノア。
その顔は少し残念そうで少しの同情の色が伺えた
二人はひとまず寮に帰って話し合うことにした
◆◆◆
「えっと……セラノア……さん?ついてきてる?」
「呼び捨てで構いません。さっきも呼んでたじゃないですか」
「うわぁっ!?何もないところから現れるなよ!?」
寮の自分の部屋に入ると、セラノアに対して呼びかけてみる。
すると、すぐに何もないところからカメレオンの同化が解けるかのようにセラノアが姿を現した。
「えっと、じゃあセラノア」
「なんですか?」
「……君は、何者?」
自分のベッドに座り、セラノアに問いかける。
その目には少しの疑惑と不安があった




