Link.44 悪意の牙は、もう目の前に
地下を2人で探索していたアマネ達
ふと気づけば2人きりになっており──
◆
『レディースエン・ジェントルメン!!』
少しの違和感を残しつつ、アマネとセラノアは自分たちの楽屋に戻る。
室内にある小さな画面では司会の先生が大仰に振る舞っていた
『全員出揃ったなァ!次への出場者は計12名!次の競技は──ん?あぁ、オーケー!どうぞどうぞ』
「ん?」
響楽ドームの3階観客席にいる先生の後ろから誰かが入ってきた
そして、マイクの前に立つとアナウンスを始めた
まるで迷子の案内をするかのように……
『──皆様、こんにちは。私たちはデザイア。ここを………荒らしに来ました♪』
瞬間、全員の頭にかかっていた霧が晴れたような気がした
そして、マイクの前に立つ存在の首元に、一本のバチが差し出されていた
「──てめぇら、どっから入ってきた」
「いいえ、どこからも。ただ、私たちの愉悦に貴方達が気づかなかっただけ」
今まで司会を行っていた先生──ムジカ・レッジェラはドラムのバチの先を敵の首に突き出し次に起こす行動に警戒していた
先ほどまでの空気とは一変しており、目は鋭く、宝に危害を加える敵に対する目になっていた
言葉がマイク越しに第一会場……響楽ドームに広がり、人々のざわめきは、動揺は、最高潮に一瞬で達する。
「なんっ、なんで犯罪組織が!?」
「何する気!?」
「は、早く逃げろ!!殺されるかもしれない!!」
その声にもはや放送はかき消され、会場は大混乱に陥ってしまった
楽屋で観戦していたアマネたちも、その異常事態を見ていた
楽屋にはすぐに先生がやって来て、避難誘導をしようとしてくれていた
「あっ、君たち!よかった!早くこっちに!」
「は、はい!でも俺たちも戦えます!」
「そうだね、でもひとまず外に──」
ただ、出ようとした瞬間
──目の前の先生がふらりと倒れる姿は、忘れられないものとなった
「───はァい"アマネクン"……♪」
悪意の牙は──もう目の前に




