Link.39 鉱物の防人②
鉄でできたゴーレムがセラノアたちに立ち塞がる
ダーナは攻撃が効かない鉄のゴーレムに焦りを募らせていた
凌ぎきれなかった攻撃にセラノアが晒されかけた時、とある影が攻撃を防ぎ───
◆
「──助けに、来た!!」
セラノアの前に立ち、そう叫ぶアマネ。
アマネの腕からは血が滴り、その痛みに顔を歪める
「アマネ………!?どうしてっ……」
セラノアが恐怖の余韻で尻餅をつく
しかし、混乱の中でも思考はギリギリ追いついており、アマネが自分を守ってくれたことを理解していた
「あれをっ……直接!?」
「っ〜…………ノア!」
「っ、わかりました!」
状況説明を求めるセラノアだがそんな暇はない。
ゴーレムはその巨大な手でこちらに殴りかかって来ていた
魔法を準備しているアマネを感知したセラノアは伸ばされた痛々しい手をそのまま掴む
「『風撃』」
「『障壁』!!」
予選と同じカタパルト。
しかし、今回は飛ぶことができない。
そのためただ少し遠くへ吹き飛ばす安全装置のない人間カタパルトだった
共に飛ぶため手を繋いだまま行ったことで、想定よりも大きく左にズレ、着地も粗雑なものとなってしまう
「っぐ………ぁ"あ"っ!!!」
「アマネ………!!!無茶しないでください!!死にたいんですか!?」
「っはぁっ………それはノアもでしょ……?はは」
「っ………」
アマネは自分と砂の地面の間に負傷した腕を挟んでしまい、自重で鋭い痛みを受けていた
セラノアが自身の受けた衝撃に歯を食いしばりながら心配する
「障壁をなぜ使わなかったんですか……?」
悔しげに俯き、セラノアが問う。
しかし、その答えは彼女自身がわかっていた。
障壁の展開は中心から広がる形になる。
あのビームは初動の小さな範囲で影響を与えられるほど弱いものではなかったのだ
彼の腕を見ればわかる
身体強化に、回せるだけの魔力を回して腕をギリギリ守りきった……
………痛いのはわかっていたでしょうに……
「いえ………ありがとうございます」
「ははっ、こちらこそ。んじゃ………あとは……任せるよ。──ネメシアさん」
「はっはァ!!楽しくなりそうだな!!」
表情を痛みで歪めつつ、それでも笑って前方に歩み出た赤い影に後を任せる
「主人公ってのは逆境ほど笑うと言うが………ははっ!かっこよかったぞ!主人公!」
「そりゃどうも………」
前に出た影は二つ。
アニスとネメシアのコンビは歩いてゴーレムに近づいている
ダーナと鏡の天使のコンビもビームを躱して上手くゴーレムから距離を取っていた
「主人」
「うん!土縄!」
瞬間、アニスが地面に手をつくとその手の少し前方から砂で固まった太い触手が生成されていく。
その触手はゴーレムの手足を絡め取り、素早い動きで固定した
『──gru』
「オイ、デカブツ──」
ゴーレムが手足に絡みつく砂の縄に気を取られた瞬間、目の前には歪んで見える"赤"がいた
「よそ見、してんじゃねぇッ!!!」
──真っ赤な焔が鉄の巨人を殴り飛ばした




