Link.34 危ない橋を渡ろう
第一競技が始まり順調に進む一行
しかしアマネはその悠長なシステムに疑問を持っていた
◆
「っチィッ──」
走る、走る、走る。
暗い煉瓦造りの不気味な道を一行は全力で走っていた
【脱落は蝋燭だけじゃないかもしれない】
そう切り出したアマネの推理は、二人を焦燥させるには十分だった
その推理とは、『ゴールが四つある理由』から来ている
▽▽▽
数分前……
「予選ではゴールは一つでたぶん学園の身内の先輩が本選出場者を見極めてた。それは振るい落とされて数を少なくできるからわかる」
「……そうだな」
「でもそれなら今は?ゴールは四つある。なんなら協力すれば全員合格だってできる」
「それって何かダメなのでしょうか……?」
アニスが問う。
しかしダーナはそれで察したようだった。
立ち上がって準備を始める。
「チッ……よく気付いた。その通りだろう」
「お褒めに預かり光栄だ……ったく。素直に褒めろよ……」
「えっ?えっ?」
「アニスさん、悪いけど道中答える!走ろう!」
△△△
つまり、四つあるゴールはそれぞれ1チームしか通さないのでは?という可能性だ
観客のいるこの試験で、そうそう仲良しこよしで終われるラストなんてありはしないだろう。
そのため、何かがおかしいとひっかかったアマネの出した一番あり得る裏条件だった
「──なぁっ!?」
「悪いな。お先だ」
そうなってからはダーナが先陣を切り、偶然会った敵チームは反射するビームやアマネたちの魔法で牽制していた
「はぁっ……はぁっ……だんだん人とも会うようになってきましたね……!」
「ゴールが近いってことだろうな……」
「ったく……どいつもこいつも牽制ばかりでつまらん!戦わせろ!」
「落ち着いて……後できっと戦えるから」
(……向こうの天使も苦労しそうだな)
『も、とはなんでしょうね?』
(さ、さぁ?しーらねっ)
ダーナの後ろにつき、道なりに進み続ける一行。
しかし、そう簡単にはいかないのがこの競技だった
「──っチィッ」
ダーナは舌打ちをして走る足に急にブレーキをかける。
後ろからついてきた四人はそれに同じく足を止めた
「どうした!?」
「叫ぶなやかましい」
「ちゃんと答え──なっ……」
アマネは毎度足りない言葉に苛つきつつ口を出そうとした時、目で状況を把握した
「ひっっろい……」
目の前にはとてつもなく広く横に広がった空間と、一本だけの脆そうな橋があった。
明らかに走って通るには心許ない橋だった。
「暗い分先まで見えないですね……」
「一人一人行くには遠そうですよ、アマネ」
「だな……」
冷静に分析する一同の中で、一人だけ、否一人と一柱だけ、ゆっくりと前進する者がいた
「ちょっ……おい!」
「黙れ。歩けば安全だ。ついて来い」
「は、はい……」
言うことには一理ある。
なにせ待っている暇はないのだ
待っていれば他のチームがやってきてこの橋を踏み抜くかもしれない
そもそも、この先のゴールがまだ使われていない保証がないのだ
「わかった……けど『軽量』だけかけさせてくれ」
「自分でできる。各自で自分にかけておけばいいだろ」
「はいはい……」
そうして一行は自分と自分の天使に『軽量』を付与して橋を軋ませゆっくりと進み始めるのだった
背後からの足音に気付かぬまま──




