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エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第2章 巡る思惑のカノン編

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Link.24 スリーモンキーズ

開拓競争の開幕と同時に、計画していた人間カタパルトで前は躍り出た

アマネとセラノアは、そのままセラノアの半霊体化の浮遊で人に会いにくいエリアまで飛び去っていくのだった


◆


「よしっ、そろそろ降りよう」

「そうですね」


アマネはある程度森に入ると、地面に降り立ち自分にかけた軽量化の魔法「軽量(フェザー)」を解除した


「霧がすごいな……今年はこんな感じか」


去年はまるで夜のような真っ暗闇だった。

しかし今年は明るいものの霧で方角すらわからないようになっていた


「ただ……やっぱ先頭走り切りは無理だな。同じ考えのやつはいなかったけど、権能でそもそも移動するやつはズルい」

「ですね。なんにしろ今は謎解きを探しましょう」

「あぁ」


制限時間は5時間。

それまでに証を集めてゴールする必要があった


「えっと……お、あった」


ふと周りを見渡すと、視界は悪いものの石造りの構造物が目に入った。

去年もあったものの確実に謎解きの仕掛けだった


「看板がありますね『見ざるものの道は暗い』?」

「……見ざるもの。この像、猿みたいだな」


特になんの特徴もない猿のような石像が足元にある。

その石像下の地面にはなにやら掘られた線の様なものが入っていた


「おや?この像、目を手で覆っていますね」

「………見猿?聞かざる言わざるってことか?でも他にそんな像……」


なんとなく察しがついたアマネはふと地面の線の先を辿る。

すると、中央の様な場所に三つの台座の様なものがあった


「ひとまず、見ざるは線の上が一部黒くなってるな」

「これが暗い、ということなのでしょうか」

「ものは試しだ。『水撃(ウォーター)』」


アマネはまるでヘドロのようになっている黒い何かに水の魔法をぶつけてみる。

しかし効果はないようだ


「アマネ、『暗い』は水で流せませんよ?」

「……うるせーやい『光源(ライト)』」


若干煽られたことに恥ずかしがりつつ、指を一つ立てて洞窟などを照らす光の魔法を使う。

すると小さな光だが光が当たった黒い何かが煙となって消えていった


「なるほどな、こんな光で消える物質もあるのか」

「需要が感じられませんが……」

「確かに」


そう言って笑いながらアマネは黒い何かを全て浄化した。

すると、目を隠す猿の像は勝手に動き、中央だと思(おぼ)しき台座に着いた。


「………証は出ないな。やっぱ他の聞かざる言わざるもしなきゃか」


ぽつりと呟くと、アマネとセラノアは次の台座の先に向かった


◆◆◆


「残りは一つ……『言わざるものは注目を浴びたい』?」

「奇怪な動きで注目を集めてみますか?アマネが」

「なんで俺がするんだよ……」


聞かざるは太った猿で「聞かざる者は忠告を聞かなかった」と書かれていた

だから太ったんだな……と呆れつつ「軽量(フェザー)」をかけ、手動で台座まで押し運んだ


見ざると聞かざるの系統から基礎的な魔法が関係しているのは確かだが……


「注目……?もしかして周りの像か?」


周りには同じような猿の石像がある。

しかし、特に目立つ動きはしておらずただの猿の石像だった。


「……ええ、これら全部をこいつに向けるの?」

「悩んでても仕方ありません。任せますね」

「ノアも手伝ってくれよ……」

「………軽くなった聞かざるも運べなかった人に言いますか」


セラノアは恥ずかしそうに肩をすくめてジト目でアマネを睨んだ

そういえばそうだったなと目を逸らして笑うアマネだった


◆◆◆


「ふうっ……終わったぁ」

「お疲れ様です」


全ての猿の像を言わざるに向けた。

……しかし、言わざるの像は動いていない様だった


「マジ?違った?」

「いえ、胸を見てください」

「え……?」

「ちがっ、違いますよ!?私じゃなくてこの言わざるのです!!馬鹿!」

「えぇ……」


セラノアはない胸を手で隠しながら全力で訂正をする。

アマネは反応に呆れつつも笑いながらしゃがんだ。

言わざるの胸を見ると、紫色のゆらめく炎が「2」の文字を示しているのを見つけた


「これは……」

「他の注目を集めるたびに数字は減っていました。まだ2体いる様です」

「………なるほど」


アマネは考える。

3つの線は猿が動く動線の様なもので、3猿(見、言、聞かざる達)はその線の上以外に動かせなかった。

それぞれの間には通常の猿像があり、4つづつあった。

数に差はない


注目を浴びたい猿。

対象は書かれていない。

俺たちの目線?いや、2ってことは……

あぁ、見落としてた……!


「……となると……!」

「わかりましたか?」

「たぶん、な」


アマネは立ち上がり、中央へ向かう

セラノアも歩いてついてくる。

中央の見ざると聞かざるを見てセラノアも察した様だ


「よく思いつきましたね」

「頭が柔軟な人はもっと早く気づいただろうな」

「私の頭が硬いと?」

「いやっ違うから!?」


そうこう騒ぎつつ、二人は二柱の猿の目線を言わざるに向けた

すると、言わざるは光り輝いて中央に移動した。


瞬間、台座の中心から黄色いふわふわとシャボン玉の様なものが現れた


「ふふっ、やりましたね!」

「っし!まずは一個だな」

「他の猿の線はブラフだったんですね」


アマネがそのシャボン玉のようなものに手を伸ばすと、手に吸収されて消えてしまった。


「これが証……去年は一個も手に入らなかったからな」

「感動している場合ではありませんよ」

「だな──次だ!」


少しの感動を覚えつつ、マークされた魔力の塊である証はアマネのものとなったのだった


アマネの現在の証数:1個

光源(ライト)

作中通り、洞窟などでも使える火球水球よりも取得難易度の低い生活魔法

指先から小さく光を放つ

エルツ曰く「魔法の維持という点でこれ以上にお手本になる簡易魔法はない」とのこと

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