Link.19 宣戦布告………?
ある朝、また目覚ましを止められたアマネは愚痴を言いつつ慌ただしい朝を迎えていた
急いで教室へと向かう二人
セラノアはもう姿を無理に隠す必要はなくなっていた
◆
「えー、そろそろ体育祭が行われる訳だが──」
6月、オーバーチュアの体育祭が行われるこの時期。
アマネは普段ならば何も変わらず隅で隠れていたが今年は違った
『たいいくさい?とはなんですか?』
(学校によって形式は違うけど、この学園では天使を使った実践形式の大会。なんとセフィロトの樹も来ることがあるんだよ)
『大きな大会なのですね』
去年と違ってアマネには出る理由がある。
セフィロトの樹という契約者のトップに見てもらえる。
他にも多くの貴族や企業の人が見に来るのだ
毎年将来を明るいものにしようとする生徒がこぞって参加する年に一度の大祭だった。
「大祭に出る者は1週間以内に出場志望用紙を出すように」
「よっしゃ!やっと来た!」
「私も今年は出てみようかな……」
「なぁアマネクン!今年は出ろよ!」
担任の教授が話を終えると、クラスメイトは大盛り上がりを見せていた。
こんな中でも弄りを忘れないクラスメイトの敬虔さには感服だな
「出るよ。今年は」
「おっマジ!?天使いないのに大丈夫かぁ?」
「もういるよ」
「……は?」
「えっ!?」
アマネがそう言うと、周りの話に入っていなかったクラスメイトも反応する。
1ヶ月、魔法実践学を個別で受講していて、かつ話題に出さなかったためルピナスや教授以外言っていなかったのだ
どうせ大祭には出る上にセラノアをずっと隠すのは面倒だった。
そのため面倒事が増えるかもしれないもののアマネは情報を開示した
「ほ、ほぉ……?」
「まあやっとだな」
「よかったね!」
クラスメイトの全員が全員悪い人なわけでは無い。
が、やはり目の前で眉をぴくぴくさせる男──貴族であるクラスメイトの「ダーナ・シュピーゲル」は不快そうに言葉を続けた
「まあ、お前程度の奴が手に入れた天使なんぞ雑魚だろうがな………!!」
「あははっ!だな!」
取り巻きたちが同調する。
セラノアを馬鹿にされることに対して、普段よりも強い苛立ちを感じるが、言葉を飲み込み席を立つ
次の授業である魔法実践学の移動準備を始めていた
「おい!待て!無視する気か?」
「いやいやそんな」
「覚えておけよ?僕が一声かければお前を寮から追い出すことも──」
「あほら、予鈴鳴ったよ。はやく移動しなきゃな」
「お前ぇっ……!」
ダーナは怒り心頭といった様子で、天使に怒鳴って魔法を使おうとしていた。
しかし、天使から止められているようで地団駄を踏んでいた
「くっはは、ははは!覚えていろよアマネ!体育祭、徹底的に叩き潰してやるからな……」
「はいはい」
アマネは振り返り、迷惑そうに生返事をした。
セラノアが笑う気配がする
「何笑ってんの」
『いえ、ずいぶんと度胸がつきましたね』
「……はは、思い当たる節しかない」
ふわふわと浮きながら、足以外を実体化して笑うセラノア。
口元に手を当ててまさにくすくすと言った擬音が似合う笑い方をしていた
アマネは苦笑いでそれに応じる
初めて人目につくところで実体化したセラノアは、周りの目線に気づき再び霊体化して消えていった
「恥ずかしがるなら煽ろうと思うなよ……」
『気分が良かったんです。わかっているでしょう………あとそれに、校則違反でした。もし言われたら私の代わりに怒られてください』
「ちょっと!?」
ジト目で睨まれている気配がする
1ヶ月で霊体化したセラノアの感情も理解できるようになってきているアマネ。
アマネは笑って一つの目標を掲げた
(はぁ……目指すは優勝。頑張ろう、ノア)
『せめて声に出してほしいですね』
(お前みたいに恥知らずじゃないからな!)




