↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エンゲージ・リンク  作者: 花酔
第一章 問いと契約のオーバーチュア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/91

Link.10 魔法実践学③

ドジな教授「エルツ」に出会ったアマネ。

アマネは事情を説明し、エルツの魔法実践学を受けることになる

簡単な筆記試験の後、放課後にちょうど授業をするため、混ざるかと提案を受け……

その説明の中、一人の生徒についてアマネは心当たりがある様子だった


◆


「と、いうことで!楽しい実践学の始まりだよ」


放課後、指定されたグランウドの一角に向かうと、そこにはもう一人の生徒が立っていた


明るい緑のインナーカラーが目立つおかっぱの少年。

いや、少女にも見える中性的な髪型だった。


「やっぱルピナスだったか」

「え?あっ!」


アマネが後ろから声をかけると、そのルピナスと呼ばれた少年は振り返る

綺麗な紫色の瞳を持った白いキャスケット(帽子)が目立つ少年だった


「まさか君も来るなんて……嬉しいよ!」

「俺も俺も!やっぱ流石だな!俺なんかよりよっぽど向上力があるよ」

「いやいやそんな……って、つまり」


ルピナスとは1年生の頃に同じクラスだった友人だ。

とても魔法やマナに関する興味が強く、頑張り屋で勤勉な尊敬すべき友人だった


「そう、新しく天使と契約したから補講を受けに来たんだよ」

「───そうなんだ!先を越されちゃったね。おめでとう」

「いや、そう……だな」


なんとなく素直に喜べないアマネ。

それはアマネがルピナスをちゃんと友人として見ている証拠でもある。

裏切ったと思われるかもしれない、何を言われるかわからない。そんな一抹の不安はあったのだ。


しかし、本人は祝福してくれた。

それだけでアマネとしては少し安心できたのだ


「さて、今日は特別授業。ルピナスくん、ゼミ生である君も一緒に答えてね」

「へ〜ゼミにも入ってるのか」

「うん。……まぁ、その、他の人がいなかったから」

「あ〜……なるほど、確かに大事だな」


二人とも長らく天使を持たなかった者同士だ。そのためアマネが経験したことは同じように体験しているのだ


ゼミに関しては新人で実績(じっせき)も人もいない教授の場所が都合が良かったのだろう


「ちょっとそこ?もう僕のことをディスってないかい?」

「気のせいです」


どうやら少し会わないうちに少し強かになったようだ。

全く表情を変えずにルピナスは教授にそう返答した。


「はいじゃあ少し問題。魔法や魔道具を使う上での注意点は?」

「モラルのある使い方です?」

「焦らないことです」

「どちらも正解。魔法は夢のあるものとは言え危険なものだからね」


エルツは人差し指を立てて得意げにそう話す。

生徒が増えたことにテンションが上がっているようだった


「じゃあ、権能と魔法の違いはなんだろう?」

「天使の使える力と人間が使える力?ですか」

「一応天使も使えるみたいだし、たぶん……原料?」

「いいね、アマネくん」


そう言うと、教授は一つ指をパチンと鳴らした。

瞬間、指先に小さな火が灯る


「これは魔法。天使がマナから変換した『魔力』を人間が転用して使うものだよ。簡単に言えば、天使が濾過(ろか)装置で、人間は貯水タンク。貯めればそれだけ魔法を使えるんだよ」


(濾過装置だってさ)

『わかりやすいですね。でも天使も使えると言うのなら私も貯水タンクを持っているのでしょうか』

(確かに?)


「天使も貯水タンクを持ってるんですか?」

「いい質問だね!持ってるよ。感覚は人間と一緒だ」


そう言うと、エルツは真横に手を出し、まるで舞踏会でエスコートするように手のひらを空に向けた。


瞬間、空から星空のような髪を持った白い天輪の少女が現れた。


「この子はオーア。僕の天使だよ」

「わぁ……!」

「…………」


こんなに近距離で天使を見たのは初めてだった。

一応、校則で普段天使は霊体化させておかなければいけないためこんな機会もなかなか珍しいのだ


……天輪以外はやっぱりあんまり変わらないんだな

人を殺して初めて堕天する……なにがあったのかは、やっぱり気になるな


「さて、オーア。未来のヒーローたちに権能を見せてあげてくれないかな」

「……うん」


少し寡黙なのか、サファイアを思わせる青い宝石のカチューシャをつけた白い服の天使は小さく頷くと、手のひらを空に向けてアマネたちに向けて手を伸ばした


「ふふ、驚かないでね」

「え?」


ふとルピナスが小声でそう言うと、突如青い光がオーアの周りに舞い始める。

そして、小さくとも響き、不思議と落ち着く心地のする声で一つの言葉を唱えた


「〈祝福の風(ユークレース)〉」


オーアの髪の白い部分は青く輝き始める

瞬間、体はふわりと浮き上がり、細かな石に乗せられて青い嵐に巻き込まれた


「うわぁぁぁっ!?」

「ふふっ、久しぶりだなぁ」


舞い上がるとは文字通りに、二人は青い嵐──青い細かな宝石の嵐に乗せられて少し高い位置からグランドを一望することができた


少し離れた位置を見ると、宝石によって反射し、万華鏡のように美しい夕焼けが目に映った


「───」

『……綺麗ですね』

「……だな」


宝石の一つ一つが二人のみの安全を過保護なくらいに守っている。

空中にいると言うのにバランスを崩しそうな気配すらない。


権能は大きくは天使本人の性質や性格で変わるが、他にも契約者によって性質や使い方が変わる。

この教授と天使がどんな道を歩んできたのか。

アマネは少しだけ知りたくなってきていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。