第26話 正体
最近頻発している事件、その正体はやはり...
ガードレールの下に、首無しの人間の体が仰向けになっている。
救急車が来て、警察が来て、そこからは覚えていない。確か、警察の人に色々聞かれたんだっけ。
次の日、僕は学校を休んだ。
精神的な部分もあるが、もうひとつ理由がある。
柳井さんだ。
昨日、家に帰ってから、柳井さんから連絡があった。
内容は、「明日学校を休む。そして、僕と話したいことがある」というもの。
放課後に家を訪ねてほしいと言われたが、
僕も正直学校に行く気にはなれなかった。
そのため、日中に柳井さんの家に向かうことになった。
ーー柳井さんの家にてーー
柳井「あぁ、渡くん。来てくれたんですね。」
インターホンを押すと、
「うん、色々あったし、僕も話したいことがあるから」
そう、昨日聞き損ねた事件について、しっかり聞いておきたいと思っていた。
家に上がって部屋に入る。
そこで、違和感に気が取られた。
前来たときは小綺麗だった部屋が、少し散らかっていた。
「柳井さん、改めて聞きたいんだけどさ」
柳井「はい。」
通夜のような重い空気を裂くように、僕は言った。
「最近起きている一連の事件、やっぱり霊の仕業なんだね?」
柳井「そうですね。」
やっぱりか。
僕にはその霊が悪事をしているところを目撃することは出来ていない。
ただ、今までの事件には共通点があった。
事件現場には毎回、刺すような冷気が残っていた。
五感が鈍り、嫌に気分が悪くなるあの冷気
気のせいで済ましていたが、交通事故の現場には特に強い冷気があった。
それで確信した。
何らかの霊の力で、今までの事件は起こされている。
「事件現場に残っていたあの冷気、そして霊にしては強力すぎる力。」
柳井「もし、その力を持った霊がいるとするのならば、それは多分」
「緑さんを殺害した霊...」
これは仮説に過ぎない。
ただ、もし、もしこの仮説が正しいのなら、
きっと、やつが狙っているのは
ーーー柳井さんーーー
どれだけ力の強い悪霊も、彼女の手にかかれば徐霊完了。
そんな緑さんの術に、初めて徐霊されずに生き残っ た悪霊。
そんな緑さんを、呪殺できる悪霊。
僕らに、祓えるのだろうか。
相手は何人も人を呪殺してきた霊、
単純な力もそうだが、相当な経験を積んだ手練れ。
それに比べ、僕らには経験が足りない。
祓いきれる可能性は低いだろう。
もし、僕や柳井さんが死んだら...
これからも被害の数は増え続けるだろう。
そうなれば、霊の力はもっと大きくなっていく。
手をつけられなくなる。手遅れになる。
祓える祓えないじゃない。祓うんだ。
力の差があるのなら、術で補えば良い。
経験が足りないなら、霊をたくさん祓えば良い。
柳井「渡くん?」
「うん?」
柳井「大丈夫ですか?」
「それは、お互い様じゃないかな?」
柳井「へ?」
柳井さんはすっとんきょうな声を出した。
柳井「...えへへ、、、」
「まあっ、二人協力して頑張ろう。」
柳井「はいっ!」
柳井さんの顔がパアッと明るくなるのが分かる。
下手な〆ではあるが、まぁ...結果オーライか。
いやぁ、実はこの回ほとんど物語は進んでないけど、柳井さんと渡の関係値はグッと縮まってるんですよね。




