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4話 出会い

筆が乗ったからか結構な速さで書けた。(10月22日時点)

空から自由落下した俺は草原に背中を預けるように倒れこんでいた。どうやら落下死は免れたらしい。というか、そうでないと困る。もし、大地と激突して死ぬことがあれば俺はキリノを呪っていたところだ。

アメノ曰く、恐怖に対する耐性を付けるための落下らしいが、本当にこれで耐性がつくのか疑問に思う。アメノは初めての地上に興味があるのかあたりを見回している。その目はどこかキラキラしている。


「ところで、ここがどこだが分かるか?落ちるときは目を瞑っていたから周囲の状況が分からないんだ。」

「あっちに建物が見えたと思う。それなりの城壁があるあれは砦っていうやつかな?」


アメノが指す方角には確かに建物らしき影が見える。ひとまずはそこを目指すのが吉だと考えた俺は頑張って立ち上がる。


「そんじゃまあ、歩きますか。」

「うい。」


俺たちは並んで目的の場所に歩き出す。


「ところでアメノって、なんでキリノさんからは『武器』って呼ばれてたんだ?」


別に会話が無くても不思議と居心地の悪さはないが、気になったので聞いてみた。アメノは顎に指を当ててうーんと少し悩む。


「私は武器に関する天使なの。説明が難しいけど、天使にはそれぞれに役割がある。例えばキリノは異世界人の転移に関する事柄。詳しく言えば『能力付与』がキリノの役割ね。それで私は『武器』が役割なの。」


言葉を選びながら説明するアメノは見たほうが早いと、空中に手を伸ばす。するとアメノの手には一振りの剣が現れた。装飾が一切ない両刃の剣だ。


「これは『神器【無銘】』。私の役割は例えばこの剣を基準とした武器をこの世に出すこと。簡単に言えば武器のインフレを抑える役目。」

「剣と魔法の世界だよなここって。そう考えたらアメノってもしかして結構すごいのか。」

「尊敬してくれてもいいよ。」


剣を握ったまま薄い胸を張ってどやっと得意げになる。俺は最初にあったときより表情が増えたなとなんとなく思った。


「ところでその剣はいつまで持ってんだ?」

「あいつを倒すまで。」


アメノは剣先を目の前の木の影へとゆっくり向ける。すると陰から一人の男がヌッと現れる。それなりにがっちりした体つきをしており、短い白髪は風にたなびいている。服はその容姿を最大限際立たせる黒を基調とした服を中心に着ている。男はニヤッと笑うとこちらに体を向ける。


「うーむ結構うまく隠れてたと思ったんだが…。バレちゃってたか。」

「…よくアメノは気づいたな。そしてあんたはあれだな。そんなことを言うってことはこっちにたいして悪意を持ってると教えてるようなもんだぞ。誤魔化さないと。」

「たしかにお前優しいな!実は俺はただの迷子で道を聞きたかったんだが、恥ずかしくてこんなことになっちまったんだ。」

「悪いけど私たちもここの地理に詳しくないの。他をあたってくれる?」


アメノは警戒を緩めることなく剣先を目の前の男に向けたまま。こちらから離れるよう促す。


「そっかー分かんないか。それじゃあ、別の頼み事なんだがね…悪いけど俺に負けてくれないか。もちろんマジの戦闘でね。」


しかし、男はこちらに対してゆっくりと構えをとる。突如空気が凍るように周りが静まり返る。男はじりじりと間合いを詰めるようにこちらにゆっくり歩いてくる。

俺は異世界最初の戦闘が対人戦になるとは思っていなかったため多少の恐怖が体を襲う。ちらっとアメノを見ると剣を上に掲げるように構える。


「その剣の間合いは確かに俺よりも長いさ、でもなある程度近づけば瞬発力で一発であることを教えてやるよ。」


アメノと男の距離が5mほどに近づく。俺は逆に後ずさりをして距離が開く。言い訳させてほしいが俺には能力がない。つまり無力な人間であることを注意してほしい。けっして逃げているわけではない。


「さあ、始めるぞ。」


今まさに戦闘が始まると思った次の瞬間、まだ距離があるというのにアメノは剣を上から下に振り下ろす。もちろんのことだがその剣は男に全然届いていない。何をやってんだと俺と相手の男が思った瞬間、斬撃が大地を抉り出す。男が何か言おうとした瞬間、その斬撃は男を轟音とともに遠くへ吹き飛ばした。


「(無言の困惑)」

「言ったでしょ。私は武器の天使。もちろん武器を扱うことは簡単にできるわけ。」

「記憶が無いから確実なことは言えないけど、これは武器とかそんなの関係なくやばいだろ。」


俺は振り下ろされた剣でできた斬撃痕をドン引きするように見る。それは地割れでこうなっちゃいましたと言われれば納得しそうなものだった。


「(無言のどや顔)」

「無性にムカつくけど、お前がいなかったらどうなってたか分からない以上、感謝の気持ちを向けないといけないのもムカつく。」


そんなこんなで俺たちが話していると、俺たちが目指していた砦から馬にまたがった人がこちらに向かって走ってくる。俺たちがおーいと手を振っているとだんだんと声が聞こえてくる。


「貴様ら何をやっている!!!」


俺は察した。これは怒られる流れだと。アメノは察した。これは自分のせいで怒られるやつだと。俺たちは思った。面倒ごとになったと。

次話は4日後以降になりそう。

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