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79.アナスタシア殿下③

「あの〜…、恐れながら発言よろしいですか?」


ユリアさんがお伺いをたてる。

どうしたのかしら?


「どうぞ、ユリアさん」


アナスタシア殿下が許可する。


「ありがとうございます」


ユリアさんは、元は男爵令嬢だったが色々あって今は平民だ。

私たちとは身分差があるため、中々質問できなかったのだろう。前世持ちという特殊な立場ではあるが、貴族社会は厳しいのだ。


「アナスタシア殿下は、今もアレクシス殿下がお好きなんですか?そうなると、クロエ様と一緒にいらっしゃるのはお辛いのでは…」


はっ!そうだった!

クロエはアレクシス殿下の婚約者だったわ!

しかも、誰が見ても溺愛っぷりがあからさまなのに…。

アナスタシア殿下…、

どんなにお心を痛められたことか…。


そっとアナスタシア殿下を見ると、凪いでいるような穏やかな顔をしていた。


「嫉妬でぐちゃぐちゃになった心は、クロエ様と夜通し語り合う事で何とか抑え込んでいます。まぁ、最終的には血の繋がった兄妹という事で諦めなければならなかったんですけどね…」


殊勝に答えているが、あの様子…。

全然、吹っ切れてない。

誰の目から見てもそれは明らかだった。

見かねたイザベラ様がツッコむ。


「アナ様、全然諦めてないじゃないですか…。アレクシス殿下を見るたびに影からキャーキャー言って。なのに、本人目の前にすると悪態ついて…。最終的に行き場を失った感情をクロエ様にぶつける。ずっとそのルーティンですよね?」

「だってしょうがないじゃない!好きなものは好きなの!!前世の隆二もカッコよかったけど、今世のあの姿は何!イケメン(りょく)が暴力的過ぎるのよ!」


まぁ、確かに。

王族は美男美女揃いですから。

そう言ってるアナスタシア殿下も美少女なんですけど…。


()()アレクは素敵ですから」


クロエが自慢気に誇る。

その様子にアナスタシア殿下が凄く不愉快そうな顔をしている。


「まぁでも、そんなにクヨクヨするなら、私はアレクに全て話せば?と言ってはいるんですけどね」


クロエはため息をつきながら横目でアナスタシア殿下を見る。

それに気付いた殿下は、猛反撃に出る。


「そんな事、できるワケない!だって、私から別れたのよ?今さら縋っても、隆二の気持ちは100%クロエ様にあるわ!別れを告げた男に転生してから振られるなんて…、私のプライドが許さない!」


おぉ〜…。

兄妹だから、結ばれる事は無いのでしょうけど。


「…という堂々巡りなの。だから私とイザベラ様にできる事は、話を聞く事とめぼしい男を紹介するくらいなのよ」

「あまりに面倒くさいので、アレクシス殿下に報告しようと思っているくらいです」


二人とも、ゲンナリしている。

面倒くさいって…。

イザベラ様、結構不敬。

そういえば、婚約者のクリスお兄様もそれでロイ様にいつも怒られていたわね。

婚約者同士は似てしまうのかしら?


「でも、わかるわぁ〜。その気持ち…」


急にギャビーお義姉様が頬に手を当て、艶っぽく同意する。


「男女の世界は惚れたら負けなのよ。勝った勝負は蒸し返したく無いし、劣勢なら優位につきたいわよね」

「ガブリエラ様、何かあったんですか?」


シルヴィア様が真顔ですかさず聞く。


「フフフ…。ヒ・ミ・ツ」


色気が凄い…。

イストお兄様、ギャビーお義姉様とどんな関係なのかしら…。


とにかく、今日の話を纏めてみる。


「結果、アナスタシア殿下はアレクシス殿下を嫌っていない。むしろ、大好きという事でいいんでしょうか?」


『えぇ、そういう事ね』


と、私の総括に皆さん同意してくれた。


「あとは、いい婚約者を探さないとね。誰かいないかしら?」


クロエが思い悩む。

新しい恋に進んでもらわないと、クロエとイザベラ様の心労が大きそうだ。

至急、アナスタシア殿下の婚約者探さなければ!

次はアナスタシアの婿探し(笑)


✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩


読んでみて面白かったなぁと思われた方は、よろしければブクマ評価もお願いしたいです!!

大変、励みになります(。>﹏<。)

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