表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

78/105

78.アナスタシア殿下②

『えぇっ!!』


エイダ様とユリアさんが揃って驚く。

言葉も出ないようだった。

沈黙の後、暫くしてエイダ王女が口を開く。


「クロエ様とイザベラ様は分かっていたんでしょうけど、何故、スカーレット様達は驚かないの?」


おおっと、こちらに質問が来た。

私は思っていた疑問をぶつける。


「エイダ様。『元カノ』って何ですか?」

「えっ!そこ?…、もしかしてガブリエラ様達も?」

「えぇ。わかりませんわ」

「お恥ずかしい事に、私もまったく…」


ガブリエラ様とシルヴィア様も同じ反応だった。

良かった…。

私だけじゃない。


「『元カノ』とは、元・彼女の略で、昔付き合っていた恋人という事です」


アナスタシア殿下が教えてくれる。

ほうほう…。

って、えっ?!恋人?

思わずアナスタシア殿下をまじまじと見てしまう。


「皆さん。そんなに見ないで下さい…」


照れたように殿下が答える。

どうやら、ガブリエラ様とシルヴィア様も同じような事をしていたみたいだ。


「でも何故、クロエとイザベラ様はその事を知っていたの?」


私はクロエに聞く。


「成り行きよ…。元々、この事実はイザベラ様しか知らなかったわ」


私達はイザベラ様を見る。


「内容が内容だったので…」


まぁ、そうでしょうね…。

私でもそうしたわ…。


「前世を思い出したばかりのアナスタシア様は混乱されていて、その時、近くにいて介抱してたのが私でした。ただ、あまりにも突拍子も無い話だったので、私も相談相手を探していたんです。最初にクロエ様に話したのは、たまたまでした。誰かは特定せず、小説の話のようにお伝えすると、話の流れでアレクシス殿下もそうだと…」

「えっ?アレクシス殿下も前世があるんですか!?」


ガブリエラ様とシルヴィア様が驚く。

イストお兄様とヨハン様は、その話を婚約者にはしていなかったようだ。

私は、デビュタントの時に本人とロイ様から知らされていた。

更にクロエが続ける。


「ちなみに、エイダ様とユリアさんもよ」


と、爆弾発言をしてきた。

もはや、パニックだ。

シルヴィア様は、


「前世持ちって、珍しい事ではないのかしら?」


などと、思い悩まれてしまった。


「シルヴィア様、これは珍しい事ですのでお気になさらずに」


と、見かねたエイダ様がフォローしてくれた。


「でも、よくアレクシス殿下が『元カレ』だとわかりましたね」


エイダ様が聞く。


「昔からアレク兄様の側は、どこか懐かしく、安心できたんです。最初は家族愛からきているのかと思っていました。ただ、エスト兄様への気持ちとは段々違う事に気付いてきて…」

「慕情だと気付いたのね…」


エイダ様の言葉に息を飲む。


「はい…。その後、クロエ様にアレク兄様の前世の名前を聞いた時には衝撃でした。そして、まだ縁が切れて無かったと歓喜したんです。元々、前世では売り言葉に買い言葉で別れを口に出してしまっただけで、本当に嫌いで別れたワケではありませんでした。彼が…、隆二が忙しい人だったので、私が寂しさに耐えきれなかったのが原因です」

「アレクシス殿下は前世で、1年の大半を海外で過ごしていたようですから…」


クロエが説明してくれる。

それは前世の真奈さんも寂しかったに違いない。

しかも、前世で恋人だった人が、今世では血の繋がった兄妹だったなんて…。


「ままならないものね…」


エイダ様も何か思う所がありそうな雰囲気だった。


「別れた事を後悔しているさなか、隆二が亡くなったと聞いて…」

「それはお辛かったでしょう」


ガブリエラ様が優しく宥める。


「はい。暫くは、私も仕事が手につかなくなりました。後を追おうとも思いましたが、何とか立ち直り、私は寿命をまっとうしました」


凄い…、(したた)かだ…。


「でも結局、それ以来恋愛が出来なくなり、独り身で人生を終えましたけどね」


はにかんだ顔が泣いているようで、私は思わずアナスタシア殿下を抱き締めてしまった。

不敬の(そし)りは、後で甘んじて受けます!

ただ今は、()()()()を抱きしめたい!

そう思ったのは私だけでは無かったようで、みんなが彼女を抱き締めていた。

アナスタシア編、もう少し続きます。


✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩


読んでみて面白かったなぁと思われた方は、よろしければブクマ評価もお願いしたいです!!

大変、励みになります(。>﹏<。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ