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74.sideアレクシス④

「……はぁ」


また、ため息だ。

今朝、登城してからロイドはずっとため息をついている。

昨日、何かあったのだろうか?

しかし、仕事の手は休めない。

むしろ、いつもより仕事をしている。

ただ、その物憂げなため息に陳情書が殺到しており、仕事が増えていることも事実だ。


内容は全て同じようなもの。


「ウィラー公爵子息のため息を止めさせてくれ!色気があり過ぎで、気になって仕事にならない!」

「ウィラー公爵子息の雰囲気を正常に戻してほしい。朝から目に毒だ、仕事にならない!」

「腰にクる…。仕事にならない!」

「ウィラー公爵子息とすれ違った。妊娠したかもしれないので、仕事にならない!」


などなど…。

全ての諸悪の根源は、この男にある。

纏う空気が、エロいのだ。

正直男でも「抱いて」と思うし、近くにいれば妊娠するかもしれない…。

もはや、歩く猥褻物である。

これは、何があったのか本人に聞くしか無いな…。


「ロイド」

「はい、殿下」

「昨日は…その、大丈夫だったか?」

「はい。何とか誤解も解け、レティもガブリエラ嬢も帰ってきました」

「そうか…。なら良かった」


受け答えは普通なんだよなぁ。

だが、会話が途切れると()()()()()に戻ってしまう。

流石の俺でも、ちょっと踏み込めない…。

他に影響するから帰したいんだが、仕事がなぁ…。

ちらりと机に積まれた書類を見る。

各部署で相当数の早退者が出たため、俺の所に回ってきた書類だ。ここでロイドに帰られたら徹夜しなければならなくなる…。

だって()()、俺ん家だし…。


「殿下、終わった書類は財務部に持って行きますね」

「いい!いい!それはクリストフに頼むから!ロイドはココで残りの書類を片付けろ!」

「そうですか…。はぁ〜…」


危ねぇ!


来週に戴冠式だが、ここで財務部に仕事放棄されたら死ぬ!

補正予算の資金繰りで、あそこは地獄の職場になっていた。

大臣のヤルツ伯爵の髪の毛がまた薄くなったのは、気のせいでは無いだろう。

戴冠式のためにどこの部署も目まぐるしく働いているため、特別ボーナスを、とも考えたが、それを遣り繰りするのも財務部なんだよなぁ…。

まとまった休みの方が良いかな?

みんな目の下、隈だらけだし。


と、戴冠式後の事なんかを考えていると、勢いよく扉が開く。


「クリストフ。扉は優しく…」


と言いかけてクリストフでは無い事に気付く。

そして、そういえば居なかったなと、今更ながら思う。

扉を開けて入ってきたのは、イスタークだった。

ちなみにヨハンは、各国王族や大使の帰路の際に持たせるお土産の最終チェックに行っており、ここにはいない。


「イスターク。重役出勤だな?」

「殿下の側近ですから、重役でしょう?」

「くっ…」


あぁ言えばこう言う…。

憎たらしい…。


「それより、遅れてすみませんでした。仕事は…」


と言いながら、イスタークが机に積まれた書類を見た。


「殿下、ロイド。今日は仕事サボってるんですか?」

『違う!』


遅刻してきたヤツに言われたくない!

しかし、猫の手も借りたい忙しさだ。

説明は省いて、イスタークにも仕事をさせた。

この男、意外とデスクワークも出来るのだ。


仕事が一段落したあたりで、イスタークがロイドに話し掛ける。


「さっきから気になってたんだが…」

「何だ?」

「お前、レティとヤったろ?」


ブフゥーーッ!!


唐突過ぎる質問に、俺は盛大にお茶を吹いてしまった。


「殿下、汚いです」

「いやいや、それもそうだけど!ロイド、……はぁ?!」


ロイド、脱チェリーしたの!?

いつの間に!

って、昨日か!!


「殿下、気付いてなかったッスか?」


戻ってきていたクリストフにも言われる。


「仕事の事とロイドへの陳情書で、いっぱいいっぱいだったからな…」

「あぁ…、まぁ、そうッスね…」


今日の激務を思い出してクリストフが遠い目をする。


「で、上手くいったのか?」


イスタークが、ニヤニヤしながら聞く。

なんか急に猥談始まったな。

しかし、ロイドの相手はお前達の妹だぞ?恥ずかしくないのだろうか。


「当たり前だろう。閨の手ほどきもキチンと受けてるんだ」

「えっ!!」

「殿下?」

「ロイド、閨の手ほどき受けてたの?」

「もちろんですが?」


何を不思議な事を、と言わんばかりにこちらを見てくる。


「俺はてっきり、ロイドはそういうのは大事な人のために取っとくタイプだと思った…」

「それで女性に負担を掛けたら、元も子もないでしょう」


うっ…、正論。

でも、ロイドの見方がそれで変わってしまった。

仲良くチェリーだと思っていたのに…。


「殿下は受けて無いんですか?」


イスタークに聞かれる。


「俺は、前世で経験あるからな。そういうのは不要だと思って…」

「なるほど…」


あれ?ちょっと待て…。

もしかして俺、今、可哀想な目で見られてる?


「いや、本当だからな!付き合った彼女は何人かいるから!」

「はいはい」

「イスターク!ニヤニヤしながらそう言うの止めろ!」


めちゃくちゃ心外なんですけど!

こういうのは、ムキになった方が分が悪い事はわかってるが、つい反応してしまった。

暫く騒いだ後、ロイドに


「早く仕事しないと、今日、帰れなくなりますよ?」


と言われ、慌てて仕事に戻った。


しかし、元を辿ればロイドのせいなんだがなぁ。

解せぬ…。


男たちのひととき(笑)


✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩


読んでみて面白かったなぁと思われた方は、よろしければブクマ評価もお願いしたいです!!

大変、励みになります(。>﹏<。)

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