47.ゲーム大会
「あっ!ダメ…。コレは…恥ずかしいです…」
「だーめレティ、罰ゲームなんだから我慢して。さぁ、全部見せて…」
「だって…、だって…」
「レティ?」
「私の手札、全見せってどんな罰ゲームなんですかぁ〜〜!もうダメ!絶対勝てないぃ〜!」
「あはははははは!」
「ロイド、エゲツな…」
レティの発言にクロエが笑い転げ、殿下が呆れている。
発端は、クロエがアレクに教えてもらったカードゲームだ。
『ババ抜き』というヤツらしい。
カードゲームといえば、紳士クラブでやるポーカーが主流だが、コレは子供も出来る内容だ。
ただ二人より人数が多い方が楽しめるという事なので、俺はアレクとクロエを誘った。
今夜、アレクは公爵邸に宿泊する。
確かにコレはみんなでワイワイ楽しめて良い。
「だって、罰ゲーム有りの約束だったから」
第1戦で負けたレティへの罰ゲームは、「第2戦は手札を披露してゲームする事」とした。
始める前は余裕だったレティも、最初に配られた手札にジョーカーが入っていたため、絶望していた。
「大丈夫だよスカーレット嬢。ジョーカー以外の自分の手札を早く無くして、取る人にジョーカーだけを引かせればいいんだから」
「なるほど!」
「チッ、アレク。余計な事を…」
ちなみに公爵邸で行われているため、俺もアレクもオフモードである。
「ロイ様!攻略法が見つかった今、絶対に負けません!」
レティが立ち直り、臨戦態勢となる。
「それはどうだろうね?」
俺はそう言って微笑んだ。
結果、レティはまた負けた。
「あはははははは…!お兄様、最高!!」
「ありがとうクロエ」
レティは先程までの勢いを失い、意気消沈している。
「で、お兄様。次の罰ゲームはどうするの?」
「そうだなぁ…」
「ロイ様!ゲームが不利になる罰ゲームは止めてください!」
「えー、どうしようかな〜」
「何でもしますから!」
「ホントに?」
「はい!」
「レティ…、何でもは止めた方がいいんじゃないかしら?」
「スカーレット嬢、俺もそう思うぞ…」
「いえ、女に二言はありません!」
レティの意思は固そうだ。
「わかった。ではゲームが不利になるような罰ゲームは止めるよ」
「ありがとうございます!」
「では今回の罰ゲームは…」
ババ抜きも第8ゲームくらいになると飽きてきた。
そろそろ違うゲームにしようかとアレクが提案してくる。
「そうだな。他にどんなカードゲームがあるんだ?」
「う〜ん。神経衰弱や七並べ、大富豪なんかもあるぞ。でも、どれも戦略があるヤツだからな…。運任せのゲームの方が平等に楽しめるからいいんだけど…」
「あの〜…」
アレクの話を遮り、クロエが発言する。
「どうしたの?クロエ」
「次のゲームをするなら、そろそろ降ろして貰っていいですか?」
「ロイ様、私もです」
そう言う二人は現在、俺とアレクそれぞれの膝の上に横抱きにされている。
第2ゲームで負けたレティへの罰ゲームは、俺の膝の上でゲームをするというものにした。
ただ、それを羨ましがったアレクもクロエを負かして同じ事をしていた。
「ダメだよレティ。罰ゲームの内容をよく思い出して?新しいゲームになっても、プレイ中は俺の膝の上だからね」
「うぅ…」
その言葉に、何か気付いたクロエがアレクを見る。
「アレク、私ゲーム止めます!だから降りてもいいでしょう?」
「はっ!わ、私もです!」
そう言うと二人はさっさと膝の上から降りてしまった。
「残念」
アレクは肩をすくめる。
「じゃあ、ゲームは終わりにしようか。ねぇ、クロエの部屋に行ってもいい?」
「な、なぜですの!?」
「え〜〜。婚約者の部屋見たいじゃん。それに、今夜はクロエの部屋に泊まる予定なんだけど」
「聞いてませんわ!!」
「さっきベイリーが、『殿下の部屋はクロエ様と一緒でよろしいですね?』って聞いてきたんだけど…」
「なっ!!」
まぁ十中八九、母の差し金だろう。
クロエは顔が真っ赤だ。
「お、お父様がこんな事を知ったら、お許しになるワケないわ…」
確かにそうだ。
母に似ているクロエを、父は溺愛している。
公爵邸でそんな事は罷り通らないだろう。
「宰相から許可は貰ってるよ。条件は付けられたけどね」
「えっ!」
俺も驚きだ。
どんな根回しをしたんだ…。
「ちょっと部屋を片付けます!レティも一緒に来て!」
クロエがレティの手を掴み、部屋を出て行く。
「なるべく早くね〜」
アレクは楽しそうに見送った。
「…アレク。いったいどんな手を使って父を丸め込んだんだ?」
「ちょっとお休みをあげただけだよ。後は、公爵夫人にも協力してもらった」
「まぁ、母が絡んでいるのは何となく察しがついたが…」
「今、俺主導でヨハンと大型リゾート施設を建設しているだろ?」
「あぁ、そうだったな」
「完成後の特別披露に二人を招待したんだよ。10日間のお休みつきで」
「おまっ!一国の宰相を10日も休ませるなよ!」
「だって母上が、『ヴィッキーと一緒に旅行したい!』とか言うから…」
「王妃様か…」
という事は両陛下も10日間休みか…。
「で、その完成はいつなんだ?」
「来年かなぁ?」
「…おい、気をつけろよ」
「え?」
「父の事だ。半年後に完成させろと言ってくるぞ」
「はぁ!嘘だろ?大型施設だぞ!」
「お前こそよく考えろよ!あの宰相だぞ?」
「やばい…、あり得る…。急いで予定を考え直さないと…」
「頑張れ」
「ってか、納得いかねー!クロエの部屋に泊まるのも条件付けられたのに、仕事まで追加でさせられるなんて!!」
「それが父だからな。諦めろ」
「これなら、ちょっとくらい手出ししてもいいんじゃないか?」
「止めとけ。王位剥奪の上、国外追放にされるぞ?」
「宰相、こわっ…!」
「まぁ、工期が遅れる言い訳でも考えておくんだな」
「そうするよ…。あーぁ…」
そんな話をしていると、クロエ達が帰ってくる。
「お待たせしました」
「もう大丈夫なの?じゃあ行ってもいい?」
「…はい」
「じゃあレティはココで俺とお茶でも飲もうか?アレク、クロエ、おやすみ」
「えっ?!」
クロエはまさかそんな展開になるとは思っていなかったようだ。
「だって、夜も更けてきたし。明日も早いからね」
「そうだな。それじゃあ、ロイド、スカーレット嬢おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
「えっ?!」
混乱するクロエを連れて、アレクは部屋を出ていった。
クロエ…。
まぁ、頑張れ…。
クロエ父はどこまで許してるのでしょうか?(笑)
✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩
読んでみて面白かったなぁと思われた方は、よろしければブクマ評価もお願いしたいです!!
大変、励みになります(。>﹏<。)




