↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/105

33.試合終了

「参った!!」


フェイロン皇子の声が響き、レティが攻撃の手を止めた。


「勝者、スカーレット・ミレン!」


ミレン辺境伯が、高々とその名を叫ぶ。

お互いに歩み寄り、握手を交わす。


「いや〜、流石は剣姫!手も足も出なかったよ」

「フェイロン皇子こそ。とても素晴らしい剣でしたわ。久々に昂ぶってしまいました」

「謙遜するな。我と違い、全然息も切れていないではないか。我では役不足であったようだな」


そう言って、フェイロン皇子は豪快に笑った。


「フェイロン皇子からそのように言っていただき、恐悦至極に存じます。娘も今後、一層励むでしょう」


ミレン辺境伯が礼を述べる。


「これでは次は、我が国一の剣豪を連れて来なければならないな」

「ぜひ、お願いします」

(シイ)。承ったぞ」


フェイロン皇子はにっこり笑い、ラン様のもとへ戻った。



「レティ〜〜〜!」

「クロエ?」


クロエが猪のように突撃する。

レティは、難なくそれを受け止めた。

クロエ含め、殿下の側近達がレティを囲む。


「凄かったわ!!レティってば、本当に強いのね!」

「クロエ、疑っていたの?」

「疑ってはいないけど、聞くのと実際に見るのでは全然違ったわ。異次元の強さだったじゃない!」

「…。そういえばクロエは、私が剣を振るっている所を見たことなかったわね」

「そうなのよ!初めて見たわ!」

「びっくりしちゃったよね…」


レティがしょんぼりする。

淑女たれ!が推奨されている世の中では、剣を振るう女性は少ない。こんなに素晴らしい特技を持っているのに、レティがあまり誇らないのはそのせいだ。

レティはレティのままでいいのに…。


「何で?」


クロエが不思議そうな顔をする。


「だって野蛮じゃない?」

「それっておかしいわ!」

「クロエ?」

「私、あんなに美しく剣を扱う人なんて見たことがないわ!あれは最早、芸術作品よ!それがわからない人間なんて、最低なセンスの持ち主だとでも思いなさい」

「クロエ…」

「レティはレティのままでいいのよ!」


クソっ…。言いたい事をクロエに先に言われてしまった…。


「それに私なんて鉱物が好きなのよ?掘削作業や研磨作業に、芸術性なんて皆無だわ。レティの方がずっとマシよ?」

「でもクロエはそれで国を発展させてるじゃない!立派な事だわ!」


「どっちもどっちだよ。私は二人とも素晴らしいと思うけどね」


そう言って、アレクシス殿下が話に割って入る。


「仲が良いね、君たちは」


オルフェル連邦国のルドルフ王子とエイダ王女もやってきた。

ニコニコしているため、良いインスピレーションでも浮かんだのだろうか?


「剣姫よ。私はオルフェル連邦国のルドルフと言う。良いモノを見せてもらった!」

「ありがとうございます」

「そう、畏まらなくても良い。君のおかげで新しい曲が作れそうだからな」

「お兄様が曲を作られるなんて、随分久しぶりではありませんか?」


エイダ王女が問いかける。


「確かにそうだな。俺にとっての『創造の歌姫』は、スカーレット嬢だったのかもしれん」

「えっ?」

「いや、何でもない。とにかく、素晴らしい剣技だった!それだけは伝えたくてな」

「ありがとうございます」


レティが、丁寧にお礼をする。


「今の勢いなら、アレクの戴冠式に間に合うかもしれないな…。では、私は失礼するよ」


そう言って、ルドルフ王子はさっさと帰っていった。

芸術家とは…。

遠くなるルドルフ王子から視線をレティに移し、俺は彼女に声をかける。


「レティ、お疲れ様でした。鮮やかな剣技でしたね」

「ありがとうございます、ロイ様。でも、フェイロン皇子の心は折れませんでしたね…、残念!」

「皇子は大国の皇帝候補者です。ちょっとやそっとでは無理だと思いますよ」

「もう少し、鍛錬を増やさなければ…」


レティがブツブツ言いだした。

えっ?心を折る気満々じゃないか!


「ほどほどにね…」


俺はそう声をかけるので精一杯だった。


「レティ、消化不良か?」


イスタークが声をかける。


「お兄様にはお見通しね。ええ、その通りよ。ちょっと物足りないわ」

「ロイド貸してやるから、気の済むまでやったらどうだ?」

「イスターク…。俺はおもちゃじゃないぞ…」

「いいじゃないか。ケチケチすんな」

「この後は特に何もないからいいぞ」

「殿下まで…」


二人に後押しされる。


「ロイ様…。ロイ様が良ければですが、もう一試合どうですか?」

「レティからの誘いを俺が断るワケが無いじゃないか。こちらこそお願いするよ」

「嬉しいです!では、始めましょうか」

「あぁ、わかった」


そう言って、俺たちは剣を構えた。



甘さゼロ…。

✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩


読んでみて面白かったなぁと思われた方は、よろしければブクマ評価もお願いしたいです!!

大変、励みになります(。>﹏<。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。