29.見解の相違です
投稿、遅くなってすみません。
「制作チームが解散した?」
「やっぱり、ギャルゲーは無理だったみたいですよ。既存ユーザーからの反対も凄かったみたいですし…」
「確かに、あの体験版は炎上してましたね」
「『四季恋』の元からいる制作陣はけっこう意識が高くて、『2』のエロパート作成のために入ったスタッフと揉めたそうなんですよ。まぁ、ギャルゲー作ろうとしたのがその新しいスタッフ達だったんですけど…」
「そうなのか…」
「なので、ギャルゲーを作るかは体験版の反応で決めようとしたみたいです」
「で、炎上したと…」
「そうです。なのでギャルゲー版四季恋は制作されませんでした」
「…となると、体験版の内容が現在という事か?」
「そうなります」
「じゃあ攻略対象者は…」
「必然的に、スカーレット様一択ですね」
アレクシス殿下が可哀想なものを見る目で俺を見る。
「ロイド…、ごめん」
「腹が立つので謝らないでください」
「でも、この先の展開はわかっているからロイドに分があるよ!」
「まぁ、そうですが…」
「何?何か引っかかる事でもあるのか?」
「いや、なんか卑怯な気がして…。どうせなら徹底的にやり合った後、レティを勝ち取りたいですね」
……。
「皆さんどうしました?」
何故、反応が無いんだ?と思っていたら、ヨハンとクリストフとクロエが抱きついてきた。クロエに至っては泣いている。
「ロイドさん!!素晴らしいです!」
「俺も感動した!ロイドの男気に惚れた!兄貴と呼ばせてくれ!!」
「おに“、おに“いざまぁ〜!素敵ですぅ!必ずや、レティを勝ち取ってくだざぃ〜」
離れた所からイスタークにも声を掛けられる。
「ロイド…。やっぱり俺の義弟になれるのはお前しかいない!」
さっきまでの意地悪が鳴りを潜め、いい笑顔で親指を上げている。
「ロイド。必ずやスカーレット嬢を勝ち取るんだ!」
アレクシス殿下もいい顔している。
ユリアとエイダ王女も、「尊い…」と口走っている。
「はい、頑張ります…」
みんなが感動していてちょっと引く…。
俺的には、レティを横から掻っ攫おうとしている輩には、徹底的に、完膚なきまでに叩きのめし、俺に歯向かおうとしたことを一生後悔させてやろうと思ったんだがな。
展開を先回りして、最小の労力で勝つのでは俺の気が済まない。
…という、全くの自己中心的な考えで言った事がこんなに響くなんて。
まぁ、結果オーライか…。
―――――ウィラー公爵邸 レティ私室前
コンコン。
「どなたですか?」
「レティ、俺だけど。ちょっと話してもいいかな?」
「ロイ様!今、開けますね!」
そう言って部屋の扉を開けたレティは寝る前らしく、可愛らしいナイトウェアで出迎えてくれた。
微かに香る甘い匂いと、その無防備な姿に俺は理性を総動員させた。
「こんな夜更けにすまない。実は、レティに謝らなければならない事があって…」
「えっ?何かありましたでしょうか?心当たりがないんですが…。とにかくこちらに来てソファにお掛け下さい」
そう言って、部屋の中に案内してくれた。
すっきりと片付けられた部屋に、所々に可愛いぬいぐるみなどが置いてある。
しかし、壁に剣が飾ってあるのが何とも彼女らしい…。
ソファに腰掛けると、レティも神妙な顔で向かいに腰掛けた。
「まずは、レティをフェイロン皇子との手合わせに駆り出してしまい申し訳ない」
俺は頭をさげる。
「ロイ様、頭をあげてください!本当に私は全然気にしていませんから!それに、ロイ様は何度も私に意見を聞いてくださったではないですか!」
「だが…」
「闘うと決めたのは私です!ロイ様はただ、私の意見を尊重してくださっただけなんですから、そんなに気に病まないでください」
「ありがとう」
俺は表情を和らげる。
「実はもう一つあるんだ…」
「何でしょう?」
レティは神妙な雰囲気から一転、落ち着いて聞いている。
「レティを駆り出した事をよく思わない人がいて…、その…、レティの参戦を賭けてその人と対決することなった…」
「…えっ?」
「俺が…」
「えぇっ!!」
めちゃくちゃ驚いているな。
「ロイ様…。誰なんですか…、その失礼なヤツは…」
レティの様子がおかしい。
何か黒いオーラを纏っている気がする…。
「レ、レティ?」
ユラリと立ち上がり、ガシッと肩を掴まれる。
「ロイ様、教えてください。その愚か者の名前を」
「えっ?」
いや、いや、教えたら国際問題になる…
「さぁ!」
「えっと…」
「さぁ!!」
「それは…」
目が怖いよ、レティ…。
「さぁ!!ロイ様と口聞かなくなりますよ?」
「ショウ王子です!」
「ほう…」
あんな脅しは無しだろう!
話が出来ないなんて、地獄じゃないか…。
レティと話ができなくなる絶望に打ちひしがれていると、「チャキ」っと嫌な音が聞こえた。
「ロイ様。ちょっといってきます」
レティが剣を携えて出ていこうとする。
「ちょっと待ってレティ!!」
「止めないで下さい、ロイ様!」
「さすがに国際問題になるから!俺が仕事に忙殺されて、レティとの時間が減ってもいいの?」
ボトッと剣を落としてこちらを振り返る。
「そんなの絶対ダメです!!」
俺はレティを抱きしめる。
暫く抱きしめた後、諭すようにレティに囁く。
「落ち着いた?ごめんねレティ。これは男同士の戦いなんだ」
「ロイ様」
「だからレティの手は借りられないよ。それに、俺が負けると思う?」
「ふふっ。思いませんわ。私が認めた婚約者様ですもの」
「そういう事。けど、レティが俺を応援してくれたら嬉しいな」
「そんなの当たり前です!全力でロイ様を応援します!」
「ありがとう。勝利を我が最愛に…」
そう言って、俺はレティの唇にキスを落とした。
ロイドの理性、総動員!(笑)
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