45話 《過去改編》初めてのスキル取得①
【名前】 横手緋呂
【年齢】 10歳 【レベル】 Lv1
【HP】 59/59
【MP】 56/56
【攻撃】 35
【防御】 33
【敏捷】 34
【理力】 31
【技力】 30
【幸運】 29
【SP】 2000
【一般スキル】 《編集 F》
【耐性スキル】 《火耐性 F》《貫通耐性 F》
目の前のステータスウィンドウにはデータが表示されている。
こちらからは見えないが斎藤昴と千葉早苗と桃井福嗣の三人もステータスウィンドウを出しているようだ。
何もない空間を指でなぞり、戸惑いながらも不可視の画面に触れようとする彼らの仕草は、傍目には奇妙なパントマイムにしか見えない。
それぞれのステータス項目について軽く説明する。詳しく説明する時間はないし詳しすぎても疑問に思われるだろう。
昴は技力が高く、早苗は敏力が高く、福嗣は筋力が高いようである。
「まずは『スキル取得』の項目を指で押してみてくれ」
ステータスウィンドウを操作させる。
『初回限定スキル取得を行いますか?(YES/NO)』
もちろんYESだ。
『SPを追加する場合は選択して下さい。(0P/2000P/4000P/10000P)』
最初からSPは2000P与えられている。
これに追加でポイントを増やすことが出来るのだ。
SPは多い方が得と思うかもしれない。実はこれには罠がある。
これはSPの前借りというもので返却には三倍のSPが必要となる。
別に利子はつかないので返さなくてもいい。だが、返さないとどうなるのか。
SPの前借りは本人の生命力の消費して行われる。つまりは寿命が短くなる。
SPの前借りと返却はステータスウィンドウを操作するといつでも出来る。
SPを50000Pを借りた探索者は二十代で寿命を迎えた。別に急激に老けたわけではない。睡眠中に心臓が止まりそのまま死んでしまったのだ。
それらの事例を集めて統計を取った結果、2020年代ではSP10000Pを借りると十三年程度の寿命が減るというのが定説になっている。
ただ、一流の探索者となれば一攫千金で大金持ちになれる。
長生きするとはしても体が弱り寝たきりの九十歳より六十代で寝てる間に死ぬのがいいと意見が多く、初回で10000PのSPを借りるのが主流となっている。
本当に一流探索者となれば三倍返しのSP30000Pを返却することも出来るので、寿命が短くなるのをリスクと感じないという意見も多かった。
中には俺のように後で何度かSPを借りてスキルを追加するような奴もいるしな。
本当に無駄に寿命を減らしただけだった…………。
俺の判断はいつも裏目だ。
俺は、目の前の三人にもそのリスクについて簡単に説明することにした。
あんまり詳しく話しすぎると不自然だし、何より彼らを巻き込んだ責任も感じていた。
だから、あえて少し怖がらせるように数字を盛って伝えた。
「いいか、よく聞けよ。ポイントを増やすことはできるけど、代償に命が削られるんだ。10000P借りたら、寿命が十五年は短くなると思った方がいい」
俺が真剣な顔で教えると、保科昴が真っ先に声を上げた。
「へっ、そんくらい平気だぜ。俺は10000P借りる!」
「そうだね。私も10000P」
早苗も迷いのなく、昴へ続く。
それを見て、福嗣も戸惑いながら追従した。
「ふ、二人がそうなら。僕も」
子供は無謀だった。いや、小学生とかなら太く短く生きるのに憧れるのか。
もちろん、俺も迷わず10000Pを借りることにした。
これから十五年後の日本は、治安も経済もボロボロに悪化した終末世界だ。
長生きするより今を生き延びるが大変な世界だ。寿命を気にしている場合ではない。
さて、ポイントが決まれば次はスキルの取得だ。SPを消費して、自分に必要な能力を選んでいく。
初回限定は選択できるスキルの種類が多いのだ。これを逃すとスキル選択の幅は大きく狭くなる。
なので魔物を倒してステータスを得た時は必ず初回限定スキル取得をした方がいい。猶予はレベルが2に上がるまで。
もし普通に現代を生きていて、すぐにダンジョン探索をしないのなら後回しでもいいんだけど、今は事情が違う。
俺は《過去改変》のスキルを使って、過去の自分の中に意識を送り込んでいる真っ最中だ。
今、ここでちゃんとしたスキルを選ばなければ、またスキル構成に失敗して、将来苦労することになる。
せっかくなのでスキル構成をまともにしておこう。
ステータスウィンドウにスキルの一覧が表示された。
《加速》 2400P
《回避》 2400P
《索敵》 1600P
《虫特攻》 1200P
《料理》 1200P
《魔物鑑定》1200P
《投術》 2400P
《斧術》 2400P
《盾術》 2400P
《体術》 2000P
《火魔術》 2400P
《氷魔術》 2400P
《雷魔術》 2400P
《雷撃耐性》 800P
《氷結耐性》 800P
《土撃耐性》 800P
《精神耐性》 800P
《貫通耐性》 1200P
《HP+5》 400P
《HP+18》 1200P
《MP+5》 400P
《MP+18》 1200P
《攻撃+4》 400P
《攻撃+14》 1200P
《防御+4》 400P
《防御+14》 1200P
《敏捷+4》 400P
《敏捷+14》 1200P
《理力+4》 400P
《理力+14》 1200P
《技力+4》 400P
《技力+14》 1200P
《幸運+4》 400P
《幸運+14》 1200P
さあ、ここからがスキルの選択だ。




