8話 奥の手
pv100ありがとうございます。
もっと頑張ります。
8話 奥の手
修業期間が残り6日、その間にタケさんに一発食らわす。
俺は今日その試験を達成させる。
昨日、さんざん練習していた"回し蹴り"を放ったが、受け止められたため。
おそらく、タケさんや鷲尾さんは俺が落ち込んでいると考えているはずだ、このスキを見逃す
てはない。
時間をかけていいことは特にないだろうしな。
だから、今日俺はタケさんに一発食らわす。
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「リョウ、一緒に帰ろうぜ」
「悪い、予定がある」
「今日もか、まあしゃあないか。じゃあまた」
「おう」
俺はレンからの誘いを断り、今日もいつも通り学校が終わると、いつも通りビルへと向かおう
ことにした。
校門を出て、駅へと向かおうとすると
「おーい、リョウ君」
校門の近くにはタケさんがいた。
「どうしたんですか?」
「いや、仕事のついでに近かったから、向かいに来たんだよ」
近くには榊さんとその車があった。
「そうすっか、ありがとうございます」
「はやく、乗りな」
そう言われ俺は車に乗って、いつものビルへと向かった。
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着いて早々に俺はいつも行っているトレニンーグを行い、終わらせ、
「タケさん早速やりましょ」
タケさんのとこに行った。
「おっ、もう終わったのか?」
「はい」
「ならやろうか」
俺達は格闘所に向かった。
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「よし、二人とも準備はいいか?」
「「はい」」
俺とタケさんは向き合った。
今日で決める。
「じゃあ、始め」
その合図で俺は一気に距離を詰めていった。
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リョウはタケとの距離を合図と同時に一気に詰めていき、激しい猛攻撃を繰り返した。
昨日受け止められたことで、やけになっているのか?
いや、付き合いは短いが、そういうタイプではない。
現にここでの訓練以外にも色々と調べたり、俺に聞いたりして試している。
だから、やけを起こしたというより、何か試しているのか?
「すごい、猛攻ですね」
「ああ、最初の頃よりも速くなっている」
「でも、タケ君には届かない」
素人の頃と比べて、リョウは格段に成長はしているが、タケとの距離はとても遠い。
「ああ、でも、まだわからんぞ。諦めたって奴の攻撃じゃないしな」
リョウは何か狙ってんだろうな。
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昨日とは違って、リョウ君の一つ一つの攻撃はたいしたことはないが、回転が速い。
さばくのは簡単だが、スキを突くのはとても難しい。
昨日の今日で何か試そうとしてるのか。
また、わざと打たれて反撃を狙っているのか?
カウンターはタイミングを外すのが定石。
でも、昨日みたいに打たれる覚悟で、打たれてから反撃するのはタイミングを外すだけじゃ
意味がない。
まあ、でも昨日とは違って来ることが分かっているなら対策のしようはいくらでもある。
そう何度も通じる手ではないよ。
だから、悪いけど今回も決めさせてもらう。
僕はリョウ君の攻撃の間に潜り距離を詰めて、右フックをかまそうとした。
このフックを受けた後、くるであろうリョウ君の"回し蹴り"をしゃがんで避けて、追撃をし
ようと考え攻撃をした。
しかし、リョウ君は僕が距離を詰めるのと同時に、後ろに下がり僕のフックを避けた。
そして、そのまま足に力を込め、"回し蹴り"を放たれた。
どうやら、これが狙いで僕はハメられたようだ。
僕がフックをしやすいように誘導されたのか。
いや、でも、問題はない。
この"回し蹴り"を受けなければいい。
リョウ君はどうやら右足でしか、打てないみたいだ。
もし、左足で打てたのなら、僕の右手は空ぶっており、ガードには間に合わない。
でも、左手は顔の近くで全然ガードが間に合う。
僕はそのまま、左手で蹴りを受け止めるように構えた。
だが、リョウ君の蹴りは僕の手に当たらなかった。
すり抜けた?
いや、違う僕のガードよりもさらに上に足がある。
その、顔の上にある足は僕の顔目掛けて下に振り下ろされた。
俗に言う"ブラジリアンキック"だ。
顔の横への"回し蹴り"の軌道を変えて、真上に持っていき、振り下ろす。
「ぶっ!」
僕は寸でのところで何とか避けた。
少し遅れて、鼻先をかすめてしまった。
ギリギリセーフ。
そう、安堵していると僕の顔横には足があった。
その足はリョウ君の左足だ。
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リョウの野郎やりやがった。
"回し蹴り"から"ブラジリアンキック"へと変えた。
それだけでも十分の奇襲だ。
タケも頭になかった攻撃だったが、避けられてしまった。
しかしリョウはそれだけでは終わらなかった。
真下に振り下ろされた右足を軸に、そのまま左足で"後ろ回し蹴り"を放った。
リョウは左足を下して、
「これ一本ですよね?鷲尾さん」
リョウから聞かれた。
寸止めではあるが完璧な一本である。
「ああ、一本だ」
だから、そう答えた。
リョウは拳を握り、両手を上に挙げ、
「よっしゃー!」
思いっきりと叫んだ。
無理もない。
この3週間、ずっと達成することができず、ようやくできたのだから。
あの野郎、俺が教える前に他の技への応用を考えていやがった。
本当だったら、この試験の後に"回し蹴り"の際に膝を使って、軌道を変えて同じ構えで、中
段・下段へと変えていくはずだったのに。
あいつは自分で考えさらに上へと足を持っていきやがった。
しかも、それで終わらず次の手を考えていやがった。
タケはリョウに手を差し伸べ、
「負けたよ」
リョウもそれに答えるように手を差し出し、握手をした。
中々握手が終わらない。
タケはずっとニコニコしている。
タケの悪い癖がでたか。
「あのー、タケさん?」
リョウも困っている。
「すぐもう一回やろう」
「えっ!いや、あの」
リョウは困ったようにこっちを見て、助けを求めてきた。
まあ、しゃあないな。
「タケちょっと待て、とりあえず今日は終わりだ」
「いっ、一回だけでも」
「今後の事を話さないといけないから、またな」
「は、はい」
タケは少し不服そうでわあったが、納得はした。
「悪いな、あいつ負けず嫌いすぎるから、じゃんけんでも勝つまでしようとするし」
「まじっすか?」
「ああ、前にも俺に勝つまで挑んできたしな。まっ、とりあえず試験はこれで達成。明日か
らは別のことすんぞ」
「えっ、体力テストのほうは?」
「えー、榊君、記録の紙見せてくれ」
そう言うと、榊君は俺にリョウのこれまでのトレーニング結果の紙を持ってきた。
「何々、上体起こし・握力。立幅が達成できてないのか」
「はい」
「まあ、いいだろう。これはあくまで目標の指標として立てたものだし、記録自体は全部上
がっているからな」
「そうですか」
「それにタケへの一発をお前自身が色々考えて達成できたから、この試験の大半は完了だ」
リョウも頷き、納得したようだ。
「そして、次は訓練ではなく実践、怪物退治を行う。気引き締めろよ」
そう、ここからが俺たちの戦いの本番なのだ。
次回は多分来週中。




