5話 観る
課題全部終わったのでまたチマチマとやっていきます。
第5話
トレーニングを始めてから3日経って、土曜日となった。
俺は早く起きて、ここ三日間と同じようにビルへと向かていった。
ずっと考えている。
ここ三日間俺はタケさんに一発も当てられていないどころか、一発も当てられていない。
ルールとしては、タケさんは投げ技と金的、喉突きや目突きといった危険な技を禁止され
ているだけで、俺への攻撃自体は禁止されていない。
なのに、俺はタケさんから一発も当てられず、寸止めで全て終わっている。
タケさん曰く
「怪我されても困るし、今はまだ大丈夫かな」
と言われ、完全に舐められている。
まあ、タケさんは舐めているというより、やさしさの方が強い感じがするが、どちらにして
も今の俺は反撃しなくても問題ないって判断されている。
ここまで、動画やネット参考ではあるが色々と試したが所詮はただの付け焼き刃、すべて躱
されては、寸止めで対応されている。
どうすればいいんだ?
鷲尾さんに聞いてはみたが、
「まあ、今は何を言っても意味はないし、とりあえず今はよく”みる”ことからだな」
と特に何か教えてくれるわけでもなく、ただ”見る”としか教えてくれない。
そりゃあ、よく見ないと戦うことができないし、見ているが、鷲尾さんはそんなことを教
えてくる。
「いわれなくても”見てる”けどな」
俺は特に他に当てがなかったので軽くスマホで調べてみると、予測変換に”見る”と
”観る”の二つが出てきた。
「”観る”ねー、こっちのことを言ってたんか?」
調べてみると「注意して見る、広く見る」などの意味がある。
俺の”みる”じゃまだ足りないってことか?
なら、今日はしっかりと”観て”やる。
俺は歩いた。
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ビルに付き、俺はトレーニングを終えて、タケさんと対等した。
「さっ、今日もやろうか」
「はい」
俺とタケさんは構えた。
「よし、じゃあ始め」
鷲尾さんの合図で俺は先手必勝、突撃した。
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リョウの突進に対してタケは躱して、顔目掛けて、寸止めをした。
動きの固さとかは取れてきたが、まだ、だめか。
「教えなくていいんですか?」
榊くんが俺に尋ねてきた。
「ああ、こればっかりは慣れだしな。やっていれば治るもんだろうし」
あいつと怪人の戦いの動画を見るかぎりじゃ、おそらく喧嘩すらしたことのない素人。
戦いに恐怖を持っている感じがした。
だから、今はああなってしまうのはしょうがない。
でも、時間もない。
速く治ってもらわないと困るし。
「まあ、明日もダメそうならしょうがないな」
とりあえず、今は見守ってみることにしよう。
そう考えている間に再びリョウが攻めたが、顔に寸止めを食らった。
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5分も経ってないのにもう二回もやられている。
俺は再び構えて今度は待った。
そうすると、タケさんが俺との間を詰めてきたので、俺は引き付けてから、顔目掛けて拳
を突き出した。
しかし、俺の拳を払って、そのまま、拳を突き出してきた。
俺はそれを避けようと、俺は目をつむり顔を後ろに引く。
目を開けると顔の前に拳がある。
毎回こんな感じだ。
どうすりゃあいいんだよ。
しっかり”みてる”しよー。
…
いや、”みて”ねえ。
パンチをもらう寸前に毎回、目を瞑っていた。
多分今までの寸止めの時も目を瞑っていた。
鷲尾さんはこの事を言ってたのか。
思い出してみれば、タケさんは毎回俺の顔の前に寸止めをしていた。
この事を気づかせて、直させるのが目的だったのか?
だったら、次は目を瞑らないように意識してみよう。
俺は再び構えて、タケさんに攻撃を始めた。
しかし、すべて避けられるか、いなされて、また顔に寸止めを食らった。
俺は結局目を瞑ってしまった。
しかし、目を瞑ったが、今度は顎を引き顔は後ろには引かなかった
いきなり、意識しても治るわかではなかったが、それでもさっきよりはましだろう。
多分、鷲尾さんは俺が目を瞑ったりしてビビッているのをやめさせたいのだろう。
だから、目を瞑ってはしまったが、顔を背けなかった。
いきなり、全部直すのは無理だけど、少しづつ直しいこう。
今日は土曜で時間もある。
今日で全部直して、一気にやってやる。
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あれからリョウは何回もタケに挑みはしたが、返り討ちにあっている。
相手にもなっていないが、顔がタケの拳から逃げなくなってきているし、それに時々目を
瞑らなくなっている。
しっかりと”みる”ようになってきている。
これだったら明日には次のスッテプに進んでいいかもな。
そうこう考えている内にリョウがもう一度タケに挑んだ。
今までと変わらず、リョウの攻撃はタケはいなし続けた。
そして、タケが拳を突き出した。
いつも通り、寸土めで終わるのかと思ったが、そうはならなかった。
リョウは毎回顔を後ろに持っていってよけようとしていたが、今回は顔を横に移動させて
タケの拳をタイミングよく避けた。
さらに、リョウは避けるだけで終わらず、自分の拳をタケの腹目掛けて繰り出した。
タケは驚きながらも何とか受け止めたが、リョウはそのまま攻撃を繰り返した。
何とかさばいてはいるが、腹の一撃のせいでバランスを崩したのか、タケが押されている。
このままいけば一発ぐらい入るんじゃないか。
そう思っていると、リョウの顔への攻撃をタケはさっき避けられたように避けて、同じよ
うに腹に攻撃した。
今度は寸止めではなく、腹に直接。
相変わらずの負けず嫌いぷりだな。
リョウは腹への攻撃に耐えきれず、その場にふさぎ込んでしまった。
一発浴びせることはできなかったが、しっかりと”観る”ことができていた。
しかも、それだけではなく反撃もした。
時間はまだある。
これだったら、すぐにでも次のステップに行こう。
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アーーーーーー、痛ってぇー------
いままでと違って寸止めで終わらなかった。
腹がめちゃくちゃ痛い。
でも、これでいい。
いままでと違って寸止めする余裕があったがそれが、それがなくなったてことだ。
一歩前に進むことができた。
俺はまだ痛む腹をさすりながら立ちあがった。
この調子でいこう。
そう思っていると
「一回ストップ」
と言い、鷲尾さんは止めた。
「えっ、もうですか?」
「ああ、ちょっと次のステップへと行こうと思ってな。ってことで、タケと榊くんは
一回仕事に戻ってくれ」
「「わかりました」」
そう言われタケさんと榊さんは部屋を出ていった。
「それで、次のステップってなんですか?」
「次のステップは”必殺技”だ」
「”必殺技”!?」
「そうだ。まあ、”必殺技”というより戦いの基盤にする技だな」
「それだったら、空手とかの格闘技の方がいいじゃないっすか?」
「いや、時間がない。3週間で覚えた格闘技なんて、付け焼き刃すぎて意味がない。そ
れに、能力で戦うことになるから、何かの型にはめる必要はない。だから、戦うため
の基盤となる”必殺技”があったほうがいい」
「なるほど」
「今まではタケの攻撃に対して目を瞑ったりして逃げてた。まあ、これは慣れてなか
ったからしかたないが、それもなくなったからな」
俺が思っている以上に色々考えているみたいだ。
「それで、”必殺技”って?」
「それは”回し蹴り”だ!」
「”回し蹴り”!?」
次回は多分来週のどこか




