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THE HERO  作者: ガイ
怪物
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11/13

10話 覚悟

よろしくお願いします。

10話 覚悟


「痛ッ!」


俺は相手の尻尾の突きによって、吹き飛ばされ、後ろの木に叩き付けられた。


ヤッ!!


そのまま蛇の怪物は尻尾を振り上げ、俺に向かって叩き付けてきた。


俺はそれを寸での所でなんとか避けた。


尻尾が叩き下ろされた地面を見てみると、地面に大きなヒビが入り、割れていた。


すごい威力だ。


それにしても、やっぱりこのスーツすごいな。


地面が割れる程の威力を食らっても、痛いで済ませられ、骨とかには異常がなさそうだ。


だが、こっちの攻撃を当たったと思ったけど。


脱皮して騙されるなんて。


相手の能力も警戒してたけど、その動物の特性というか特技もできるって事か。


鳥なら飛べるし、カメレオンなら擬態できるって事か。


いや、そんな事は後で鷲尾さんとして、今はこの蛇だ。


尻尾が長いだから、わざわざ距離を取って動きやすい様にするべきではない。


それに、俺の"チャージ"の能力は俺の射撃能力がないせいで、あいつの尻尾の間合いより遠くからじゃ

まだ、狙い撃ちはできない。


その判断から、俺は一気に距離を詰めようとした。


「えっ!?」


が、目の前の尻尾が叩きつけられた地面が陥没し、俺の足場がいきなり消えた。


そのまま、再び尻尾で攻撃され、俺はそれを防いだ。


しかし、今度は陥没した地面が拳のように形を変え、俺目掛けて飛んできた。


その攻撃を防ぎはしたがそのまま俺は後ろに流され、後ろの木に挟まれ、拘束されてしまった。


「クッ!!」


チャンスとばかりに、畳み掛けるように蛇の怪物は近づいてきた。


「ウッ、ラァー」


俺は後ろの木を破壊して、この拘束から脱出した。


すかさず間合いを取った。


あっぶねー。


最初の手ごたえ的に余裕かと思ったけど、蛇としての特徴とおそらく"土を操る能力"によって

一気に流れが変わった感覚がする。


俺は"硬化"のカードを取り出して、能力を変えた。


"硬化"は体を固くでき、鷲尾さんは攻守共に汎用性が高いと言っていた。


だから、準備段階で一番鍛えた能力だ。


硬化させた部分の体は固まって動かすことができなかった。


そのため、受けるときと攻撃するときにタイミングよく使うのがいいという考えに至った。


とりあえず、今はコイツで行こう。


"チャージ"は確実に決められる時にいこう。


ンッ?


俺は覚悟決めて再び向き合おうとすると、左足に違和感を感じた。


左足を確認してみると何かが巻き付いていた。


やバッ!油断した。


巻き付いていたのは蛇の怪物の尻尾だった。


--------------------------------------------------


リョウは踏ん張りはしたが、力負けしていまい空中に持ちあげられてしまった。


そして、そのまま振り回されてしまった。


やばいな。


"硬化"の能力で全身を固めてはいるが、時間の問題だ。


強い能力だとは思うが何でもかんでも防げる能力ではない。


耐久力が高いだけで、0ダメージではなく、ダメージは蓄積される。


それに、ずっと維持するのだってキツそうであった。


クソ、なさけない。


ここで、戦っているのを見てるだけしかできないのか。


リョウは地面を掴み粘るが、地面はえぐれ、掴むことができなかった。


次に木の枝を掴んだ。


腕の力精一杯で耐えてはいるが、枝が折れてしまった。


奴の尻尾から脱出することができない。


--------------------------------------------------


痛ッタ、全身が、ヤバイ。


だが、突破口は見つかった。


あちこちを掴んだが、ほとんどが粘る事すらできなかった。


しかし、木の枝を掴んだ時だけ違った。


力を込めることができた。


あの時は藁にも縋る思いで無意識だったが、俺の"硬化"の能力が他に影響を及ぼした。


つまり、木の枝も硬化したんだ。


今度はこれを意識して、体全体を使ってあいつに勝つ。


俺は右足を地面に付け、目一杯力を込めた。


それでも、相手の力に負けて、引き寄せられるが、俺は足と地面を硬化させた。


すると、力負けはせず耐えることができた。


俺はすかさず、左足でも同じようにして、地面と自分自身を固定させた。


このアドは一瞬の物だ。


時間を掛かれば確実にまた同じように振り回され、そのまま負ける。


ここで決める。


「フンッ!」


俺は相手の尻尾を両手で掴み、相手と綱引き勝負を行った。


相手の尻尾はピンと張っており、相手の顔は険しくなっていった。


「オッラァ!!」


そして、この力勝負は俺に軍配が上がった。


蛇の怪物は俺の力によって持ち上げ、今度は俺が一本背負いのようにして地面に叩きつけた。


痛みからか、相手は尻尾を緩め、俺の左足は解放された。


そして、尻尾を再び引っ張り今度は自分の方に引き寄せた。


相手はその勢いのまま俺に攻撃しようとしてきたが、


「フー」


俺は息を整え、


「ハッ」


相手の顔目掛けて渾身の"回し蹴り"を放った。


ズドン!!


そのまま、地面に叩きつけた。


ハァ、ハァ。


蛇の怪物を見てみるとまったく動く気配がない。


今度こそやったな。


俺は地面に座り込んだ。


本番の雰囲気って奴かな。


タケさんよりも強いと感じなかったけど、疲れたな。


だけど、"硬化"の能力がただ自分を固めるだけではなかった事が分かったのはでかいんじゃ

ないか。


今度、鷲尾さんを色々調べてみないと。


「終わったのか?」


声の方へ振り返ってみると、鷲尾さんが木の陰から出てきた。


「多分、なんとか」


そう言うと、鷲尾さんは近づき、慎重に蛇の怪人を確認した。


「よくやったな」


どうやら確認が終わったみたいだ。


「それで、この後は?」


「コイツを車に運ぶの手伝ってくれ。重くて一人じゃ無理だ」


考えてみれば大きいもんなコイツ。


俺は蛇の怪人を持ち上げた。


確かコイツの能力は俺のにするんだよな。


心臓にある核を利用して。


んっ?


今まであんまり考えてなかったけど、コイツは。


いや、この人は。


「死ぬんですか、この人は」


俺は鷲尾さんに聞いてみた。


今までハッキリと言ってなかったけど、最初に能力を得るためには相手の心臓にある核が必

要って言っていた。


心臓をなんとかするって事は流石に死ぬんじゃないのか?


いや、そうじゃない。


「この人は怪物の姿から人間に戻る事ができるんですか?」


鷲尾さんは何も答えてくれない。


顔色もあまりよくない。


「遠回しに言っても意味ないと思うからハッキリというぞ」


俺は頷いた。


「今の所、怪物から人間に戻す方法はない」


「じゃあ」


「ああ、だから核を取り出して"能力"を手に入れることにしたんだ」


今、方法がなくても。


「でも、いつかは見つかるんじゃ?」


「かもな。でも、戦ったならわかるだろ。見つかるまで拘束する方法がないんだよ」


力は人間離れしてる。


それに加えて"能力"や動物固有の特性まで持ってるんだ。


「お前だって、手錠されたぐらいでも逃げれると思うだろ?」


「はい」


「だから、こいつはこの後、止めを刺して運ぶつもりだった、できれば気付いて欲しくなか

ったよ」


悲しそうに言われた。


拘束する手立てがないし、俺の力となるなら仕方ないのか。


でも、ダメだろ。


「俺がやります」


「ん?」


鷲尾さんはよくわかっていないようだ。


「俺がこの人に止めをさします」


この事を知らんぷりして、全部やってもらうのはだめだ。


俺だって一緒に戦うのだから。


「無理しなくていいんだぞ。お前は十分やってくれているのだから」


そうかもしれない。


けど、


「ここでやらずに、間接的に関わるのはダメだと思うんです。直接やらなきゃ」


「お前は怪物を人と認識してるんだ。想像以上にくるぞ」


わかっている。


でも、俺は鷲尾さんの目を見続けた。


鷲尾さんはしばらく黙り込んで考えた。


そして、


「わかった」


俺は頷いた。


鷲尾さんは俺にナイフを渡してきた。


ナイフは包丁なんかと比べてとてもゴツかった。


「本来だったら、これでも怪物を刺すなんて無理だが、お前の"硬化"の能力を使って時間を

掛ければ何とかなるだろう」


鷲尾さんも"硬化"の能力の事が分かったみたいだ。


それにし時間が掛かければか。


えぐいな。


「やめたきゃ、やめていいからな。今からでも」


俺はその言葉に対して横に首を振った。


「そうか、だったらまずは首を切ろう。刃を首に寝かせて思いっきり力をかけろ」


頷いた。


そして、ナイフを力強く握り、"能力"を付与した。


スゥーハァー


やるか。


俺は刃を首に寝かせた。


そして、上から体重を乗せて力いっぱい押した。


蛇の怪物はのたうち周り、尻尾を振り回し、暴れ始めた。


中々首を切断できず、何度も何度も力を込め続けた。


そして、静まった。


首の切断が完了してから。


「大丈夫か」


何もいう事ができず、ただ頷くことしかできなかった。


「そうか、、、。なら、早く戻ろう」


俺は亡骸を持ち上げた。


すごく、重く感じた。


そして、胸のあたりにペンダントがあることに気付いた。


さっきまでは集中していて、そんな物に気付ける余裕はなかった。


中を見てみると、この人の面影を感じる人と女の人が並んで撮られた写真があった。


仮面のしたから自然と涙がこぼれた。




最後までありがとうございます。

次は遅くなるかもです。


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