スキル
PCでの改行不良の指摘を受け、全作の訂正を致しました、楽しく、面白く読んで頂ける様
に努力は惜しみませんので、不備が有りましたら遠慮なく御指摘ください、今回御指摘くだ
さり有り難う御座いました。
戻って早々に厄介事が勃発した。
レベッカが寄り添い耳打ちをする。
「セリア様、ただの人が混じっている様ですが排除されないのですか?」
そうなのだ、このメンバーでは5人眷族にはしていない者が居る、私はどち
らでも良いと言うよりはしたく無いのだが。
レベッカを制してこの際だから聞いてみる事にした。
「あ~この子はレベッカと言うのだけど既に私の眷族に成っている、今ここ
にはまだ眷族に成っていない者が5人居る、眷族に成りたい者は手を挙げて
くれるかしら?」
そして手は5本挙がった。
「エレナとリーザは今、後出ししたわよね、勢いで挙げてない?」
エレナがリーザに目配せをして口を開いた。
「あたしは里の事で思う所が有るには有るんだけど、師匠や皆と居るのが楽
しくてさ、眷族に成ったらもっと楽しいのかなと思ってさ」
「エレナ、貴女は里に帰って暮らす気は無いの?」
「ん~~?そんな気は無いかな」
「眷族に成れば、多分私を師匠とは呼ばなく成るし私を優先する様に成って
しまうわよ?」
「其れでも良いかな、セリアの事は好きだし」
「そう、ではリーザはどうして手を挙げたの?貴女はその内里に帰るんじゃ
無かったの?」
リーザは少し黙考した後、ゆっくりと話始めた。
「実はここへ加えさせて貰ってから、ずっと考えていたのです、皆に囲まれ
セリア様に付いて行く自分の姿と、セリア様や皆と別れて里へ帰る自分の姿
を想像していました、そして里へ帰れると想像した時に思わず涙が出て、行
きたく無いと思う自分が居たのです、ただ皆さんにお聞きしたのですが自分
から望んで眷族に成ったと言って居られたので手を挙げるのは烏滸がましい
のではないのかと思い躊躇してしまいました」
そこでアリエスが口を挟んだ。
「充分な理由なんじゃないか、なぁセリア?」
「ん?それはどうして?」
「あたしもリーザが皆に聞いているのを聞いていたが、そう成る事を躊躇し
ている訳じゃ無くて来てまだ日が浅い事を気に掛けていた様だからな、今日
遭ったばかりの奴を眷族にして来たんだから問題は無いだろ?皆がお前を好
きな事に変わりは無いしな、そこの2人はどうだか判らんが」
「失敬な!好きなどと浅い考え自体が烏滸がましい!、敬愛こそセリア様に
相応しい愛し方だと判らんのか!」
「クラリス、もう眷族に成ったのだから私の心も解るでしょ?貴女は少し堅
過ぎる、私にはアリエスの様にもっと砕けても良いのよ?」
「し、しかしそんな馴れ馴れしくは・・」
「仕方が無いわね」
セリアは溜息を吐くとクラリスの頭を自分の前へ引き寄せるといきなりディ
ープキスをして胸を揉みしだいた。
タップリ30秒、鼻息荒く強く抱き付くクラリスをゆっくり離すと台詞を決
めた。
「貴女の全てはもう私の物よ、解ったかしら?」
「・・はい・・・」
場内騒然である。
残る5人を眷族にし、時間を掛けてディープキスをし右胸を揉みしだき、心
と躰に眷族である事を刻み込んでいく、それが生まれ持ったスキルだと本人
が知らぬままに。
厨房から顔を両手で覆いながらも指の隙間からしっかりみている真っ赤な女
給さんに悪影響が無ければ良いのだが、この時遮音魔法を掛けていなかった
事が一波乱を生む事と成った。