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4話
追い掛けるか悩んだが、すぐに決まった。むつも人目につかないように、するっとドアに近付くと、音もなくドアの向こう側に入って行った。
奥には、人形の頭や衣装が並んでいた。どうやら、倉庫のような場所のようだった。オレンジ色の薄暗い明かりしかなく、それに山上と女性の姿も見失ってしまっていた。
むつは、係員などに気付かれないようにと、慎重に静かに人形の間を歩いていた。
だが、ふいにぐいっと肩を掴まれた。見付かるのが早すぎると思いつつ、素直に謝ろうと振り返ると、そこには頭も着物もない木と糸で出来た人形の身体があった。
ぐっと肩を掴んでいるのは、人形の手だった。木で出来ているせいか、固くみしみしっとむつの肩に指が食い込んでいく。
「人形遣いも居ないのに…」
むつがそう呟くと、どこかから、かたんっと音がした。かたんっかたんっと聞こえてくる音は、だんだんと近付いてくる。




