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連行/本音/待ち合わせ

誤植が酷すぎる件についてww


修正前

 それを両親に訊いた後にどうするつもりなのか、あたしにはとてもじゃないけれど聞く勇気はなかった。


修正後

 華恋さんの言うお兄さんってきっと――

 それをお兄さんに訊いた後にどうするつもりなのか、あたしにはとてもじゃないけれど聞く勇気はなかった。


本当にすみません。

「今日はあんたも出掛けるわよ」

 次の日、華恋さんは白いセーラー服をあたしに押し付けそう宣言した。

「それ、私のお下がりだから。きっと似合うわよ」

 要するに、着てみろということですね。

 あたしはその場で部屋着からセーラー服に着がえる。

「うん、やっぱりぴったりだし、何より似合うわね」

 そうですか、それはどうもありがとうございます。

「じゃあ、早速だけどあんたもついてきなさい」

 あれ、そういえば今日って――

「日曜日にも学校ってやってるんですか?」

「学校じゃないわよ。今日こそあいつを見つけて始末するための捜査にでかけるの」

 あ、そうですか。

 せっかくの休みの日にご苦労なことで。

 ていうか、これを口実に女の子の休日っていうやつを体験させてあげれば、この生真面目ガールも今までの行いを反省して普通の女の子に戻ってくれるんじゃないだろうか?

 これは、ある意味チャンスなのかもしれない。

 あたしは気を取り直して楽し気な雰囲気を演出する。

 だって、ほら、日本最古の引きこもりであらせられる天照大神でさえ楽し気な雰囲気で天の岩戸から出てきたんだし。

 ルンルン気分でマンションから出て伸びをする。

 うん、外の空気は美味しくて昼間なのにうっすらと月が出ているのもいい。

 月? あれって月かな? まあ、いいか。

 今日は、何をしようか? ウインドショッピングもいいけど、何の目的もなくガールズトークを楽しみながら散策するのも悪く――


「あんたってなんだかんで優しい娘ね。私を世界を救う大事業から諦めさせようっていうんだから」


 え? まさか、昨日のやり取りを――

「今朝ね、香月から連絡があったのよ。私たちのやろうとしてることをあんたが止めようとしてるって」

 ああ、そうきたか。

 彼女なりの抵抗ってことなんだろうか。

 まあ、いいや。しょうがない。昨日の時点で予想しておくべき展開だし。

 こうなったら、ここで説得を試してみるしかない。

 さて、どう切り出そうか――

「あのね、私だって自分のやっていることの馬鹿らしさくらい自覚しているのよ」

「……じゃあ、どうして、昨日は――」

「あんなのは建前みたいなもんよ。あんまり、本気にしちゃダメ。でもね、香月はともかく私はどうしてもやり残したことがある。それをやり遂げるまでは消えてなんていられない。ね、どうしようもなく自分のためなのよ。本当、こんなことに巻き込んで香月には悪いことをしちゃってるわね、私」

「それってどういうことなんですか?」

「私のクソ兄貴にまだ訊いてない。どうして、私をおいて行った挙句にこんなバカげたことをしでかそうと思ったのかって」

 その刹那、華恋さんの瞳に暗い炎が灯ったように見えた。

 この世のあらゆるモノをどこまでも焼き尽くさんとする暗い炎。

 きっと、人はそれを憎悪と呼ぶのだろうとあたしは思った。

 華恋さんの言うお兄さんってきっと――

 それをお兄さんに訊いた後にどうするつもりなのか、あたしにはとてもじゃないけれど聞く勇気はなかった。


☆ ☆ ☆


「おまたせ、今回はせっかくだからメアリも連れてきた」

 待ち合わせの場所に選ばれたのは、いかにも隠れ家的な喫茶店で入口付近に『喫茶 エデン』と書かれた小さめの看板がなければ民家と思い通り過ぎてしまいそうなほどに微妙なやる気の店だった。

 その証拠に客の姿は2人しか確認できず、一人はテーブル席に座りこちらに背を向けて座っていて、もう一人は言わずもがな、香月さんだった。

 香月さんはカウンターでホットコーヒーを飲みながら小説を読んでいた。

 虐殺器官という女子高生が読むにはあまりにもおどろおどろしいタイトルのSF小説だった。

 あたしと目があった瞬間に気まずそうに視線を外したのは気のせいかな?

 いや、別に怒っている訳じゃないんですけれどね。

 ちょっと、お話は聞きたいですよね。

 香月さんを挟むようにあたしと華恋さんはそれぞれ席に着く。

 華恋さんはカフェオレを、あたしはアイスコーヒーをそれぞれ注文する。

「それで、どうあっても私たちを止めようと考えてるのかしら、あんたは?」

 華恋さんは早速そう切り出してきた。

「……ぶっちゃけ、あたしには華恋さんに拾ってもらったっていう大恩があるんです。あのとき、あたしが神待ちをせずに済んでいるのは華恋さんのおかげなんです。そんな、大恩人が如何にもヤバ気なことに首を現在進行形で突っ込んでいるなんてそんなの絶対に止めようと思うのは当然のことだとは思うんですけれど」

 香月さんは目を見開き驚きの表情を浮かべ、華恋さんはあっそ、とそっけなく答え、

「まあ、あんたが私に恩を感じるのは勝手だけれど、それをこっちに押し付けないでくれないかな? 有難迷惑だからさ」

 すごく冷たい声音で言い放つ。

 ……うん、これは、もう言っちゃうしかないか。

 本当は、これはずっとあたしの中でしまっておくつもりだったけれど、仕方がない。

 あたしは覚悟を決めた。

 その前に、確認しないといけないことがある。

「ところで華恋さん。例の彼を殺したのは何回目ですか?」

 少しの沈黙の後、4回、かな、と答える華恋さん。

 あたしは続けて質問する。

()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 ええ、と短く肯定する華恋さん。

 良し、疑惑が確信に変わった。

「あのですね、華恋さんは無自覚に彼の終末誘導を手伝ってしまってますよ」

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