太陽って、何か素敵
昔コロコロで連載してた「太陽少年ジャンゴ」という漫画に出てくる、太陽弾という技が、成長してから好きになりました。子どもの頃は太陽の刀の方が好きでしたが。
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「ホントに今日は奢ってもらっちまってスンマセン!スゲー旨かったっス!このご恩はいつか絶対返すっス!」
「ウフフ、それは楽しみね。一体いつになるのかしら」
食事が終わり、四人は店の外に出る。現在の時刻は12時30分、繁華街の人通りは、店に入る前よりも人の数が増えていた。
マリオがヒーカンに問う。
「ところでヒーカン、アンタ達はこの後どうするの?」
その問いに対し、ヒーカンが答えた。
「へい。今日は俺達パトロールとかの予定も入ってないんで、どっかのコンビニで部隊の奴等に土産でも買ってから獄番に戻るとしますぜ。そんで、帰った後は出動要請があるまで鍛練でもしてまさぁ」
そう言って、ミールを連れてその場から離れようとするヒーカンを、ダイゴは引き留める。
「・・・あの、スンマセンヒーカンさん。ちょいとお尋ねしても良いっスか?」
「うん?別に良いぜ」
ヒーカンが振り向いてそう言ったのを確認して、ダイゴは質問の本筋に入る。
「その、『パトロール』ってのは、一体どんなことをするんスか?」
「どんなことを?うーん、何も事件が起こらねぇ様に町を見張りながら歩くとか、そんで町で万が一事件が起これば要請を待たずしてそっちにすっ飛んでいくとか、まあそんなとこだ」
「なるへそ、んじゃあやる内容は現世のパトロールとあんま変わんないんスね」
そのようにして、ダイゴはヒーカンの説明に納得したようにウンウンと頷いた後、言葉を続けた。
「・・・んで、そのパトロールってどんな感じでするんスか?隊員の気が向いたらとかっスか?」
「んな訳ねーだろ!普通に仕事として、部隊毎にやる日程とかが決まってんだよ!今日は第六部隊がパトロール、明日は第四部隊がパトロールって具合にな!!ちなみに一回のパトロールで一部隊が動員して良い隊員数は、二人までだぜ!それ以上の人数でやると、部隊の人員が不足すっからな!!」
「なーるへそ!」
ダイゴが凄く納得したように、掌を拳でポンと叩く。今更だが、この男のリアクションはとてもベタである。
そんなダイゴのリアクションを見てから、ヒーカンはマリオに言った。
「・・・んじゃ、ダイゴも理解できたようだし、俺達はこの辺で」
「分かったわ。じゃあ一旦ここらでお別れね。またね。ヒーカン、ミールちゃん」
マリオがそう言うと、ヒーカンとミールはマリオに対し少し会釈をしてから、その場を発った。
「・・・さて、じゃあ私たちも獄番に戻りましょうか。只でさえ第四部隊は人員不足なのに、こうやって私たちがここでブラブラしてることで更に二人も隊員が減っちゃうしね」
二人を見送った後、マリオはそんなことをダイゴに言った。
その言葉に、ダイゴが口を開く。
「それもそうっスね。んじゃあ帰りましょうっス!・・・って、アレ?」
そこまで言って、ダイゴはある一方向を見て、言葉を止めてしまった。
マリオが不思議そうな顔をしてダイゴに問う。
「?どうしたのダイゴちゃん?」
「ファッ!?あ、スンマセン。ちょいと見知った顔を見つけたもんで」
「見知った顔?」
「ウス」
ダイゴはそう言うと、見つめていた方向に手を振った。
「ショウタロウさーん!!」
「ん?おお、ダイゴ!!また会ったな!!」
そこに居たのはショウタロウであった。
自分の方に近付いてきたショウタロウにダイゴは言う。
「奇遇っスね!パトロールっスか?」
「そうだ。ダイゴは?」
「昼飯っス!恥ずかしながらマリオさんに奢ってもらっちまって・・・」
ダイゴはそう言いながら後頭部をガシガシと掻いた。
そんな二人の会話に、マリオが入ってくる。
「あらショウタロウちゃんじゃない。暫く会ってなかったけど、元気だった?」
「マリオさん!!はい、すこぶる元気に自らを鍛えておりました!」
どうやらショウタロウとマリオは顔見知りのようだ。二人とも和気藹々と会話をしている。
そんな会話の中で、マリオはショウタロウに問う。
「パトロールってことは、ショウタロウちゃん一人じゃないのよね?誰と一緒なのかしら?」
ショウタロウは答える。
「ドキルクです。ほら、今俺の近くに・・・ってアレ?居ない!?」
ショウタロウは自分のパトロールのバディが居ないことに気付き、慌てて周囲を見回した。そして、
「ああ!あんなところに!」
と言うと、ダイゴ達二人から離れて、先程自分の居た10m程後ろの店に向けて走っていく。いや、正確には店の"日陰"になっている場所向けて走っていった。
「ドキルク!お前、どうしてここに残っているのだ!パトロールのバディなんだから俺がマリオさん達のところに近付いたらお前も一緒に来いよ!」
ダイゴは、ショウタロウがそう話し掛けている人物を遠目で見る。
そこには、晴れているにも関わらず黒い蝙蝠傘を指している男が居た。その男は黒ぶちの眼鏡を掛けており、ユダより少し長い程度の黒髪をしている。上半身には水色をした長袖のポロシャツを着ており、下半身には黒いジーパンを履いていた。身長は170cmより少し高い程度で、筋肉質なショウタロウより随分細身に見える体格をしている。
この男がドキルクなのだろう―そうダイゴが思った矢先、その男、ドキルクが口を開いた。
「いや、だって今日は日射しが強いだろ?そして俺は日光に糞弱いだろ?だから俺はこの日陰から動きたくない。QED」
「いや何故勝手に証明終了するのだ!?ヒドォチョグテルトヴッドバスゾ!!!」
ショウタロウが突っ込む。が、勢い余ってその突っ込みはオンドゥル語混じりになった。
そんなショウタロウに対し、ドキルクはやれやれと言う風に首を横に振る。
「まあ落ち着けってショウタロウ。もうかれこれ二、三時間くらいパトロールしたんだ。一旦この店で休憩しても良いんじゃね?」
しかし、そんなドキルクに対しショウタロウは、
「そうはいかんぞ!パトロールとはそれ即ち市民の平和を守るための正義の行動だ!!それに関して妥協することは俺が許さん!さあそうと分かればとっとと日向へ出てこい!!パトロールの続きだ!!」
とまくし立てると、ドキルクの色白い腕をひっ掴み、六月に似つかわしくないレベルの日光の降り注ぐ空の元に引きずり出した。
すると、
「ぎぃやあああぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁあああああああぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
という凄まじい断末魔を発しながら、ドキルクが傘を投げ出し、地面をのたうち回り始めたのだ。
その様子はさしずめ地面に揚げられたカジキマグロと言ったところか。自らの生存が不可能な場所に無理矢理出させられた生き物の、一種の『生存の為の闘争』を現在のドキルクは行っていた。
その様子を見て、ダイゴは慌てる。
「ちょ、ドキルクさん!?大丈夫っスか!!?だ、誰かぁ!!救急車!救急車呼んでェェ!!!!」
しかし、そんなダイゴをショウタロウが制止した。
「まあ落ち着けダイゴ」
「いや、無理っスよ!?見ろっスよこのドキルクの無惨な姿をよぉ!?」
ダイゴは相変わらず動揺しっぱなしだが、しかしショウタロウは落ち着き払って言う。
「大丈夫だ。そいつは別に持病が悪化したとかでのたうち回っている訳ではない。ただ単に、日差しが嫌いでのたうち回ってるだけだ」
「ひ、日差しが嫌いでぇ!?どういう事っスか!!?」
ダイゴは訳が分からないといった様子だ。しかし、その時不思議な事が起こった。
「ちきしょう・・・。紫外線が肌にめり込みやがる・・・」
ドキルクが床に転がった傘を拾い、立ち上がったのである。
ダイゴが反射的に言った。
「立った!ドキルクさんが立った!」
お前の様なでかくて禿げたハイジが居るか。ペーターですらお前には務まらない。
そんな日本の少年ダイゴを華麗にスルーしてドキルクが言った。
「てめぇショウタロウ何しやがる!!危うく太陽に焼き殺されるところだったぞ!?」
「喧しい!これを機に太陽と親友にでもなったらどうだ!太陽は良いぞー!何せあの仮面ライダーblackも太陽の子という異名を持つ程だからな!!」
「うっせー!今てつを関係無ぇだろオォン!?脊髄ブッコ抜くぞ!!」
ドキルクが青筋を立てながらがなる。
「序章で終わった某仮面ライダーをdisるのは止めロッテ!!」
「何でや!!真仮面ライダー関係ないやろ!!」
ショウタロウとダイゴが口を揃えて言った。
しかし、そんな仮面ライダー馬鹿二人を放っておき、ドキルクは日傘の下に隠れながら溢す。
「チキショー・・・、日焼け止めクリーム塗っても日光に当たると肌がジンジンするぜ・・・。てか何でこんなに晴れてんだよ、今朝の天気予報では午後から雨降るって言ってたのにさぁ・・・。仕事しろよお天気お姉さん・・・」
何気ないその台詞に、ダイゴは反射的に「え?」と呟いた
「あん?どうした?てか誰だお前。そして何だその服装なめてんの?。且つ何だその髪型×××みてぇな頭しやがって!!」
「少しツイートしただけでマシンガンの様な暴言リプライ受けて動揺を隠せない!!俺が一体何をした!!一応自己紹介しとくと新しく研修生として獄犬に入ったダイゴっス!所属は第四部隊っス!そしてこの服装は乙タンクトップと言って今現世で世界的に流行してる人気のファッションっス!後テメェ坊主頭の事を往来で×××って言うのヤメロォ!!」
お前もお前でスケールの大きい嘘をさらりと吐くな。
しかし、ドキルクは「ダウト!」と叫ぶ事もなく、「ふーん、現世始まったな」と納得したように呟いた後、言った。
「成る程。俺達の新しい仲間って訳か。・・・そういうことなら、お前にだけ自己紹介させんのもなんだし、俺も自己紹介と行くぜ。俺の名はドキルク。所属はそこの仮面ライダー馬鹿と同じ第五部隊。座右の銘は『太陽と夏マジファッ〇ン』だ。宜しくな」
「お、オッス!宜しくお願いしますっス!!」(この人、座右の銘はちょっとアレだけど案外良い人そうだぞ!座右の銘はちょっとアレだけど!!)
ダイゴは、少しだけ目の前の生っ白い男の人柄に、希望の光を見出だせた気がした。
太陽ォォォォォ!!




