表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスにS級美少女がいるけど、A級美少女と仲良くなった話  作者: 砂糖流


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
90/92

90話 誕生日

『そういえば』


『うん』


 放課後。教室で帰り支度をしながら美波からのLINEを返す。


『樹って今欲しいものとかある?』


『欲しいもの?』


『そう』


『うーん』


 恐らく美波は誕生日プレゼントのことでこんなことを聞いているのだろう。


 何せ、俺の誕生日がもう近いからだ。


 ちなみに美波の誕生日も数ヶ月後である。つまり俺たちは二人して遅生まれなのだ。


『ちなみに美波の欲しいものは?』


 だからこういう返しもできる。


『うーん』

『って、質問に質問で返すな』

『小僧』


『ごめんごめん』


『ってことはもうバレちゃってるじゃん』

『誕生日プレゼントのこと』


『さすがに気づくよ』

『今時あれで気づかない方が少数でしょ』


『そうだけど』

『杏菜と唯奈ちゃんは気づかなかったよ』


『あの二人は例外だから』

『何なら一緒に買いに行く?』


 試しに絶対に断られるような提案をしてみる。


 きっと女の子なら一人でじっくりと考えて選びたいはずだ。


『あり』


 そう思っていたのだが、美波はその提案に前のめりだった。

 いつまで経っても女心というものは分かりそうにない。


『帰りにゲーセンも寄ってこ』


 どうやらそういうことでもなかった。


 女心というのは意外と簡単なことなのかもしれない。絶対本人に言ったら怒られそうだけど。


『誕生日プレゼントに敗北を味わわせてやる』


『誕生日まだまだ先だけど……』


『後それと』


『次はなに?』


『樹って甘いもの好き?』


『甘いもの?』


 今回は本気で何のことか分からなかった。プレゼントでお菓子を選ぼうとしてるんだろうか?


 思いつつカレンダーを覗くと、二月の中に気になる一日が目に入る。


 ――バレンタイン。


 甘いもので思い当たるのはそれくらいしかなかった。


 確かに俺と美波の誕生日はバレンタインに近い。だけど、


『別にどっちかでいいよ』


『ダメ』

『こういうのはちゃんとしないと』

『その代わりホワイトデーは楽しみにしてる』


『おい』

『そっちが本心だろ』


『そんなわけないじゃん』


『はいはい』

『とりあえず次の休みでいい?』


『いいよ』


 そうして俺たちは次の休日にお互いの誕生日プレゼントを選び合うという予定を立てたのだった。


 ◇◇◇


 次の休日。


 俺たちは約束通り、二人で大きなデパートに来ていた。


 周りから聞こえる騒がしい声とそこに漂う肌寒い空気。

 デパート特有の不思議な温度だ。


「それじゃあ一時間後にまたここ集合で」


「分かった」


 一緒に来たとはいえ、さすがにお互いのプレゼントを共に選び合うことはしなかった。


 そこでプレゼントが分かっても面白くない。あくまで今回は一緒に来ただけなのだ。


 それよりも今は何をプレゼントするかだ。いつもならゲーム類を選ぶだろうけど、今回は捻ってみようと思う。


 理由は美波もそうしてきそうだからである。


 その結果、柄にもないコスメエリアに足を進める。


 場違いすぎる場所に足を踏み入れると、すぐに後悔することになった。


 いるのは無論女子高生やら、後はデートしているカップルやら……俺みたいに男一人で来ている人は目につく限り見当たらない。


 やっぱり俺も美波と来た方が良かったのかもしれない。


 初めて入ったコスメエリアに恐怖しながら早速何を買うかを考える。


 香水、リップ、ハイライト。何だかどれも違う。なんかこう。他にもっと美波に合う物がある気がする。


 悩み抜いた結果、俺は一瞬でコスメエリアを離れて別の物に目をつけていた。


 それはアクセサリーである。


 とはいえそんな簡単に見つかるわけもないか……。


 そう思った矢先、一つの光り輝くアクセサリーが目に入る。


 青色のネックレス――これしかない。


 美波がこのネックレスを身につける想像をしたら、これ以外選択肢はない気がした。


 それにもうそろそろ集合の時間だ。


 スマホで時間を確認しながらネックレスを購入して、さっさと集合場所へ向こうとした、が俺は思わず足を止めてしまった。

 ある姿が目に入ったからだ。


 見慣れた長い金髪に整いすぎている顔。誰がどう見ても杏菜さんだ。


 でも気がかりなのは他にあった。


 杏菜さんの真正面に立っている男性――今まで一切男っ気がなかった杏菜さんが同い年ぐらいの男の子とデートしている姿だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ