本当の実験
施設全体が。
揺れている。
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天井から。
細かな埃が落ちてくる。
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それでも。
悠は動かなかった。
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腕の中には。
眠った少年。
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目の前には。
母親。
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そして。
壁に浮かび上がった文字。
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『最終実験――開始』
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「……母さん。」
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「何?」
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「これ。」
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「何をするの。」
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女性は。
少しだけ目を伏せた。
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「選ぶのよ。」
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「何を?」
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「あなた自身を。」
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悠は。
眉を寄せる。
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「意味が分からない。」
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「分からなくていい。」
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「でも。」
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女性は。
悠の目を見た。
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「あなたは。」
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「ずっと。」
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「自分の一部を否定してきた。」
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胸の奥が。
ズキッと痛む。
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「怒る自分。」
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「憎む自分。」
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「怖がる自分。」
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「誰かを傷つける自分。」
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「あなたは。」
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「それらを全部。」
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「悪いものだと思っている。」
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「……。」
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「だから。」
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「笑った。」
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悠は。
何も言えなかった。
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「でも。」
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女性が続ける。
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「人間は。」
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「綺麗な感情だけでは。」
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「生きられない。」
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その言葉に。
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悠の胸の奥で。
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何かが動いた。
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あの少年。
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自分から切り離された感情。
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あれも。
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自分だった。
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憎しみも。
怒りも。
恐怖も。
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全部。
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自分だった。
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「……じゃあ。」
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悠は。
少年を見る。
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「僕は。」
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「こいつを。」
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「受け入れればいいの?」
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「違う。」
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女性は。
首を横に振った。
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「受け入れるだけじゃない。」
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「共に生きるの。」
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「……。」
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「怒ってもいい。」
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「怖がってもいい。」
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「誰かを嫌いになってもいい。」
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「それでも。」
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「誰かを大切にできる。」
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悠は。
少年を抱く腕に。
少し力を込めた。
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「……難しいな。」
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思わず。
笑った。
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けれど。
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今度の笑顔は。
無理に作ったものではなかった。
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澪が。
それを見て。
少しだけ笑う。
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「うん。」
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「それでいいと思う。」
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その瞬間。
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黒瀬が。
突然。
女性へ銃を向けた。
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「くだらない。」
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全員が。
振り返る。
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「黒瀬……?」
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「感情を受け入れる?」
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「そんなもので。」
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「実験が完成すると思うか。」
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黒瀬の指が。
引き金にかかる。
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「お前は。」
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「十二年前と同じだ。」
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「人間の感情など。」
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「力を不安定にするだけだ。」
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悠が。
一歩前へ出る。
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「……母さんから。」
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「離れて。」
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「悠。」
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女性が。
止めようとする。
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「大丈夫。」
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悠は。
銃口を見る。
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怖い。
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正直に。
怖かった。
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でも。
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逃げなかった。
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「僕。」
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「昔なら。」
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「ここで笑ってたと思う。」
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「……。」
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「大丈夫って。」
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「何度も言って。」
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「自分の怖さを。」
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「隠してた。」
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悠の周囲で。
空気が揺れる。
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「でも。」
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「今は。」
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「怖いって言える。」
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そして。
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「だから。」
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「お前が。」
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「怖くない。」
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黒瀬が。
引き金を引く。
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――パンッ!!
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銃声。
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澪が。
息を呑む。
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けれど。
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弾丸は。
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悠の目の前で。
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止まっていた。
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「……。」
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悠は。
驚いたように。
弾丸を見る。
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そして。
ゆっくり。
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手を伸ばす。
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触れていない。
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それなのに。
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弾丸が。
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静かに。
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床へ落ちた。
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カラン。
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その音を聞いて。
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黒瀬の顔が。
歪む。
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「……馬鹿な。」
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「僕も。」
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悠は。
自分の手を見る。
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「そう思う。」
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そして。
少年を抱え直す。
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「でも。」
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「もう。」
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「自分を怖がるのは。」
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「やめる。」
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その瞬間。
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施設全体の照明が。
一斉に消えた。
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完全な暗闇。
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そして。
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どこからともなく。
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『適合率――九十九パーセント。』
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無機質な声。
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『最終条件を確認。』
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悠の背筋に。
嫌な予感が走る。
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『被験者Y-17。』
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『最終選択を開始します。』
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暗闇の中。
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一本の赤い光が。
悠を照らした。
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『――誰を殺す?』
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悠の笑顔が。
消えた。




