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レクイエム・オブ・ザ・フォールン~名もなき旅人は、神話の亡骸を歩く~

最新エピソード掲載日:2026/06/21
――はるか昔。

まだ空も海も大地もなかったころ、世界には《原初の炉》だけが燃えていた。

炉の火から光と闇が分かれ、光から水と風が、闇から地と鉄が生まれた。

光は神を名乗り、地は巨人となった。
闇の淀みからは不死者が這い出し、水と風は形を持たぬ精霊となった。

神と巨人、不死者と精霊。

四つの古き種族は世界を分け合い、やがて互いに争った。
山は砕け、海は煮え、空から星が落ちたという。

長い争いの果てに、彼らの栄華は失われた。

――けれどね。
古き者たちは、みんな死んだわけじゃない。

彼らの墓と廃墟の上に現れたのが、人だった。

人は残された火を拾い、地の底から鉄を掘り出した。
火で鉄を鍛え、鉄によって、死にきれなかった古き者たちを討ち倒した。

こうして神話の時代は終わり、火と鉄の時代――人の時代が始まった。

そして今。
神無き地に神殿はなく、祈りだけが残る時代。

一人の名もなき旅人が、《祈り澱む廃地》を訪れる。

死ねず、葬られず、何度でも祭壇へ戻される不葬者。

旅人は、神話の亡骸が眠る地を歩き始める。
第1章 祈り澱む廃地
第1話 灰渡りの街道
2026/06/21 21:32
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