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【O.PCO】結論:デバフ装備が最強です。〜呪いのアイテムしか装備できないせいで、《死神》と呼ばれるようになりました。  作者: 水定ゆう
EX3 《死神》がバンドを組んでみた

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311/315

第311話 五人で力を合わせて

五人だと戦略の幅も広がるのだ!

「フェスタ、行ける?」

「問題無いよー」


 回復ポーションを一本飲み干し、瓶が粒子になって砕けた。

 失ったHPが回復すると、口元から垂れる、緑色の液体を拭った。

 ワーウルフのキメラを眼前に構えると、大剣をグッと構える。


「D、魔法で目晦ましできる?」

「できます!」

「ミュージュ、フェスタにバフを掛けて。私も出るよ」

「それは構わないわ。でも、どうする気よ? まさか真っ向勝負を仕掛けるの?」


 Dもミュージュも協力的だった。

 とは言え、真っ向勝負を仕掛けるのは、あまり得策ではない。

 何せキメラは強い。ワーウルフのキメラはパワーもスピードも高いのだ。


「そうだよ。でもねっ!」


 グリムは前に押し出た。ワーウルフのキメラは待ってくれない。

 鋭い爪を振りかざすと、グリムは抵抗した。

 大鎌を構えると、爪を受け止めた。ジリジリ音を立てるも、言葉を掛けた。


「ニャーぷる、聞こえているよね? 私達で押さえるから、”トドメ”任せてもいいかな?」


 グリムの言葉は、姿を消したニャーぷるに掛けられる。

 見えているグリム達が押さえている間に、見えていないニャーぷるに、後のことは任せる。

 ただ援護を任せるのではなく、アシストが決定打(フィニッシャー)になるのだ。


「いいよぉ~」


 本当に軽い返事だった。

 ゲーマーなニャーぷるなりに、簡単で端的、分かりやすい言葉で伝える。

 姿は見えないが意図は通じた。それなら後は行動にするだけだ。


「D、ミュージュ、お願いできる?」

「分かりました。【光属性魔法(中):フラッシュライト】!」

「仕方がないわね。しくじられないでよね、フェスタ!」

「分ってるってー。そいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 Dの魔法が世界を包む。眩い光により、視界が奪われる。

 グリムは力を抜き、ソッとその場を離れると、魔法の硬貨範囲外に逃げた。


 代わりに顔を上げたワーウルフのキメラは、魔法の影響を受けた。

 視界が白一色になり、完全に潰されてしまう。

 錯乱状態に陥ったのか、その場で乱心し暴れ散らす。


「(バシュン)決まった!」


 それに合わせて飛び出したフェスタ。

 グリムと違い、ハッキリとした強化を貰っている。

 ミュージュのバフ掛けを受け、フェスタの攻撃力は増していた。

 そのおかげもあり、鋭い爪を簡単に弾き飛ばしてしまう。……だがしかし、まだ止まらない。


「ヴァファッ! ヴァヴァフハァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」


 片腕の爪が無くなってしまった。腕をブンブン振って、地面を削り取る。

 荒々しい態度。それだけ効いている証拠だ。

 グリム達の作戦は間違っていないようで、後は最後……トドメを刺すだけだ。


「「「ニャーぷる!」」さん!」


 全員で名前を叫んだ。森の中を声が駆ける。

 サッと歯を揺らして、ワーウルフのキメラの視線が飛ぶ。

 狙いを定められ、警戒のために武器を構えてみせたが、ワーウルフのキメラは背後からの凶矢に撃たれる。


 バシュン!


 一本の矢が命中した。先端には毒が塗ってある。

 しかもただの毒ではなく、強力な睡眠効果の矢だ。

 当たれば最悪死に至る。そんな矢に貫かれると、流石に睡眠耐性があったとしても、パタリと倒れてしまった。これこそが、呪いの装備との合わせ技だ。


「ヴァ……フッ……zzz」


 ワーウルフのキメラはうつ伏せで倒れた。

 眠ってしまったようで、寝息を立てて……居ない。

 人間で言う所の(うなじ)に刺さったようで、直接脳や心臓に睡眠剤が流れ込んだ。


 あまりのも効果覿面だった。

 そのせいか、ピクリとも動けなくなってしまった。

 ワーウルフのキメラはHPが〇になる前、しばらく時間を置くとゲーム側が勝手に判断し、粒子に変わると目の前で消えてしまった。


「た、倒せたんでしょうか?」

「そうみたいだね」

「なんだか、アッサリね」

「そうだねー。結構、早かった?」


 最後はとてつもなくアッサリとしていた。

 終わってみれば呆気ないとはまさにこのこと。

 グリム達は過程で凄まじい攻防になったが、毒の前では無力だと悟った。


「早かったというよりも、恐ろしいです」

「そうだね。毒か……これは使えそうだね」


 毒を如何捉えるかによって、見え方は大きく異なる。

 Dのように恐ろしいものとして捉えるか、グリムのように薬として捉えるか。

 個人の価値観によるものだが、ここに居る四人の感想でもバラバラだった。


「終わりぃ~?」


 そこに当の本人が姿を現した。

 フードを脱ぐと、腕に取り付けていたボウガンを下ろす。

 ワーウルフのキメラを倒したことを確認すると、にんまりとした笑顔を浮かべた。


「やったぁ、倒せたぁ」


 強敵を無事に倒せた時の感動。

 PCOにおいて、まともにパーティー戦を経験したことがない。

 その達成感は、オンラインゲームで野良プレイヤーと共闘して面をクリアした時に匹敵する。


「やっぱりパーティー戦は面白いねぇ。役割があるのって、自分の存在価値を高めるよぉ」


 とは言えニャーぷるの楽しみ方は少しだけ異なっていた。

 役割を全うし、無事に敵を倒した。その効率的な立ち回りに手応えを感じている。

 ここまでスムーズだったのも、上手く連携が取れた証拠だ。


「ニャーぷる、お疲れ様」

「みんなもねぇ。ふはぁ~、ああ、限界かもぉ?」


 確かな強敵を討ち破った。

 結果は如何あれ倒したことは事実だ。

 五人の力を合わせて勝ち取った証を、なにはともあれ正しく受け取った。

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