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【O.PCO】結論:デバフ装備が最強です。〜呪いのアイテムしか装備できないせいで、《死神》と呼ばれるようになりました。  作者: 水定ゆう
EX3 《死神》がバンドを組んでみた

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第306話 決まってから相談しても

グリムにしては珍しい。

と言うより、それは相談とは呼ばない。が、分かっているから反省してる。

「ってことになったんだけど、大丈夫かな?」


 行きつけに喫茶店にやって来たグリム。

 事後報告になってしまったが、Dに伝える。

 正直、相談しなかったのは歳上として最低だ。

 とは思いつつ、あのタイミングしかなかったのもまた事実。


「ニャーぷるさんが手伝ってくれるんですね。いいと思います!」

「……それだけ?」

「はい!」


 あまりにも従順だった。

 グリムは心底信頼されている自分に理解が追い付かない。


 けれどもっと複雑な気分になるのは、Dの心境だ。

 瞳をキラリと輝かせ、星を散りばめている。

 あまりにも心酔しきっていて、怖いとしか言いようがない。


「……D、怒ってくれていいんだよ?」

「怒る、ですか?」

「そうだよ。一言も相談しなかったからね、怒られても仕方がないよ」


 寧ろ叱って欲しかった。グリムはそう思ってしまう。

 けれどDはピンと来ていない。

 首を捻ってしまうと、コロンとオレンジジュースの氷が溶けた。


「どうして怒る必要があるんですか?」

「あるよ。相談しなかったからね」

「ですがそれは、グリムさんが相談する必要が無いと判断しただけですよね?」

「えっと……そう思うんだね」


 何故かグリムはDから全幅の信頼を置かれていた。

 全く分からないし、身に覚えがなかった。

 困ってしまうと、Dは視線をギラリと飛ばした。


「はい。グリムさんの考えていることは、私には分かりませんけど、きっと先のことを見据えているんですよね!」

「いいや、そんなことはないよ」

「謙遜しないでください。ああ、カッコいい……」


 Dはウットリした顔で蕩ける。

 心酔を通り越して、妄想の域にまで到達していた。

 既に手遅れ。そんなことは分かり切っていた。


 グリムは火照るDの表情に呆れる。いや、寧ろ引いていた。

 困ってしまったと言ってもいいが、Dから向けられる羨望の眼差しが痛いを通り越して怖い。


「えっと、それじゃあDは賛成ってことでいいのかな?」

「もちろんです! ニャーぷるは少し変わった人かもしれないですけど、凄く頼りになります」

「そっか。それじゃあよかったよ」


 とりあえず空気を一旦リセットする。

 この乱れた流れを切り替えることに成功すると、Dに改めて意見を求めた。

 如何やら賛成してくれた。ニャーぷるの存在はとにかく変わっていて面白い。

 そう認識したからこそ、誰も反対しなかった。


「と、ここまではいいとしようか」

「ここまで、ですか?」


 あくまでもここまでは前段だ。

 大事なのはここから。

 Dと対面しているからこそ、普段とは違う意見を求める。


「Dは今回のイベントどう思う? 勝てそう?」

「それは、その……分かりません」


 根が臆病で小心者なDらしい意見だった。

 フェスタとはまた一味違うからこそ、新鮮味を感じる。


「あ、あの、ごめんなさい、グリムさん!」

「いや、構わないよ。分からない、そうだよね。まだ参加してもいないんだ。なにが起こるのかなんて、分かる筈が無い。それが正しいよ」


 最初から勝ちを確信しているポジティブな思想も大事だ。

 けれど多くの場合はDと同じ。結果は分からないし、分かる筈もない。

 だからこそ不安になり、迷いが生じ、表情に陰が生まれる。


「えっと、その……私は、怖いです。霧の狭間でも、お役に立てませんでした」

「そんなことないよ。Dは充分頑張ってくれた。私はそれだけで嬉しいよ」

「ですが、私はアシストを」


 Dが感情を表に出した。鈍らな牙を剥き出しそうになるので静止。

 余計なことは考えない。今はその不安の形を変えることだけ。

 グリムは頭を撫で回すと、その意を込めた。


「グリム、しゃ~ん」

「不安になるのは決して悪いことじゃないよ。それだけ道へ挑戦しようとしている証なんだ。根拠のない確信も自分を奮い立たせる上で、重要な要素にはなるけれど、それでも一切の不安を排除しようとすれば、精神のバランスが崩壊してしまう可能性がある。だからね、D。Dの不安な気持ちは決して悪いことではないんだ。不安という感情があるからこそ、立ち回り方を考えることができる。より広い視野で客観視ができるのは、凄いことなんだよ」


 グリムはDの不安の種を肯定した。

 不安になるから臆病になる。臆病は決して悪いことではない。そう意識を変える。

 立ち回り方や身の振り方を考え、広い視野で客観視する。Dにはその素質があると、グリムは分かっていた。何も嘘は付いていない。


「その上で、改めて訊ねるよ。Dはどう思う?」

「私はぁ~……勝ちたいです!」

「おっ……」


 Dの口から珍しい言葉が出た。

 飛び出た言葉の破壊力に、グリムは驚かされる。

 まさかこうもハッキリと“勝利”を目指すとは思わなかった。


「上手くできるかは分からないです。ですけど、私は、挑戦するからには、勝ちたい。皆さんとならできる気がするんです」

「……」

「あ、あの、ダメですか? その、ごめんなさい」


 Dの本音が聞こえた気がする。

 つい肩を落としてしまうけれど、何も恥ずかしくはない。

 挑戦するからには勝ちたい。それだけの目論見が想像出来る。

 Dの目線からでも判断出来たようで、含み笑いを浮かべた。


「謝る必要は無いよ。そっか、勝ちたいか……いいね」

「グリムさん?」

「それじゃあ全員で一丸となって頑張ってみようか。その方が面白そうだからね」

「えっと、その、はい。頑張ります!」


 グリムはブラックコーヒーを飲みながら笑みを浮かべていた。

 一丸となって取り組みば、勝てない相手でもない。

 結局はPvPだ。数をこなせば必ず勝てる。グリムも想像力を働かせ、勝ちの未来を想像すると、楽しみつつも勝つことを目標に頑張ると決めた。

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