第303話 ニャーぷると友達になった件
あまり“件”を使いたくない。
そんな個人的な思想。
「ふぅ」
童輪はベッドに上に横なった。
VRドライブを外してリラックスする。
ふと天井を見ると、灯りがチカチカする。
目を細めてみると、全身がドッと疲れていた。
「流石に、高難易度ダンジョンは、精神的にも肉体的にも影響が大きいね」
VRドライブは疲労や負担が大きい。
特に高難易度のダンジョンは、心身共に疲れてしまう。
それだけのめり込んでしまう作りだからだが、充分以上の満足度を得られた。
「とは言え、なんとかなったね。それに、ニャーぷるともフレンドになれたからいいかな」
童輪達はあの後街まで戻った。
フォンスまで戻ると、そこでニャーぷるとは別れることになる。
童輪達はギルドホームに帰るが、ニャーぷるは依頼達成の報告のため、ギルド会館へ向かった。
本当は付いて行ってもよかった。童輪は明日、午前の講義は無い。
けれどDは明日も早い。高校生は何かと窮屈なので、この後の用事もあるためか、そこでお開きになった。
しかしログアウトする瞬間に、童輪はニャーぷるとフレンド登録をした。
これでいつでも連絡を取り合うことが出来る。
もちろん、大学で同じ講義を受けているので、その時間にでも交流は可能だったが、ゲームの中と現実では訳が違う。
「とりあえず、フレンドにはなったけど……ん?」
急にスマホにメッセージが送られた。
相手は誰から? そう思って開くと、祭理と詩波からだ。
童輪:どうしたの?
祭理:いやぁ、面白かったね
祭理:しかもあの眠り姫とフレンドになるなんてー
祭理:抜け目ないねー、童輪って
詩波:そうね
詩波:まさかあの噂の先輩だったなんて
詩波:結局、現実もゲームも変わらなかったけど
童輪:確かにそうだね
童輪;でもそれでいいんだよ
童輪:下手に飾らない、キャラを作らない
童輪:それも遊び方の一つだと私は思うよ
童輪:なにより眠言らしいって私は思ったよ
他愛もないメッセージでのやり取りだ。
話題は霧の狭間とニャーぷること本名紫川眠言について。
特に眠言のことを中心に話の輪は広がると、少し童輪は相談する。
自分だけでは決められないことなので、物は試しだった。
童輪:二人共、相談したいことがあるんだけど、いいかな?
祭理:なーにー?
詩波:構わないわよ
童輪:物は相談なんだけど
童輪:ニャーぷるを誘ってみないかな?
童輪の提案は簡潔なものだった。
ニャーぷるを誘って、イベントに参加してみる。
ここまでの流れからある程度汲み取って貰うと、即座に返信が来る。
祭理:いいんじゃないかなー
祭理:その方が面白そうだよー
詩波:別に構わないけど
詩波:受けてくれるかしら?
二人共悪い印象を持っていなかった。
けれど問題は眠言の性格だ。
正直、その場限りの付き合いになってしまいそうで不安がある。
童輪:確かにその可能性は高いね
童輪:でも、ニャーぷるが居てくれれば五人になるよ
祭理:五人かー
詩波:五人ねー
ニャーぷるが居てくれれば、五人になる。
イベントに参加出来るようになるのだ。
ここまで望み薄だったが、参加出来れば思い出になる。
童輪:どうかな?
童輪:誘ってみる価値はあると思うよ?
祭理:いいねいいねー
祭理:誘ってみようよ
祭理:童輪がね
詩波:それなら賛成ね
詩波:童輪くらいしか接点ないでしょ?
確かに、童輪には明確な接点がある。
それでも講義が同じくらいだ。
特にネットに詳しい訳でもない。
ゲームを心から愛し、連日連夜没頭している訳でもない。
活動時間も多少なりとも異なっているので、接点はあるが関係値は低い。
童輪:とりあえず、話はしてみるよ
童輪:誘いに乗ってくれるかは分からないけど
童輪:断られたら諦める
童輪:干渉を嫌うかもしれないからね
眠言はあの性格だ。おおらかと言えばおおらか。関心が無いと言えばそれまでだ。
変に介入を嫌うだろうと、童輪の目が見抜いている。
だからこそ、誘うのは一回だけにする。それ以上は不干渉を決め、その場その場での当たり障りのない関係を築くのがベストだろう。
祭理:任せるねー
詩波:任せるわ
詩波:それとDにも相談しなさいよ
童輪:分かっているよ
童輪:Dの意見も汲まないとね
詩波:Dの正確なら、貴女にぞっこんでしょうけどね
童輪:?
詩波:なんで分からないのよ!
怒られてしまったが、童輪はまるで分からない。
キョトンとした顔でスマホを眺めている。
頭の上にハテナを浮かべると、首を捻る始末だ。
童輪:とにかく試してみるよ
祭理:OK
詩波:任せたわよ
完全に任されてしまった。
責任重大……と言う程でもない。
上手く誘いに乗ってくれるか分からないが、とりあえず試すを選んだ。
「さてと、上手く乗ってくれるかな?」
とりあえず誘ってはみることにした。
勧誘に乗ってくれるかは本人次第。
その点を踏まえると、望みは薄かった。
「それにしても、紫川先輩がニャーぷるだったなんてね」
童輪自身、俄かには信じ難かった。
もちろん、ニャーぷるが眠言である事実は言質を取った。
その辺りはまるで疑っていないものの、もっと根本的な部分が臭う。
「本当に世界って狭い。もしかして、図ってる?」
今までもそうだったが、まるで関係のありそうな人間を抽出して、出会わせるようになっている。
童輪はそう思ってしまうが、例えばVRドライブの昨日、GPS連携を使えば出来ないことではない。
あまりにも続いているせいか、つい疑ってしまうものの、それさえ童輪は受け入れる。
「それならそうで好都合だよ。よし、明日聞いてみよう」
童輪は明日、午後から講義があるので大学に行く。
そこで眠言に話しを切り出してみることにした。
上手く乗ってくれるかは分からない。それでも試す価値はあるので、今日はもう眠ることにした。
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