合流
「2体目のSSSランクの魔物が出るとか、一体どうなってるんだ?
これはいよいよ、この世の終わりかね」
コハクへ向かい、民家の脇から魔物が飛び出す。
それを、コハクは"竜の尾槍"で貫き、魔物を身体に巻き付け、
そしてそれを鈍器の様に、別の魔物へと叩き付けた。
黒い体液が、周囲に弾け飛ぶ。
しかし、コハクが戦う後ろでは、更に魔物の群れが沸いて出ていた。
「この状況、この世の終わりってのも、あながち冗談に聞こえないのが怖いな」
センリが剣を構え、地を蹴る。
次の瞬間には、三匹いた魔物が、全て一瞬で真っ二つに両断される。
建物の屋根から、センリへ向け二匹の魔物が飛びかかるが、同時に輪切りにされて地面に落ちる。
「おっ・・・?」
その時、黒い巨体が民家を突き破って、センリの前へ現れた。
反乱者のカミノが飼っていた、Sランクの魔物と同種。
ビーストと呼ばれる大型の魔物だ。
身体は非常に強靭で、並の兵士では班を組んで挑んでも対抗出来ない、危険な魔物である。
そんな魔物へ、センリはまず大きく跳躍し、民家の屋根へと上がった。
そして、一切の迷いなく、屋根からビーストへと飛び掛かる。
その勢いのまま、センリは虹色の魔力を纏う刃を、ビーストの頭部へ突き刺して、その背に立ち乗った。
そして素早く剣を引き抜き、剣を振るい、ビーストの首を斬り裂く。
あっさりと首を刎ねられたビーストの巨体が、地面に倒れ、ドスンと軽く周囲を揺らした。
「相変わらず強過ぎだな、オイ・・・」
あっという間に魔物が狩られていく光景に、コハクが呟く。
コハクは、半年前にユークリウッドの魔力を吸収した事で、かなりの力を得た。
それにこの半年の間も、大量の魔物を狩る事で"魔創"の力はより成長していると、コハクは実感していた。
しかし、それでもセンリの強さには到底及ばないと、コハクは察した。
そうして、コハクとセンリ、アルスフォードの三人は魔物を倒しながら、市街地を進んで行くと。
『おい、2人とも。あっちで兵士達の班が戦っているのが見えたぞ』
竜に乗って飛行するアルスフォードから、コハクとセンリのデバイスに連絡が入る。
「向こう側からか、だったら多分、フローラが一緒にいる班だ」
アルスフォードが、フローラのいる班を発見したらしい。
方角は、今回の事件が起きた場所でもある、かつての反乱者の基地がある方角であった。
「アル、その班はどんな状況だ?」
『どうやら、魔物の大群から逃げているぞ。
しかし凄い数の魔物だ。しょうがないな、我が蹴散らしてやろう』
「おいまて、アル―――」
その方角からは、更に魔物の大群が押し寄せていた。
兵士達は何とか逃げ切っているが、彼らだけでは、最早対抗出来ないだろう。
その魔物の群れへ向かい、アルスフォードが竜を操り、飛翔する。
そして、魔物の波へ、白いブレスを放った。
周囲の空気までも裂く勢いで放たれたブレス。
直撃した魔物は跡形も残らずに消し飛び、その衝撃波だけで、小型の魔物は弾け飛ぶ。
そして、アルスフォードの乗る竜は、ブレスから逃れた小型の魔物を踏み潰しながら着地する。
「あ、アルスフォードさん・・・!」
やはりその班には、フローラの姿があった。
「皆っ! ここは我に任せよ!!!」
アルスフォードはカードを一枚取り出すと、竜の上から飛び降りる。
そして、そのカードは大きな大剣を形作った。
狼型の魔物が、アルスフォードに向かい飛び掛るが、アルスフォードの振るう大剣が、魔物を両断する。
強力な助けが現れて、兵士達は歓声をあげたが、しかし休まる暇は無かった。
「魔物どもめ、まだ来るか・・・!」
アルスフォードの操る竜が、群れを成して迫ってくる魔物へ向け、もう一度ブレスを放つ。
そのブレスのひと吐きで、魔物の波が二つに裂かれた。
「さぁ、来い! 魔物よ!
我が一匹残らず、消し炭にしてくれる!!!」




