竜 VS 悪魔 01
「早く奴を倒さないと、被害が更に広がるぞ!」
危険度SSSランクの魔物であるデーモン。
それを追っているのは、Sランクの兵士で構成された班である。
デーモンは、右側の背から生えている5対の翼を前方へ向けると、その先端から黒い光線を放出した。
放出された黒い光線は、逃げ惑う人々の身体を次々と蒸発させていく。
「俺達で危険度SSSランクの魔物なんて相手できるのかよ・・・!」
Sランクの兵士と言えど、彼らもまた、デーモンと対峙するのは初見である。
「出来るかどうかではない。やるしかないんだ。ありったけの魔法を、奴にブチ込め!!!」
兵士の男性が班員の兵士達に合図を出す。
その合図で、兵士達がデーモンへ向け杖を翳し、そして大量の魔法弾が放たれた。
機関銃の様に乱射された魔法の弾丸が、デーモンの身体に被弾し、強力な爆発を引き起こす。
B、Aランクの魔術師たちが使用している魔法弾の爆発とは火力が違う。
一つの魔法弾が炸裂しただけで、円形に広がった衝撃波が付近の建物を貫通して砕き、地面を抉る。
その強力な爆発が、数秒の間に何十回と起こる。
瞬く間に、デーモンの身体は虹色の爆炎で覆い尽くされた。
やがて魔法弾の爆発が止み、辺りは煙と砂埃が舞う。
「倒したと思うか?」
「俺の計算では・・・デーモンはまだ生きているはずですよ」
「おい、マジかよ」
「けれど、片腕は吹き飛んでいる事でしょうね。後何度か、総攻撃を行えば―――」
砂埃の中から、段々とデーモンの影が見えてくる。
「ちょっと待て、まさか・・・」
現れたSSSランクの魔物の姿を見て、兵士達は絶句した。
「無傷・・・!?」
砂埃の収まった跡には、傷一つ付いていないデーモンが立っていた。
デーモンの身体の周りには、半透明な結界が展開されている。
「まさか、あの攻撃を結界だけで防いだのか!?」
デーモンは結界を解除すると、のっぺりとした頭部を兵士達の方へと向けた。
「・・・まずいな、奴を怒らせただけだったか?」
そしてデーモンは、凄まじい速さで疾走し、兵士達へ襲いかかる。
「来るぞ!!!」
兵士達が武器を構えた瞬間には、既にデーモンは目の前に迫っていた。
そしてデーモンは腕を伸ばし、兵士達に掴みかかる。
だがそこはSランクの兵士だ。
想定外の相手だと判明しても、取り乱す事はない。
兵士達は隊列から散り、デーモンの腕を避ける。
だが、デーモンはそこでまた、想定外の変化を見せた。
デーモンの腕が変形し、1本だった腕が、4本に分離した。
「なッッッ!?」
突如4本に分かれた腕に、一人の兵士が捕らえられ、その握力で握りつぶされる。
「腕が、増えっ!?」
息をする間もなく、4つに分離した腕が兵士達に襲い掛かる。
予想外の攻撃に、反応しきれなかった兵士達は次々と、虫の様に叩き潰され、殴られて、バラバラになっていく。
「な、そんな、一瞬で・・・!?」
経ったの一瞬で、その班は一人の兵士だけとなった。
デーモンは無機質な顔で、残った一人の兵士を睨み、じっくりと狙いを付ける。
そして、4本に別れた右腕を振り上げる。
その時。
高速で飛来した巨大な物体が、デーモンの身体に衝突した。
飛来した巨大な物体は、デーモンを突き飛ばし、そのまま近くの建物へ叩きつける。
建物は崩れ、瓦礫がデーモンの身体を押し潰す。
「いまのは、竜・・・!?」
兵士が呟く。
「追いついたぞ悪魔よ。貴様の相手は、我がしよう」
飛来した巨大な物体とは、アルスフォードの操る竜であった。




