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選抜区域  作者: 谷花皐
第四章 チェックメイト

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第三十二話 LIVE CHESS

巨大な盤面が光る。


白と黒、規則的に並ぶ巨大なマス。


その中心に蒼天と東雲の生徒たちが立っていた。


モニターが点灯し御影の声が静かに響く。

『それでは第四層のゲーム説明を行います。』


盤面の上空にホログラムが浮かび上がる。


そこに現れたのはチェスの駒。

キング

クイーン

ルーク

ビショップ

ナイト

ポーン


御影が続ける。

『本ゲームは《LIVE CHESS》』


『基本ルールはチェスと同じです。』


久我が呟く。

「やっぱりチェスかよ。」

凛が腕を組む。

「チェスだとしたら完全に頭脳戦ね。」


『各チームは旗手をキングとして配置します。』


モニターに表示される。

【蒼天高校】

【旗手 相沢玲央】


【東雲高校】

【旗手 神崎慧斗】


『キングが取られた時点でこのゲームは敗北となります。』


御影が続ける。

『各参加者にはそれぞれ駒の役割が割り当てられます。』


盤面のマスが光る。


蒼天側の七つのマス。


東雲側の七つのマス。


『旗手は駒へ指示を出すことができます。』


『駒は指定されたマスへ移動してください。』


凛が小さく言う。

「つまり……」

「私たちがチェスの駒になるのね。」


御影が続ける。

『移動ルールは通常のチェスと同じです。』


モニターに表示される。


ポーン

→前に一マス


ナイト

→L字移動


ビショップ

→斜め移動


ルーク

→直線移動


クイーン

→全方向


『そして同じマスに駒が入った場合。』

『その駒は排除されます。』


久我が問う。

「倒せばいいってことか?」


御影がそれを訂正する。

『正確には違います。』


モニターが更新される。

【CAPTURE】


『取られた駒は盤面から退場。ゲーム終了まで盤の端へ移動します。』


澪が喋る。

「ということは……」


凛がルールを捕捉する。

「チェスと同じ。取られた駒になるのね。」


『素晴らしい。その通りです。』


空気が少し重くなるが御影は続ける。

『ただしLIVE CHESSには一つだけ違いがあります。』


蒼天側が少し身構える。

『駒に意思があるということです。』


モニターに表示される。

【命令拒否 可能】


澪が言う。

「え?」


御影が喋る。

『駒は旗手の命令を拒否することも可能です。』

『ただしそれは自己責任となります。』


凛が呟く。

「これはチェスじゃなく」


俺はルールを理解しこのゲームの本質が分かった。

「人を動かすゲームってとこだな。」


その言葉に御影が微笑む。

『理解が早いですね。さすがです。』

『それとゲーム開始前に補足説明を行います。』


モニターに文字が表示される。

【初期配置】


蒼天の生徒たちがモニターを見る。


御影が続ける。

『LIVE CHESSでは通常のチェスと違い、初期配置は固定されていません。』


澪が言う。

「え?」


『旗手はゲーム開始前に駒の配置を自由に決めることができます。』


久我が呟く。

「マジかよ。」


凛が小さく言う。

「なるほど。」


「最初の配置からすでに勝負は始まってるってことね。」


御影が続ける。

『なお配置決定中は相手チームの配置を見ることはできません。』


『配置確定後、盤面は同時に公開されます。』


モニターが更新される。

【配置決定時間 2分】


盤面が静かに光る。


蒼天側てば久我が作戦を聞いてきた。

「玲央、どうする?」


俺は盤面を見た。七つのマス。中央。側面。動線。


凛も案を出す。

「人数差でいくなら包囲型が安定ね。」


九条も頷く。

「確かにね。相手がどう来ても対応できる。」


少し考えたがこのゲームで有利な作戦それは

「中央には一枚だけ駒を置く。」


凛が言う。

「この配置は、バランス型ね。」


「ああ、これが一番崩されにくい。」


湊は盤面を見ながら小さく言う。

「まあ無難だな。」


蒼天の配置が決まる。

キング(旗手)

相沢玲央

クイーン

九条玲那

ルーク

久我

ビショップ

ナイト

ポーン①

ポーン②

真白


その頃東雲側。

篠崎が聞く。

「神崎、どうしますか?」


神崎は盤面を見ていた。

そして少しだけ笑う。

「簡単ですよ。」


相馬が問う。

「何が簡単なんだ?」


神崎は言う。

「この盤面に七人は多すぎる。」


篠崎は理解できていないようだった。

「……え?」


神崎は静かに言う。

「このゲームは五人で十分です。」


東雲の配置が決まる。

キング

神崎

クイーン

篠崎

ナイト

相馬

他2人

ビショップ、ルーク


その瞬間モニターが光る。

【配置確定】


御影の声。

『配置を公開します。』


盤面が発光する。


今まで見えなかった相手の配置が現れる。


蒼天側、久我が言う。

「……は?」


澪が不思議そうな顔をする。

「ちょっと待って。」


真白も同じような顔をしていた。

「人数が……」


凛が言う。

「五人。」


蒼天は七人。東雲は五人。


久我が言う。

「少な。」


九条が言う。

「普通は人数差を活かしながら戦うのが定石。」


東雲の配置は中央寄り。そして一枚だけ前に出ている駒。


つまりあいつらの配置は

「……中央型。」


湊が盤面を見て言う。

「これは、中央を取らせる形だな。」


九条は聞く。

「誘ってるってこと?」


「可能性は高いだろうな。」


久我が笑う。

「だったら中央早く取ろうぜ。」


「いや、まだだ。まずは様子を見よう。」


モニターが更新される。

【蒼天高校 先手】


「ポーン。」

澪を見て指示を出す。

「一マス前。」


澪が笑う。

「了解!」


澪が前へ進む。巨大なチェス盤の上で一歩、それが蒼天の最初の一手だった。


モニターが光る。

【MOVE】


東雲側篠崎が言う。

「相手は様子見ですね。」


相馬が笑う。

「あいつら慎重だな。」


神崎は盤面を見て言う。

「ビショップ。」


東雲の駒が動く。


斜め。


そして蒼天の進路を塞ぐ位置。


凛が言う。

「……仕掛けてくるのが早い。」


久我

「ただの前進じゃねぇのか?」


凛が呆れる。

「バカなの?どう考えても違う。」

盤面を見て凛が答える。

「彼は私たちの進路を塞いで罠を作ってるのよ。」


神崎が静かに言う。

「チェスは単に駒を取るゲームではありません。」


篠崎が微笑む。

「では?」


神崎が答える。

「盤面を支配するゲームです。」


巨大なチェス盤で静かに駒が動き始める。


LIVE CHESS。本当の戦いはここからだった。

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