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選抜区域  作者: 谷花皐
第四章 チェックメイト

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第三十一話 新たな旗手

巨大な盤面の前で蒼天の生徒たちは立ち止まっていた。


白と黒のマスが広がる空間。

一つ一つのマスが人の体ほどの大きさをしている。


モニターが光ると御影の声がした。

『第四層、LIVE CHESS。』


『まず各チームは旗手を一名選出してください。』


『旗手はキングとなり、駒を指揮します。』


久我が呟く。

「旗手って……」


朝比奈が肩を回す。

「つまりリーダーだな。」


凛が静かに言う。

「誰が指揮を取るかってことね。」


少しだけ沈黙が流れる。


そして久我が言った。

「……やっぱ玲央だろ。」


迷いのない声だった。


澪も頷く。

「うん。玲央しかいないと思う。」


九条も言う。

「私もそう思う。」


凛も腕を組む。

「合理的に考えても彼が一番適任ね。」


真白が小さく言う。

「……私も」


その言葉に全員の視線が一人へ向く。


玲央は少しだけ目を細めた。

「俺?」


久我が笑う。

「他に誰がいるんだよ。」


朝比奈も言う。

「みんな文句なしだろ。」


だがその時九条が一歩前に出た。


静かな声だった。

「……玲央。」


全員が九条を見る。


九条は盤面を見ていた。


白と黒のマスその中央を。


そして小さく言う。

「本当なら」

少しだけ間を置く。

「旗手は颯真のはずだった。」


空気が静かになり久我の表情が少し変わる。


澪も黙る。


九条が続ける。

「颯真はいつも前線に立ってた。」


「誰よりも先に進んで。誰よりもみんなを信じてた。」


九条が拳を握る。

「でも颯真はもういない。」


その言葉が空間に落ちる。


真白が俯く。静かに目を閉じる。


九条が玲央を見る。

「だから、玲央」


少しだけ笑う。

「あなたは颯真の代わりじゃない。」

「でも」

はっきりと言う。


「颯真の意思を継ぐべきなのは玲央だと思う。」


玲央は何も言わない。ただ九条を見ている。


久我が笑う。

「……それもそうだな。」


朝比奈も頷く。

「颯真も多分そう言う。」


凛が言う。

「玲央。今からあなたが旗手よ。」


真白も小さく言う。

「玲央くん。お願い。」


湊は少し離れた場所で腕を組んでいた。

「……まあ」

軽く言う。

「いいんじゃね。」


玲央は少しだけ息を吐いた。


そして盤面を見る。巨大なチェス盤。


敵は東雲高校。そして神崎。


玲央が前へ出る。


御影のモニターを見る。


「蒼天高校」

静かに言う。

「旗手は俺だ。」


モニターが光る。


【蒼天高校】


【旗手 相沢玲央】


その時盤面の反対側で一人の男子が笑った。


神崎慧斗

「なるほど」

静かな声で語る。

「あなたが蒼天の旗手ですか、楽しみですね。」


御影の声が響く。

『旗手が決定しました。』


『それでは第四層』


『LIVE CHESS』


『ゲーム開始まで残り五分です。』


巨大な盤面が光る。

第四層の戦いが今、始まろうとしていた

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