↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
選抜区域  作者: 谷花皐
第二章 託されたもの

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/40

第十七話 それぞれの判断

光が見える。迷路の出口。

【13:58】


俺と澪が最後の曲がり角を抜ける。その背後では低い振動音が鳴り始めていた。

「急げ。」


澪の手を掴む。

入り口を飛び出した瞬間重い音が迷路全体に響いた。


ゴゴン、と。ゆっくりと迷路が閉じていく。

【13:59】


俺は端末へ走り、澪が鍵を差し出す。

そして銀色の鍵が差し込まれる。

【蒼天:1】


ほぼ同時に反対側で歓声。

【白嶺:1】


結果は同点だった。

【14:00】


迷路が完全に閉鎖する。内部が遮断される。今回は誰も取り残されていない。


だが

「……これが閉じる、か。」

澪が呟く。さっきまで開いていた入口が、無機質な壁になっている。


本当に、逃げ遅れたら終わりだ。


第二班――久我悠真と立花迅が前に出る。

久我が眉をひそめ質問する。

「中、どうだった?」


立花が続く。

「何かあったか?」


みんなの視線が集まる。


「罠はない。でも距離感覚が狂う。」


澪が補足する。

「似た通路が続くの。焦ると戻れなくなるってこと?」


湊が静かに言う。

「出口は一つ。つまり、最後は詰まる。」


凛が端末を見ながら続ける。

「閉鎖五分前から振動が始まる。警告はあるけど、猶予は短いってことね。」


久我が鼻で笑う。

「要するに、迷うなってことか。」


俺は立花を見る。

「時間を常に意識しろ。鍵に執着するな。」


立花が真顔になる。

「戻れなくなるからか?」


「ああ、閉じたら終わりだ。なにもかもな。」


その言葉に、一瞬だけ空気が重くなる。


九条は迷路の入口を見つめている。閉じた壁。

黒崎の言葉が頭をよぎる。


閉じる。高さじゃない。距離。


「戻れる距離。」

颯真が低く言う。


「第二班、行くぞ。」

久我と立花が並ぶ。


久我が振り返る。

「大丈夫だ安心しろ。俺たちは迷わねぇよ。」


「慢心するなよ。」


二人が迷路へ踏み込む。

【14:07】


久我と立花が迷路へ入る。


足音が反響する。


久我が言う。

「手前の鍵は最初のグループに取られている可能性が高い。まだ漁られてない第一班より奥まで行くぞ。」


立花が頷く。

「大丈夫だ。時間はある。」


迷路は変わらない。似た通路。似た角。似た白色の壁。


だが奥へ行くほど、道が細くなる。


【14:21】

立花が足を止める。

「……分かれ道多すぎ。」


久我が腕時計を見る。

「二十分。」

まだ余裕はある。だが、鍵は見つからない。


その頃白嶺側。

白嶺のペアが先に鍵を発見。それにより外の端末表示が変わる。


【白嶺:2】


蒼天側に緊張が走る。


【14:38】


立花が愚痴をこぼす。

「この道も外れか。」


久我が言う。

「もう少し。」


その瞬間。遠くで振動音。

ゴン……。


立花が顔を上げる。

「早くないか?」


久我が端末を見る。

【14:40】


閉鎖まで二十分。そこで玲央の言葉がよぎる。鍵に執着するな。


立花が歯を食いしばる。

「どうする?」

久我に問う。


その問いに久我は迷う。奥へ行けば、鍵があるかもしれない。だが戻れなければ自分たちが終わる。


その時、端末に通知。

【白嶺:2】


久我が舌打ちする。

「取られたか。」


立花が言う。

「今回は無理だ。急いで戻るぞ。」

久我は一瞬だけ迷う。このまま帰ればみんなに迷惑が掛かると。


だが立花が先に走り出す。

「閉じたら終わりだ!」

その言葉を聞き悔しみながらも久我も走る。


数分走って出口が見えた。

【14:57】


二人が飛び出す。数秒後、迷路が閉じる。


【白嶺:2】

【蒼天:1】

白嶺にリードを広げられた。


久我が吐き捨てる。

「すまん、鍵を見つけられなかった。」


立花が言う。

「結構奥まで探したんだが見つからなかった。でも、まだ追いつける点差だ。」


玲央は短く問う。

「何分残して撤退した。」

「二十分。」

玲央が頷く。

「お前らの判断は正しい。そこで残っていたら戻ってこれなかったかもしれないからな。」


だが現実は白嶺側に一点多く取られていることに変わりはない。


天城が微笑んでいる。

鍵を持った生徒に肩を置き、優しく言う。だがその時褒めてもらっていたのは鍵を手に入れ端末に差した生徒だった。ペアで組んでいたもう一人がいない。いったい彼はどこにいったのか。


「よく頑張ったね。」


天城がその子を褒めている。その背後では一人の白嶺生徒が、迷路入口をじっと見ている。戻る判断が遅れたのか。しかし天城は振り返らない。


九条の目が細くなる。

「……早すぎる。」


颯真が低く言う。

「何が?」


「撤退するのがよ。」

九条は視線を逸らさない。


「確かに迷路が閉じる前に間に合った。でももう少し探索すれば鍵は拾えていたかもしれない。」


颯真は答えない。ただ端末を見る。


【蒼天:1】

【白嶺:2】


時間はまだ三時間以上ある。だが、差は開いた。


第三ラウンド。朝比奈と桐谷が前に出る。閉鎖迷路の入口が再び開く。

静かに、確実に。それぞれの選択が削っていく。

第三ラウンド。まだ誰も死んでいない。

でも、もう選択は始まっています。


そして天城優、動いていないのに不気味じゃないですか?


ここから一気に温度が上がります。

誰が残って、誰が残らないのか。予想、コメントで教えてほしいです。今章はここからが本番です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。