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青い霧  作者: 田中元一


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91/101

第5話 巨悪の正体と「20年後」の誓い

その後半年で4人が持ち寄った情報で明らかになった事実に、彼らは言葉を失った。

731部隊から101部隊へ。上官と部下。

戦時中に軍需物資を横流しし、GHQに一部を差し出して戦犯を免れ、

戦後は政界・財界で権勢を振るう――。

これまで点在していた事実が、ひとつの醜悪な絵として浮かび上がってきた。

関東軍が徴収した金と宝石。その一部を、山曽根・西村・天野の3人が私物化し、

免罪符と引き換えにGHQへ差し出した。

以後、その資金を元手に――山曽根は政界工作と選挙資金に、西村は不動産と建設業の拡大に、

天野は企業買収を重ね、東和電機産業を巨大化へ悪用してきた。

3人は互いに支え合いながら、戦後日本の政財界に深く根を張っていった。

その“巨悪の同盟”は、今もなお続いている。

しかし、見えてきた真実とは裏腹に、彼らの前には、冷酷な現実が立ちはだかった。

「だからと言って……今の俺たちに、何ができる?」

権力も、資金も、影響力もない。たとえ、マスコミに情報を流しても、金と圧力で簡単に潰される      のは目に見えていた。

沈黙の末、3人は顔を見合わせ、静かにうなずいた。

「20年後までに、それぞれが自分の組織のトップに立つ」

「そのうえで、4人で手を組み、巨悪を叩き潰す」

それは、学生時代から語り続けてきた「より良い日本を創る」という誓いを、現実の力に           変えるための決断だった。

――――――――――― 次回予告―――――――――

親友3人の結論に、ただ一人、納得できない男がいた。

3人の巨悪に父と奥野を忙殺された憤りが今も滓のように                             沈殿していた清だった。

―――――――――――――――――――――――――ー


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