第5話 巨悪の正体と「20年後」の誓い
その後半年で4人が持ち寄った情報で明らかになった事実に、彼らは言葉を失った。
731部隊から101部隊へ。上官と部下。
戦時中に軍需物資を横流しし、GHQに一部を差し出して戦犯を免れ、
戦後は政界・財界で権勢を振るう――。
これまで点在していた事実が、ひとつの醜悪な絵として浮かび上がってきた。
関東軍が徴収した金と宝石。その一部を、山曽根・西村・天野の3人が私物化し、
免罪符と引き換えにGHQへ差し出した。
以後、その資金を元手に――山曽根は政界工作と選挙資金に、西村は不動産と建設業の拡大に、
天野は企業買収を重ね、東和電機産業を巨大化へ悪用してきた。
3人は互いに支え合いながら、戦後日本の政財界に深く根を張っていった。
その“巨悪の同盟”は、今もなお続いている。
しかし、見えてきた真実とは裏腹に、彼らの前には、冷酷な現実が立ちはだかった。
「だからと言って……今の俺たちに、何ができる?」
権力も、資金も、影響力もない。たとえ、マスコミに情報を流しても、金と圧力で簡単に潰される のは目に見えていた。
沈黙の末、3人は顔を見合わせ、静かにうなずいた。
「20年後までに、それぞれが自分の組織のトップに立つ」
「そのうえで、4人で手を組み、巨悪を叩き潰す」
それは、学生時代から語り続けてきた「より良い日本を創る」という誓いを、現実の力に 変えるための決断だった。
――――――――――― 次回予告―――――――――
親友3人の結論に、ただ一人、納得できない男がいた。
3人の巨悪に父と奥野を忙殺された憤りが今も滓のように 沈殿していた清だった。
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