■ 若者の正義 ― 畑中清と3人の親友 ■ 第1話 防大卒パイロット・畑中清
静岡の進学校から、防衛大学校へ進んだ畑中清は、成績上位で卒業し、
航空自衛隊・松島基地へ配属された。
操縦技量は群を抜き、やがて清は、新鋭機のテストパイロットを任されるようになる。
だが――清の関心は、単に「飛ぶこと」だけではなかった。
幼い頃から身近にいた奥野忠雄の背中。鋳物工場で語られた技術と責任の話。
それらは清の中に、「操縦者である前に、 機体そのものを理解する人間でありたい」
という思いを芽生えさせていた。
エンジンの癖。振動。限界域での挙動。清はそれらを丁寧に言語化し、年に数回、
改良提案書として提出し続けた。
その姿勢は、基地内で確実に評価されていく。
34歳。
清は、最年少で航空自衛隊二佐に昇進し、防衛庁の日米合同・次期戦闘機研究開発チームへの
転出辞令を受けた。
同じ年、長く遠距離恋愛を続けてきた女性と結婚。
防衛庁官舎への入居も勧められたが、清はあえて、神楽坂近くの中古マンションを選んだ。
理由は、ただ一つ。
――本音で語り合える仲間と、自由に会いたかったからだ。
静かな街。夜遅くまで灯る部屋。そこに集う3人の親友達。
彼らはまだ知らない。自分たちが、やがて「正義」という言葉と、真正面から向き合うことになる未来を。
――――――――――――― 次回予告――――――――――
4人の若者が、同じテーブルにつき、同じ酒を飲みながら語る。
国家。技術。戦争。そして、日本の未来。
物語は、新たな鼓動を刻み始める。
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