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第9話 群馬行きの準備
翌月から、宇野の行動範囲は、ほんの少しずつ広がっていった。
仕事。用事。小さな旅。どれも、第3者の目には、ただの「日常の延長」にすぎない。
6月。梅雨のさなか。
人の訪れが最も少なくなる時期を選び、群馬の山奥にあるバンガローを、1週間予約した。
理由は、すべて整っている。時期も、休みの取り方も、誰から見ても無理がない。
早苗も、初日と最終日にだけ年休を取った。
雲が流れるように、時間は静かに過ぎていく。だが――その雲の向こうで、確実に「何か」が、
形を持ち始めていた。
宇野は、胸の奥で、ただ一言、呟いた。――あとは、迷わないだけだ。
―――――――――――― 次回予告――――――――――
復讐を企てる老いた者たちの影で、もう一つの「正義」が、
静かに動き出す。
次章――「若者の正義」
清たちが、この物語の表舞台へと現れる。
過去を知らぬ世代は、何を信じ、何を選ぶのか。
物語は、新たな視点へ――。




