第4話 復讐は「計画」へ
その夜。宇野は、はっきりと決めた。
――これからの1年、 山曽根、西村、天野、津田。
この4人を、 この世から葬ることだけを考えて生きる。
張り詰めた夫の気配に、早苗もすぐ異変を察していた。
宇野は腹をくくり、奥野静江からの電話の内容、そして自分の胸に芽生えた決意を、早苗に
すべて打ち明けた。
・どうすれば、夫婦で特別便に乗り込めるのか
・標的を一人ずつ狙うことは可能か
・それとも、全員を一度に消す方法があるのか
・津田弘毅は、いつ、どのタイミングで始末すべきか
特別便に同乗するには、櫻老人ホーム理事長から、全国老人ホーム会長として同行する
義父――緑風会理事長・橘昭一への「推薦」を取り付ける必要がある。
だが――要人を1人ずつ狙うのは、ほぼ不可能だった。常に警護が付き、隙はない。
では、機内で一度に――「青酸ガスによる毒殺」、理屈の上では確実だ。
しかしそれは、無関係な乗客や乗員までも巻き添えにしてしまう。
どうすれば、「狙った者だけ」を確実に葬ることができるのか。
津田の始末は、特別便の後。順番を誤れば、すべてが水泡に帰す。
長い沈黙のあと、早苗が静かに口を開いた。「静江さんも、きっと同じ気持ちよ。
恨みを抱えたまま、 死にたくないはず。3人で、一番確実な方法を考えましょう」
後日、静江を交え、3人は何度も話し合った。
「方法を探し、 見つけたら、 共に実行する」
早苗も静江も、すでに還暦を過ぎていた。
「もう、思い残すことはない。 あの人たちへの恨みを抱えたまま 死ぬのだけは、御免だわ」
こうして――復讐は、激情ではなく、冷静で具体的な「計画」として動き始めた。
――――――――――― 次回予告―――――――――
特別便に“乗る資格”を得るために、
宇野が最初に仕掛ける一手とは。「緑風会理事長への接近」
復讐は、静かに、しかし確実に、準備段階へ入る。
―――――――――――――――――――――――――




