■捜査1年後■ 小説家 第1話―➀ 捜査は「ゼロ」からやり直された
JNL特別便の乗客・乗員226名のうち、223名が一瞬で命を奪われた、未曽有の大量殺戮事件。
あの日から、すでに1年が経過していた。
事件発生直後の1か月間、捜査本部には連日のように「犯人につながる有力情報」が寄せられた。
だが――そのほとんどは、裏取りの結果、事件とは無関係なガセネタと判明する。
JNL社内への徹底的な洗い出し。過激派との接点の有無。会社に不満を抱く30数名への 張り付き捜査。──すべて、シロ。
最後まで疑われていたシカゴ空港勤務の向井整備士の線も、完全に消えた。
そのとき、捜査本部はひとつの重大な決断を下す。
「犯人は、JNL内部にはいない。」
狙われたのは「会社」ではない。特別便に同乗していた、政財界の“誰か”だ。
強烈な憎悪、高度な専門技術、機体天井部に装置を仕掛ける体力と知識―これらを備えた者 による、個人、あるいは複数の共犯者による明確な“標的型犯行”
捜査は、ここから根本的に方向を変えることになる。
事件解決のため、捜査本部は「4つの専門班」に再編成された。
――――――――――――――――次回予告――――――――――――
それぞれの専門班が追うのは、「動機」、「毒」、「侵入」、「情報」、「被疑者」。
だが――この再編こそが、思わぬ “盲点” を生むことになる。
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